椙本孝思

小説家。色んなお話を書きながら、半信半疑で人生を送っています。よろしくね。 https…

椙本孝思

小説家。色んなお話を書きながら、半信半疑で人生を送っています。よろしくね。 https://www.amazon.co.jp/stores/author/B004LTXGKM

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【著者紹介】はじめましてのみなさまへ

初見の方ははじめまして。 馴染みの方はいつもありがとう。 椙本孝思(すぎもとたかし)と申します。 小説を書いたり読んだりしながら、今日もどうにか生きています。 ミステリーやホラーを中心に20冊くらい作品を出しています。 amazonでは下記の作品をご購読できます。 どうぞよろしくお願いします。 https://www.amazon.co.jp/stores/author/B004LTXGKM インターネットの庭では四半世紀ほど個人ホームページを運営していました。 でも近

    • 名作は駄作の山の頂に咲く

      昔の作品のほうが名作が多い、そう考えている人がいる。 夏目漱石、太宰治、芥川龍之介、江戸川乱歩、横溝正史、あれやこれや。 でも、その考えは間違っている。 なぜなら、昔の作品は名作だけが残っているからだ。 当時だって箸にも棒にもかからない駄作は多い。 上記の人たちだって、そうでもない作品を結構書いている。 でもそういった作品は歴史の途中で消えたか、全集に入っていても読み飛ばされている。 昔の作品に名作が多いのは、その他の作品が削ぎ落とされて残った結果だ。 音楽にしても映画にし

      • 動物のエコヒイキと犬タブー

        秋田県がクマの注意喚起用に作成したポスターのイラストについて、県議会予算委員会で「かわいすぎて、怖さが伝わらないのではないか」との指摘があった。 ポスターには森の影からひょっこり顔を出したクマが描かれているが、そのビジュアルが「森のくまさん」のように愛らしい。 こんな動物が現れるなら、むしろ会いたいと思う人もいるだろう。 ニュージーランドでは同地の固有種を脅かす動物を駆除する目的で、恒例となっているネコ狩り大会が開催された。 コンテストでは当日最大の体重6.7キロのネコを狩

        • 電動スーツケース、完成していたの?

          『幻双城事件』という作品で、自走するスーツケースを登場させた。 ソーラー発電とモーターの働きで自走し、発信器の信号を受けて持ち主のあとをついてくる。 リモコンを使えばスーツケースの上に座って移動することもできる優れものだった。 作ったのは作品に登場する天才・犬神博士で、存在は全く架空のものだった。 そんな電動スーツケースが、いつの間にか旅行者の間で普及して、無免許運転で書類送検されていた。 先日、電動スーツケースに乗って歩道を走ったとして、大阪市に住む中国籍の留学生が、道交

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        【著者紹介】はじめましてのみなさまへ

          みんなの無人博物館

          この頃は近所でも無人販売店を見かけるようになってきた。 冷凍食品やスイーツや餃子などを冷凍庫に入れて販売している。 客は商品を取ると自分でバーコードをスキャンして、QRコードなどを使って電子マネーで購入する。 狭いビルの一階など小スペースで展開しているようだ。 性根は悪いが犯罪を起こす度胸もない私としては、窃盗でも起きないのだろうかと心配になってしまう。 ネットで調べてみると、やはり似たような店舗で決済せずに商品を持ち帰る窃盗が頻発しているようだ。 店側も監視カメラの画像な

          みんなの無人博物館

          燃費、バッテリー、書籍の重版

          優良誤認と聞いて思い出すものに、自動車の燃費がある。 カタログなどで「リッター○○kmの低燃費を達成!」と謳っている車は多いが、実際に走行していてもまずその数値は達成できないし、絶対にそれ以上の低燃費は実現できない。 なぜならカタログで検証されている条件は、気温や道路のコンディションが極めてシビアで、悪路や信号待ちや渋滞や猛暑・酷寒や車体の経年劣化など実際の利用環境ほど過酷ではないからだ。 ただし嘘をつけば不正となるので、正しい検証結果であることには違いない。 また他のメーカ

          燃費、バッテリー、書籍の重版

          南をガンジスへ連れてって

          中学生の頃は卓球部に所属し、高校生の頃はフェンシング部に所属していた。 理由は、運動部に入りたいけど、運動が苦手だったからだ。 ガチで競い合うと負けるに決まっているから、ジャンルをずらして勝てずとも負けてはいない立ち位置を確保する。 振り返れば人生、いつもこの方法で誤魔化してきた気もする。 学校の部活動も近年は色々と様変わりしているようで、トレンドも変わりつつあるらしい。 私が子供の頃は特に男子はバスケットボール部が人気だったが、今は男子バレーボール部の方が人気を集めている

          南をガンジスへ連れてって

          ポケモン脳とか先天性ゲーム脳とか

          まだ言葉もうまく扱えない幼児なのに、すごく電車に詳しい子がたまにいる。 一目見ただけで車種も型番もすらすら言えて、路線や時刻表すらも完璧に記憶している。 電車に限らず自動車や動物や、昆虫や草花に詳しい子もいる。 先日には徳島の三歳児が散歩中に、麻薬の原料になるアツミゲシという植物が自生しているのを発見して、警察から感謝状が贈られた。 雑草の知識がふんだんにあったから、見慣れない植物に気づけたのだろう。 幼少期ポケモンにハマっていた人は「ポケモン特有の脳活動」に成長するという

