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離れた2点を結ぶ世界から
千切れた紙辺で切り貼りする平地へ
飛び石のように春夏秋
あるいはその3つの派生系として
季節の小さい穴から吹きこぼれる
空気というよりは液体のような
どこか懐かしい気持ちになれる部屋で
新しい家具や植物がいくつかあって
人の気配だけは注意深く排除されていて
それが逆に違和感を覚えるけど
窓の外が鏡みたいにこちらを映していて
自分の存在だけをまざまざと見せつける
アフターなんとかという言葉が浮かぶと
時間軸がだいぶ向こう側にあって
数字とか日の明るさとか肌の劣化とか
そういうレベルで話すのは古いというか
新しいのが古いみたいなイメージを
漠然とでも絶対に忘れないような形状で
何度も何度も押し付けてきて
それは擦り減りながら形になって
途中それは人間みたいなものかと思ったけど
最終的にはA4の紙が5枚くっついただけで
弱い風になびくたびに低いような高いような
どっちつかずの声で鳴いていた
それはペラペラとかいう擬音じゃなく
はっきりと意思をもって何かを告げるような
聞いてはいけないと思わせるような
危機感を食べやすく切り分けたような
騙されそうな危うさがあった

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