文芸部

この人がほしい。と思われていたい。

今回は初めてnoteを書いた時から思っていることを書いてみます。

僕がnoteを初めて書いた時にすぐ思い、今でも思っていること。

「編集者がほしい。」

そう、自分のnoteを見てくれる編集者がほしいのです。

noteの機能のおかげで、日々どのくらい読まれているのかはいつでも数字で確かめることができるし、「スキ」の数やコメント、twitterにいただく感想などで、反応の多い少ない(よい悪い)をある程度知ることはできます。また、時折会社の先輩や後輩、漫画家さんたちから感想をもらえたりすることもあります。(そういう時はとても嬉しいし、ホッとします)。

そうやって、書いて世に出したものへの反応を手がかりに、皆さん書き続けているんだろうなあと思うのですが。。。


世に出す前に、読んだ人の感想を知りたい。


漫画家さんと日々接していて大変さは分かってるつもりでしたが、noteを書いてみて、自分の名前を出して物事を世に発表するのは想像以上に緊張もするし、気を遣うと実感しています。

正直、いざアップする時は毎回ビクビクしてます。

だから、自分の書いた文章が分かりやすいものになっているのか、自分の意図と違う意味で伝わってしまうようになっていないか、事前に感想を聞けたらもう少し安心して好きに書けるんだろうなあと思ってしまいます。

内容についてさらに言うと、どこまで書くべきなのかも知りたい。ここまで書くと書きすぎなのか、それとも物足りないところで終わっているのか、どっちなんだろうかもすごく悩みます。

たとえば一つ前の記事の中盤の部分。

それ以外に大事にしていたことがあります。
それは、とりあえずどんなことでもいいから、僕が編集長になってよかったと部員たちに思ってもらうことでした。


この「編集長になってよかったと部員たちに思ってもらう」というくだりの話を入れたほうがいいのか、まっすぐ「運」の話に行ってそれだけでまとめた方がいいのか。散々悩んで結局残したのですけど、そういうのも誰かに読んでもらえれば即解決するのに…と思いながら書いてました。

(文章貼りつけて気づいたけど、「それ」が2行連続で行頭に来ててひどい(苦笑)。そういうミスも防げるだろうな)


構成的なことはテクニカルなことだからまだいいけど、もっと悩むのは何をどこまで踏み込んで取り上げるかです。

編集長が書くものに期待されていることと、編集長がここまで書いたら嫌だなと思われるだろうこと、その境界線がどの辺にあるのか。

書く側の性として、できるだけ面白いものにして沢山の反響を得たくなるけど、かといって、誰かを傷つけたり不快にするようなことは書きたくない。すると、自分で書いてて分かっているのですが、自然内容が無難なものに寄りがちです。


もう一つ。

僕のnoteは、最初「質問に答える形式」で始めてみたものの、どうしても堅苦しくなってしまうので、前回から普通にブログ形式に変えました。

典型的なA型なので、途中からフォーマットを変えるのは本当はすごく嫌なのですが、「気づいたらすぐ改める方がいい」と思っているので変えました。

でも、そもそも最初から「編集長のブログ」として一番面白く興味深く見えるように最適化できていればなあという後悔も始まっています(笑)。


編集者に期待されていること。


さて、くどくどと悩みっぽいことを書きましたが、実際のところ「世に出す前に読んだ人の感想が知りたい」という悩みは、解決しようと思えば本当はすぐに解決できます。

業務時間中に個人的なnoteを読ませるわけにもいかないので控えていますが、周りに編集者が山ほどいる職場なので、一言「読んで」と言えばプロの編集者に読んでもらえるし、「とにかく誰か自分以外の人」でよければ、家族や友人に読んでもらうこともできます。

僕がnoteを書くことに賛同してくれて、絵を使うことも快く了承してくれた現担当作家のろびこさん、あなしんさんに、事前に内容を相談したり読んでもらったりしたこともあります。

では、なぜ今回わざわざ書くうえでの悩みを書き連ねてみたか。


noteを書いてみて、想像以上に緊張もするし、気を遣うと思ったのは本当です。毎回ビクビクしてるのも本当だし、「編集者がいれば楽なのに」と思ったのも本当です。

そう思った時に、書く側に立って整理し直したら、編集者に期待されている役割が分かりやすい気がしたんです。

ここまでぐだぐだ書いてきたことを改めてまとめ直してみると…

・何を書くべきか、期待されていることを知りたい。
・自分が書けることのうち、何に価値があるか知りたい。
・書くものを、一番読む人の心を惹きつける形に最適化したい。
・どこまで書くべきか、どこからは書かないべきか境界線を知りたい。
・途中で余計な回り道をしてないか確かめたい。
・伝えたいことがちゃんと伝わる内容になっているか確かめたい。
・文章がちゃんと誰にでも分かりやすくなっているか確かめたい。

ぴったり当てはまってるかは分かりませんが、書く側の人が編集者に期待しているのは、概ねこういう願望に答えてくれることなんじゃないでしょうか。(※あくまで願望が先にあって答えがほしくなるの順です。)


理想のパートナー


恥ずかしながら若い頃は、「素晴らしいアイディアを提案しなければ」と変に力んだり、「売れる作品を作らないといけない」と思い過ぎたりして、こちらが勝手に描くべきだと思っているものを漫画家さんに無理に押し付けていた気がします。

でも今こうして、少しなりとも書いたものを世に出す側をやった時に思う「一番ほしい編集者」は、僕が書きたいもので、かつ、書いてほしいと思われるものは何かを鮮明にしてくれる人、でした。

そんな人がいたら、ぜひこの先も「書いたものを世に出していく」という旅のパートナーになり、僕が書いたものがどう見えるかをその都度教えてほしい。

実際に漫画家さんたちが何を望んでいるのかはそれぞれの人に聞いてみないと分かりませんが、これが自分なりの一つの理想の編集者の形です。


僕はできるだけ長く、素晴らしい作品が生まれる過程に立ち会い、少しでも役に立ちたいと思っています。

素晴らしい作家さん、漫画家さんたちが、素晴らしい作品を生み出す過程において僕を「ほしい編集者」だと思ってくれ続けるように頑張りたいです。


もちろん、編集者は作品が生まれる過程だけではなく、作品を知らせ広め沢山の人に届ける方の役割も随分と期待されているのは分かっています。特に今の時代は。そのことについてはまた別の機会に触れたいと思います。


とはいえ、小さいことからコツコツと。最後に一つだけいつものお知らせも書いておきますね(笑)。

「デザート」のHPでは全作品1話目を丸ごと無料で試し読みできます! ぜひ一度遊びに来てください。お待ちしてます!

(ちなみに僕が今でも担当している連載中の作品は『僕と君の大切な話』と『春待つ僕ら』の2作です。よろしくお願いします。)

感想や質問、僕に何を書いてほしいかのご希望も教えてもらえたらとても嬉しいです!お待ちしてます。


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