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タイムカプセルは埋めるまでが楽しい

先日、オランダのハーグでは99年前にオランダ王ウィレム2世の像の下に隠されたタイムカプセルの中身が公開された。
アタッシュケースのような金属の箱の中には、1815年のワーテルローの戦いなどナポレオン戦争に関する本や古い文書が入っていたという。
タイムカプセルは改修工事をしていた作業員が偶然見つけ、歴史学者たちも非常に驚いたそうだ。

当時の文書や品物を箱に収めて地中などに埋めておく習慣は「タイムカプセル」という言葉が生まれる以前から人類は行ってきた。
古くは5000年前のメソポタミア文明の時代から存在しており、エジプトのピラミッドや中国の兵馬俑なども、墓でありながらタイムカプセルの面もあるだろう。
日本ではよく寺の仏像の内部や台座の下などに経典が収められている。
散逸を恐れ、未来へ伝えることを目的とするならば、これもタイムカプセルの一種だろう。

「タイムカプセル」という言葉自体は1939年のニューヨーク博覧会において初めて使われたらしい。
当時の日用品や繊維やマイクロフィルムなどを入れて、5000年後の開封を目標に地中に埋められた。
日本では1970年の日本万国博覧会(大阪万博)でも同様の取り組みが行われた。
人類の叡智を後世に伝える目的で、大阪城公園本丸跡の地下15mに今も埋設されている。

小学校などで行われているタイムカプセルのイベントも、大阪万博の後から始まったらしい。
私自身は経験ないが、同年代で他校に通っていた人たちの中には、すでに開封式まであったというのも少なくはないようだ。
小学生のころに埋めた文集を大人になってから読むが、感想は「別に」というのが多い。
まあ昔の世代と違って、今は大人も子供も似たような世界で生きており、ゲームをしたりアニメを見たりプラモを作ったりしているので、特に感慨深いわけでもないのだろう。

なお私自身は経験なかったが、取り組みに興味が惹かれたので『タイムカプセル』という作品を書いたこともある。
大人になってタイムカプセルを開けたことから殺人事件が始まるという、パンドラの箱を意識したストーリーだ。

来年には再び大阪で万博が開催される。
ということは、その流れで1970年に埋めたタイムカプセルを開封するのかと思ったが、特にそういう予定はないようだ。
あれは先のニューヨークにならって、5000年後の6970年に開封するらしい。
なんとも気の長い話だが、54年前はそのコンセプトで多くの賛同が得られたという点で、すでに隔世の感があると思った。

【一日三報】

【INTERNET Watch】プライバシーポリシーを全部読むとこんなに時間が! でも日本はまだマシという調査結果

前にアメリカで、長文の約款かプライバシーポリシーの中に「連絡してくれたらお金をあげます」という一文を入れたが、ほとんど連絡はなかった、という実験があったかと。
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Opera最強伝説。
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【FNN】「職場でババァと言われた。若くなりたい」架空の48歳妹になりすました73歳女 初公判で起訴内容認める

48歳の方がそう言われて怒ったのかと思ったら。
若くなりたいと思うのはいいけど、なぜ戸籍を偽造してしまったのか。
恐らく他人ではなく、自分自身を騙してそう思い込みたかったのだろう。
つまるところ、一番ババァと見ていたのは自分自身だったと考えると、切ないものがある。

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