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常識を超えて新しいアイデアを生み出す思考法「転換思考」とは?


イノベーションを生み出す思考法のひとつ「転換思考」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。デザイン思考のプロセスを実施する過程で、この転換思考を活用することで、よりバイアスフリー(既存概念にとらわれない)なアイデアが生まれやすくなります。
言葉としてはそこまで一般的に使われているわけではありませんが、考え方自体は特別なものではなく、既に実践している方もいるかもしれません。

ポイントは「当たり前を疑う」こと

転換思考とは、これまでの常識や当たり前だと思ってきたことなど、無意識の内に前提条件としていた事柄を疑い直すことによって、発想の転換を図る思考法です。この転換思考を実践すると、新たなアイデアを生み出すときの手助けやイノベーションのきっかけになるといったメリットがあります。

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「人を運ぶ手段は馬」の常識を打ち破った大発明

蒸気機関車が発明された背景にも、転換思考が関係しています。
今でこそ移動手段といえば鉄道が一般的ですが、200年以上前は馬車が主流でした。当時有識者の間で「馬車に代わる次世代の乗り物」について議論された際に出された答えは、「筋骨隆々の馬」すなわち人を運ぶものは馬であるとの固定観念にとらわれていたのです。しかしイギリスの機械技術者であるリチャード・トレビシックが、人を運ぶ手段は馬でなく、さらには動物でなくてもいいのではといった発想から蒸気機関車を発明したのです。常識を取り払って新しい発想をするという、まさしく転換思考の考え方が発揮されていることがわかります。


身近に存在する、常識を覆したアイデア

転換思考による「当たり前」の打開は、蒸気機関車など昔のものだけでなく、私たちの周りの身近なところでも起きています。例えば、所有しているモノや場所・スキルなどをインターネット上のプラットフォームを介して、個人間でシェア(貸借・売買・提供)していく新しい経済の動きを指す「シェアリングエコノミー」もその1つです。これまでの私たちは、自分が使うものは自分で購入し所有することが当たり前でした。その「当たり前」が覆され「必要なときに必要なぶんをシェアしあう」ライフスタイルが支持を集めるようになったのです。具体的な事例としては、カーシェアリングなどが挙げられます。車が必要であれば自ら購入するのが当たり前という常識をひっくり返して成功している事例であり、実際に若者を中心に、「必要な時にだけ借りる」使い方が一般的になりつつあります。

最後に

今回ご紹介した転換思考は、学生生活でも社会人になってからも大いに活かすことができます。これまで自分が当たり前と思ってきたことに対して少し立ち止まり疑ってみる習慣を身に着けることで、新しい発想を求められる時に大胆な発想の転換ができるかもしれません。HELLO, VISITSのデザイン思考講座(無料)が、今月からスタートします。まもなく詳細が公開されるので、一生使えるデザイン思考をぜひ気軽に学んでみませんか?


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