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動物のエコヒイキと犬タブー

秋田県がクマの注意喚起用に作成したポスターのイラストについて、県議会予算委員会で「かわいすぎて、怖さが伝わらないのではないか」との指摘があった。
ポスターには森の影からひょっこり顔を出したクマが描かれているが、そのビジュアルが「森のくまさん」のように愛らしい。
こんな動物が現れるなら、むしろ会いたいと思う人もいるだろう。

ニュージーランドでは同地の固有種を脅かす動物を駆除する目的で、恒例となっているネコ狩り大会が開催された。
コンテストでは当日最大の体重6.7キロのネコを狩った者や、最多の65匹を狩った者に賞金が贈られた。
なお14歳未満の子供部門を新設すると発表されていたが、国内外から批判が殺到し見送られることとなった。

人間と動物とのかかわりについては合理的思考と感情論が常に付きまとう。
人を襲うクマや絶滅危惧種を襲うネコは駆除されるべきだが、本能のまま生きている可愛いクマさんやネコちゃんを虐殺するのはいけないという。
でも多分、病気を媒介するネズミさんや、ただ家に入り込んできただけの虫さんを殺すことには誰も反対しないだろう。
可愛くて知性や感情の片鱗が見られる動物だけを良しとするなら傲慢な話だ。

特に欧米のほうに目を向けると、犬への扱いに戸惑うことがある。
犬というのは人間の友達で、可愛くて賢くて心優しい動物だ。
それについては私も賛成だが、あちらでは「犬タブー」と言えるほどの過保護な扱いを受けているように感じるのだ。
イギリスの映画「キングスマン」では、エージェントの試験で犬を撃つように命じられるが、やんちゃな主人公が悲痛な顔で苦悩してしまう。
ドイツの映画「帰ってきたヒトラー」では、人気者になったヒトラーが指に噛みついた犬を射殺したことで一気に非難の目を向けられるようになった。
アメリカでは犬の散歩があるから残業できないと告げた部下に上司が反対したところ、ひどいパワハラだと言われたという。
なんでもありのインターネットでも犬を虐待する動画を投稿する者は少ない。
とにかく犬だけは絶対に傷つけてはならないのだ。

お陰でアジア圏の犬食文化は欧米圏では完全に否定されている。
私も別に食べたいとは思わないが、「野蛮だから」という理由でしか説明できないから難しいところだろう。
君らだって牛も豚も羊もフォアグラも食べるじゃないかと言い出せば水掛け論になる。
平等公平を目指せば、行き着く先はインドの敬虔なジャイナ教徒のように、裸で暮らして豆だけを食べて生きるしかなくなるからだ。

人間って、他の動物を絶対的に支配する力を持っていながら、優柔不断で依怙贔屓なところがある。
これだけ好き勝手にしながら、地球は僕らだけのものじゃない! とか言うのはさすがに無責任ではないだろうか。
他の動物たちにとっては溜まったもんじゃないなと思う。

[一日三報]

[時事通信]カタツムリ、どこへ? 近畿では半数が絶滅危機―市街地化や乾燥原因と識者

そう言えばあまり見かけないなと思うより前に、カタツムリが日本に800種類もいて、近畿だけでも200種類存在することに驚いた。
せいぜい2,3種類かと思ったが。
もしかすると、私が知っているカタツムリはカタツムリではなかったり、別の何かもカタツムリだったりするのかもしれない。
いきもの皆デンデン。

[ナショジオ]靴を捨ててもいい? 「裸足は効果的」との研究が続々と発表される

そんなわけなかろう。
世の中にはアーシングとかいう、裸足で過ごせばみんなハッピーで健康になれるという、スピリチュアルなアレもありますが。
人類は何万年も裸足だったというが、それで良いなら誰も靴なんて履かなかったわけで、やっぱり必要だから発明したんだと思う。
でも革靴とかヒールとか、見映えのために歩きやすさを犠牲にする靴は間違っていると思う。

[CNN]宇宙に浮かぶ「ペンギン」と「卵」、ウェッブ望遠鏡が捉えた新画像公開

今日のゼロムス。
ペンギンと呼ばれているけど、僕らの目にはどう見ても宇宙ミジンコにしか見えないわけで。
でもこの小さく光っている点の、さらに細かくて見えない点くらいのサイズが地球で、その中に僕らがいると思ったら、こう、ワクワクするよね。
しょせんは僕らも宇宙ミジンコの一部よ。

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