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我々夫婦にとっての○ブリ

 チャンネルを切り替えて放送しているところを見つけたら、
 途中からでもつい見てしまう配偶者に付き合って、
 最後まで観た事が入籍してから干支を一周するまでの間に、
 6回はあったと記憶しているその映画が何を隠そう、
 (余談だが『ランボー4』も3回あった)


  『ブラックホーク・ダウン』(2001年・米)
         リドリー・スコット監督
         
ユアン・マクレガー
         ジョシュ・ハートネット

  1993年に実際に起きた事件を映画化したもの。
  ソマリアの内戦に介入した米軍が、
  1時間程度で終わらせるつもりの極秘作戦を決行。
  しかし予想以上の性能だった武器にヘリが撃墜され、
  極秘作戦で既に恨みを買っていた部隊は、
  完全なる敵と化した民衆の真っ只中に取り残される。
  (作戦自体は終了直後というのが状況的に最悪だ。)

     

 『ランボー4』にも共通するのだが、
 我々夫婦がなぜこの作品を、
 「良い映画」の一つに挙げるかと言えばとにかく、
 なめたら痛い目に遭う事が大変に良く分かるからだ。

 我々夫婦はそれぞれに、
 少々向き合い方は異なるけれども、
 「他人をなめた分は同じだけ確実になめ返される」を、
 人生における真理の一つとして心に刻んできた。

 「暗視スコープに脊椎プロテクターが、
  どれだけ大事かすごく良く分かるよね」
 と配偶者は実質的な感想を述べるが、

 「それ以前になぜなめていた。
  そこにいるのは野蛮人でも未開人でも、
  指導者の言いなりになるばかりの奴隷でもない。
  お前らより過酷な環境に生まれ育った人間達だと、
  初めから誰かもう少しくらい気付いておけ」
 と私が底辺育ちの感慨を述べて配偶者も引かせる。

 仲間のために戦う、とか、
 残された妻子に愛を伝える、とか、
 お気持ちは分かりますが私は、ごまかされません。
 米軍の失敗です。

 しかし米軍を笑う事は出来ません。
 本当に気を付けていなければ、
 誰しもが似たような過ちを犯すのです。

 申し訳無いけど我が国なんか、
 見捨てて全滅した後を敬礼で終わらせると思うし。
 実際の現場はともかく世間はそれで許しちゃいそうだし。

 実際投入されたのは高度な訓練を受けた最強部隊だ。
 だからこそ「1時間で終わる」などと、
 侮っていた側面はあるが、

 自分の頭で考えて、
 自分に出来る範囲を確実に動く奴だけが生き残れる
 (考えて選んだものであれば「動かない」も可)、
 という教訓もしっかり伝えてくれる。

 「ここで彼らが飲むコーヒーが美味そうなんだ……」
 と配偶者が呟いて「すまん」と思った。
 そういう感想もアリだし、
 そのくらいの余裕は保持して観た方が良い。

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