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知ったふうな口

本人かどうか確かめる
そんな間も無く息は過ぎ
あっという間に日々はなく
あろうことかと酔い渋む
夕暮れに宵待ちに
幸せだったなと口を滑らせ
あたかも装う「ありふれたこと」
口笛を溶かして口笛を
何度も何度も
口笛を溶かして
幸せだったなと口を滑らせ
ひとりの余韻はふたりのもの
吐き出す吐息に似ている
なにもかもがもう
吐き出す吐息に

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