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断酒70日目〜うつ再発〜

~前日の振り返り〜
医師から処方された睡眠薬と抗うつ薬の過剰接種で衰弱した私を見た相方は、医師に強い憤りを表し、薬は一切止めるように私に言い渡した。


急に抗うつ薬、睡眠薬、抗酒剤を止めて眠れない夜を過ごした断酒70日目の朝、私の脳はパニックになっていた。やはり眠れなかった。薬を止めたから眠れなくて、どうしたらいいの。焦燥感、震え、だるさ、強張り。体の反応にますます不安が募る。今の医師に相談したら相方怒るだろうな。素人判断で薬を辞めたら危ないのに、これから誰を頼ればいいの?相方は、睡眠薬の過剰接種で前日ずっと寝ていたから一晩ぐらい眠れなくても当たり前だよ。誰だってそうなるよ、と私に言い聞かせて仕事に出かけた。その言葉に納得いかず、不安な気持ちのまま午前中を過ごした。
昼過ぎ、ついに限界が来て通院中の病院に電話をした。私の声は不安で興奮気味だった。受付の人が医師は診察中なのでと看護師さんに代わってくれた。私は薬の副作用でおかしくなったこと、相方に薬を一切止められたこと、一晩眠れなかったこと、不安で仕方がないことを伝えた。話しながら声が上ずり呼吸が荒かったが、看護師さんは真摯に話を聞いてくれた。頭がパニック状態で支離滅裂になっていないかな?私の話わかりますか?看護師さんは一通り話を聴き終わると、先生から折り返し連絡をするので、電話の取れるところにいてください、と言って電話を切った。
電話を終えると力が抜けて涙が止まらなくなった。気持ちを一旦吐き出したことで抑えていた物が一気に吹き出した。嗚咽しながら1時間ほど泣き続けたら、少し気持ちが落ち着いてきた。数週間前から兆候が現れていたけれど、鬱が再発したのだとその時自分の中ではっきりと自覚した。
先生は診察時間が終了した18時過ぎに電話をくれた。薬が強かったみたいですいませんでした。ご主人が薬に反対しているのであれば、睡眠薬、抗酒剤は止めて、長く服用している抗うつ剤1種類と頓服に抗不安剤、胃腸系の薬はそのままで様子を見ましょう。ご主人には申し訳ありませんでしたと謝っておいて下さい、と医師は言った。
折り返しの電話を待っている半日の間、私はこう思った。やっぱり医師にとって私は患者の一人で、相方が私を心配する思いとは全く違う。であれば、相方の意思を尊重して最小限の薬で断酒と鬱治療をしよう、と。それ以来、私は抗酒剤、睡眠薬なしで断酒を継続している。

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