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サブスクの難点と電子図書館の方針

昨年の11月にSpotifyやApple Musicなど大手の音楽配信サービスから安室奈美恵の楽曲が視聴停止となる出来事があった。
お陰でファンの間では騒ぎとなり「CDを持っていて良かった」「でもCDデッキなんて持っていない」「これだからサブスクは信用できない」といったコメントが流れていた。
私自身は特にファンではないので気にならないが、これは誰のどの楽曲に対しても起こり得ることだろう。
なお視聴停止となった事情はよく分からなかった。

ご存じの通り、サブスクリプションとは現物の売買とは違い、利用できる権利を購入する仕組みになっている。
今回でいえば安室奈美恵の楽曲を聴く権利、というかそれを含めたサービスを利用する権利を購入しているに過ぎない。
また未来における保証もないので、いきなり楽曲が聴けなくなっても責任を問われることはない。
聴けなくなったからサブスクを解除するのも自由だからだ。
もちろんそんなことを繰り返していればユーザーも離れていくだろうが。

電子書籍についても同様で、利用者はその本を読める権利を購入しているに過ぎない。
こちらはサブスクよりも単体購入のほうが多いが、それでもいきなり読めなくなっても代金を返してくれることはない。
とはいえ、あくまで前提の話なので実際には何かしらの形で弁償されることもある。
過去には終了した電子書籍サービス会社が、利用者にポンタポイントか何かで弁償したこともあった。

書籍のサブスクといえば、サブスクと呼ばれる以前より図書館がある。
図書館でも近頃では電子書籍の配信が始まっており、借りた電子書籍をスマホで読めるようになっている。
ここで問題になるのが、「じゃあ図書館の電子書籍を使えば小説とか読み放題じゃね?」ってことだが、JDLS(日本電子図書館サービス)という運営団体では、電子書籍ごとにライセンスを付与して、一つの図書館は一人につき一冊しか貸し出せない仕組みが取られている。
要するに電子書籍にもかかわらず、従来の図書館と同様に読むために順番待ちをして、期限内に返却する必要があるのだ。

現物の存在しない電子媒体に対して数量が限られているのは本末転倒の気もするが、そうでもしないと誰も本を買ってくれなくなるので仕方ないとも言える。
そもそも教科書でも参考書でも歴史的文献でもない、巷で販売されている娯楽小説を図書館で貸し出す必要はあるのか。
それは知識の公共性とは別の話ではないかと思うが、それはまあ別問題なので今は考えないでおこう。
私の著作も図書館にあり、多少貸し出されたところで売上にはほとんど影響はないのは分かっている。
せっかくなので見つけたらじゃんじゃん読もう。

というわけで、本当に好きな物があれば今のところは現物を購入して所持したほうが、利用者にとっても作家にとっても有益だろう。
全てが電子媒体となって物事がサクサク進むようになるのは、まだもう少し先のことだと思う。

【一日三報告】

【共同通信】米の受刑者「皆既日食見たい」 宗教上の権利と提訴

サンテリアというのは、かつて奴隷貿易で連れてこられたアフリカの人たちが、みんな仲良くするために土着の宗教と他の地域部族の宗教と雇い主であったスペイン人たちのカトリックなどと合わさって生まれた独自の宗教とされている。
これを混淆(こんこう)宗教と呼び、日本の神仏習合などもそんな感じのものだ。
それはともかく、宗教上の権利と言えばなんでも通りそうなのは難しい問題かもしれない。
うちの宗教では晩餐はステーキとワインを食し、夜は羽毛布団で寝なければならないのだ!と言うこともできよう。
有名だから、信者が多いから、摂生だから宗教として認められるのも変な話になるし。

【読売新聞】レトロな「うどん・そば自販機」から「何杯も出てくる」…設置から半世紀、存続の危機

テレビに取り上げられたか何かで、ちょっと前からプチブームになっているよね、うどん自販機。
これを機に新しく製造する会社が出てきたりしないかと思ったが、そこまででもないのかもしれない。
あとまあ冷めた意見を述べると、結局は普通にうどん屋さんで食べたほうが普通においしいと思う。

【INTERNET Watch】「下り100Mbps未満はブロードバンドに非ず」FCC、ブロードバンドの速度定義を見直しへ

定義が変わるものとは知らなかった。
でも microUSB3.2 Gen1 Type-C 5Gbps とか、おかしな名称が氾濫するよりはいいか。
そのうち「当時のブロードバンドを現代に直すと……」とか「江戸時代の貨幣価値」みたいな話になるかも。

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