          ポケモン脳とか先天性ゲーム脳とか

          富士山信仰のない日本人

          田口ランディの「富士山」という作品がある。 元カルト教団の人間、自殺の名所へ向かう少年たち、ゴミ屋敷に住む老婆、中絶手術を見る看護師、それぞれの世界が富士山というキーワードで結び付いた純文学の短編集だ。 ストーリーの面白さや書き口のうまさが光る良い作品だと思った。 ただ富士山を神格化して心に根付いているような心境にはピンとこなかった。 「富士山信仰」という言葉があるように、古来から富士山は日本人にとって信仰の対象となってきた。 しかし私個人にとっては特に思い入れの対象ではな

          富士山信仰のない日本人

          周期ゼミと昆虫部

          アメリカでは今年、周期ゼミの当たり年らしい。 東部では13年に一度羽化するジュウサンネンゼミの「ブルード19」に当たり、中西部では17年に一度羽化するジュウシチネンゼミの「ブルード13」に当たるとか。 お陰で今年は1兆匹を超えるセミが現れるらしく、すでにあちこちで大合唱が始まっているそうだ。 セミというのは日本では7年間地中で幼虫のまま過ごしてから羽化することで知られているが、世界ではそれ以外にも短期間あるいは長期間を経てから地上へ現れる種類がある。 みんなで一斉に羽化した

          周期ゼミと昆虫部

          不気味なAppleの新CMと世間のお気持ち

          あなたの作品は恐いので書かないでほしい。 以前、見知らぬ読者からそんなメールを受け取ったことがある。 嘘のような話だが本当だ。 とあるミステリー作品について、まるで自分事のように恐い内容が書かれていて、不安になってしまったらしい。 だからもう、そういう話は書かないでほしいと訴えていた。 小説は人の心にズケズケと入り込んで、楽しませたり恐がらせたりするエンターテイメントだ。 不安に駆られるほど共感を抱いてもらえたのはありがたい話だと思う。 とはいえ、私は書くことをやめるわけに

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          みんなパスワードってどう管理してるの?

          【パスワードは英字(a~z、A~Z)、数字(0~9)、記号の3種類を組合せた10~12桁の半角文字でご入力ください。】 何かを何かする際に、よくよくこんな指示を見かける。 なかなかの無茶ぶりだと思う。 人はそんなに素早く、英字と数字と記号の3種類を組み合わせた10~12桁の文字を思いつけない。 場合によってはさらに大文字と小文字も混ぜろとか指示される。 そして苦心して入力してもねぎらいの言葉もなく、それがお前の証明になるから絶対に忘れるなよと言われるだけだ。 人間が一度に

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          ブレインマネジメントの究極

          いつの頃からか、私は記憶することをやめた。 学校の試験がなくなって、インターネットが普及して、小説などを書くようになった頃からだろう。 自分の記憶はあてにならない。 覚えていたスケジュールは忘れるし、過去に得た知識や常識はちょくちょく間違っている。 他人との約束や、作品で使いたい知識などに誤りがあったら大変だ。 だから私は全てを外部保存して、そのインデックスだけを覚えることにした。 要するに、手帳とメモ帳だ。 必要な時はそこから検索して確認する。 そして書き残すと同時に脳から

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          トイレにスマホを落とした週末

          弊著の『時間島』は、主人公が湖に携帯電話を落としたことから物語が始まる。 落とした携帯電話から電話が届く、しかも内容は……。 現代人なら誰の身にも起こり得るアクシデントから、有り得ない状況へと飛躍すると面白いな、というのが発想の根幹だった。 今ならスマホを使えばもっとスリリングな展開にできるだろう。 そんな、誰の身にも起こりうるアクシデントに、私は先週末に見舞われた。 スマホをトイレに水没させてしまったのだ。 用を足して便座から立ち上がり、振り返った瞬間にポケットからスマホ

          トイレにスマホを落とした週末

          ラッコ水族館の決断

          先月3月12日に三重県鳥羽水族館の設立者、中村幸昭(なかむらはるあき)氏が96歳で亡くなった。 1955年(昭和30年)に設立した同館は年間入館者数80万人、累計6000万人を超える国内屈指の水族館にまで成長した。 中村氏はいわゆる名物館長という人で、講演会や広報活動も積極的に行い、水族館や海洋生物にまつわる著作も多い。 プロフィールによると前職は朝日新聞社の社員ということで、いわゆるメディア畑の人間だったようだ。 そんな鳥羽水族館のホームページでは先日よりラッコ水槽のライ

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          もふもふプッシュで上げてオン

          「もふもふプッシュ」とは独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が先日提唱した「ペットによる火災事故」について注意喚起だ。 “もふもふプッシュ”にご用心~「ペットによる火災事故」を防ぐポイント~ 飼い主が外出している中、留守番をしている犬猫が「もふもふ」した手足でガスコンロのスイッチを「プッシュ」したことで火災が起きてしまうケースがよく起きているそうだ。 発表資料ではガスコンロのスイッチだけでなく、配線器具やバッテリーを噛んでショートを起こしたことによる出火、暖房

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