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エッセイ集 へいたのはなし

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エッセイ集です。ここに書いていることだけは本当の話です。おそらく、多分、だいたいは。
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2022年7月の記事一覧

エッセイ 邪魔しないで、今おはなしをよんでいるの(7月の読書記録など)

エッセイ 邪魔しないで、今おはなしをよんでいるの(7月の読書記録など)

 以前、スパイダーマンに関するショートショートを書いたところ、アベンジャーズははまるよ! という趣旨のコメントをnoterのヒスイさんにいただき、地味地味と「アイアンマン」から観ています。今日「アントマン」を観て、第2フェーズが終了です。甘野充さん(この方もnoteにいらっしゃいます)がおっしゃっていた『アイアンマンは永遠のヒーローです』の意味もわかるようになりました。キュートでめんどくさくてかっ

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エッセイ ぜんぶ逆光(もしくは、街のはなし)

エッセイ ぜんぶ逆光(もしくは、街のはなし)

 ヒーローが自分の住んでいる街に来るといいと思っていた。
 怪獣でもいい。
 校舎を尻尾でなぐりつけて、一声吠えて、電波塔がゆれる。通学路を自転車でかけながら、私は大声をあげる。

 恋物語なんかもいい。いつもの散歩道で、男女がなにやら囁き合っている。夕日が沈む。遠くで、こっそり、邪魔をしないように眺める。

 翻訳ものが好きだったせいで、物語が起こるのはいつも外国だった。たまに日本のものを読んだ

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エッセイ コピーキャット

エッセイ コピーキャット

 忘れ物の多い子供だった。いつが、ということもなく、ずっと多かった。よく考えると今でも多い。

 教科書を忘れるのは日常茶飯事。なくてもボーッと聞いていればいい、というなぞの腹がすわってしまって、大抵の教科はなんとかなったが、英語だけは違った。毎回、誰かがあてられて、音読させられるのだ。

 英語だけは、けして教科書を忘れないよう注意すればいい。その通りだ。しかし注意するだけで忘れなくなるような生

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