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「部下と何話せばいいの!?」 ”攻め”の1on1推進プロジェクト【後編】

こんにちは。三菱電機変革プロジェクトnote編集部です。
 
今回は前回に引き続き、三菱電機で取り組む「組織を強くするための一人ひとりの成長の場」としての「攻め」の1on1【後編】をご紹介します。
 
後編では1on1を始めてからの反応や変化、見えてきた課題、今後の展望などについて推進メンバーにお話を伺いました。

メンバープロフィール

――1on1の研修や実践が始まってから、管理職の方々の反応はいかがでしょうか?
 
井出:管理職も「部下が本音を話してくれない」「部下との話し方がわからない」とすごく悩んでいる人が多かったので、研修を通じて1on1の考え方や実際の話し方を学んで「頭の整理ができた」「悩みが晴れた」とポジティブな声をたくさんいただいています。また、悩みを共有することができる管理職同士の横のつながりができたという点でも好評でした。
 
藤井:私が所属する生産システム本部では、今回の取り組みに先行して2021年度から全部署で1on1を実施するよう、研修と実践が始まっていました。1on1の時間を確保するために管理職側も部下側も負荷が増える部分があるので最初は反発や戸惑いもありましたが、回数をこなしていくと、お互いに以前より本音で話すようになったり、2-3年目の若手でも課長とフランクに話すようになったりと明らかな変化が見られました。結果、「最近いろんな相談をしてもらえる」「最近メンバー間の距離が近くなりましたね」とどちらの側からも肯定的に受け止められていますね。
 
原田:自分のことで言うと、2023年10月に異動がありまして、課員にその旨を伝えた際の最初の一言が「今度から誰が1on1してくれるんですか!?」だったのがとても印象的でした。「最初にそれ!?」と(笑) でも、それくらい大事に感じてくれていたとわかって嬉しかったし、やっぱりこれを全社に広めたら絶対強い組織を作れると再認識した瞬間でしたね。

――順調に展開が進んでいるように見えますが、課題に感じていることや、今後取り組みたいことなどはありますか?
 
井出:必ずしも全てがうまく進んでいるわけではなく、「まるで事情聴取のよう」とか「進捗確認ばかりされてストレス」といった声も聞こえてきています。これは、一朝一夕に身に付くわけではないので、まだ管理職のスキルが不足している面もありますが、部下側も1on1がどのようなものかについて正しく理解できていないという側面もあり、双方の課題だと思います。また、部署ごとに課題なども異なっているので、みなさんが取り組みやすいように試行錯誤しながら進めています。
 
原田:「上司が実践する1on1と部下が期待する1on1との間にギャップがある」という意見も出ています。上司はうまくやってるつもりでも、部下側からするとそこに至っていない、と。ただ、そのギャップも「今まで上司に聞けば教えてくれたことを教えてもらえなくなった」といった不満だったりして、今までは質問したら答えをもらえていたために依存関係ができてしまっていたことや、1on1の趣旨を部下側が理解できていないことが一因となっています。なので今後は部下側に対してもしっかり1on1を理解してもらって、上司と部下の両方向から「互いの成長のため」という認識を一致させていく必要があると考えています。 

藤井:一般論として「上司の答え」を当てに行くのが得意だったり、タイパを求めて自分で考えずに答えを聞いてしまう人が増えている、という話をよく聞きますが、1on1を実践してみて、それが社内でも当てはまるなと思いました。
 
私たちは「自分たちから変わる」をテーマに、周囲の人たちの意識を変えることを軸に変革活動に取り組んでいます。1on1に関して言うと、まずは管理職に働きかけて理念や目的、スキルを掴んでいただいて、部下の力をうまく引き出して欲しいという活動なんですが、上記のように部下側の意識が「受け身」ではせっかくのツールも機能しません。自身も立ち位置で言えば部下側なので、今後は同じ立場の方々に1on1とは何かをしっかりと浸透させていきたいと思っています。
 
それと、日本人は一般的に自己開示や自分の考えを言語化して伝えることが苦手という人が多いように思うので、そうした点のトレーニングなども考えたいですね。自分の意思をちゃんと相手に伝えられるようになれば上司-部下の間で良い議論ができるようになり、より良い循環が生まれると思います。
 
井出:やっぱりみんなが「成長」を感じられる時間にできたらと思います。1on1は単なるコミュニケーションではなくて、対話を通じて上司が部下の成長しろを見つけ、さらには組織の成長のきっかけを見出す場ですし、部下側としても、上司の言葉から自分一人では気付けなかった自分の伸びしろ、成長しろを見つけることができる、そのための機会です。お互いにお互いが成長する時間だということをみんなが感じながら1on1を続けられるようにできればと考えています。
 
原田:1on1を上司と部下が相互に成長するためのツールとして導入していますが、将来的にはこの関係にとらわれず、同僚同士や異なる部門のメンバー間でも気軽に行えるようにすることも目指しています。1on1は「壁打ち」とも表現され、話を聞いてもらうことで自身の考えを整理し、言語化する手助けになります。このような文化が根付けば主体的に仕事を進める人が増え、結果としてさらに強い組織を築けると確信しています。これからも定着に向けて頑張っていきたいと思います。
  
編集部:お話を通して、みなさんの「強い組織を作るんだ」という強い想いが良く伝わってきました。これからも「攻め」の1on1の定着に向けた取り組みをよろしくお願いします!今日はありがとうございました!