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「狂いの構造」ほか
シリーズ3作目
1+2作目は絶版ですが、こちらはkindleでも出ています。
kindleサンプルからはカルトと陰謀論の話を読むことができます
・新興宗教の建物は趣味が悪い
・名刺にパイプマーク
・編集者から執筆者への感想は拙くて良い。
作家に感想を伝えるときは民芸品みたいな手作り感がないとダメ
・ゲームは暴力より、支配欲求を満たすものが危ない。
「支配欲求はとても犯罪の温床になりやすい」
・若い人は未熟で、弱いのは当たり前。得意なことが1つあれば、ある程度叩かれても平気だけど、その前に叩くと社会に参加すること自体ができなくなってしまう。
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・違和感は大事。正論やデータで説得してくる人もいるが、自分が最初に抱いた違和感のほうが合ってることが多い
![](https://assets.st-note.com/img/1690763677442-MNKAh5i256.png?width=1200)
・スランプに効いたのは「掃除」
こちらのエピソードは1作目にも出てきます。
p127
どうしようもなくなったときに、春日先生のとこ行ってね。で、先生が「部屋を掃除しろ」って。てっきり、なんか、モリモリ元気のわく薬とかをくれるのかと思って喜んで行ったら、くれないの。
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・京極夏彦氏について。彼は1日の仕事時間を決めていて、一段落しても「飲みに行こう!」モードにならないとか
![](https://assets.st-note.com/img/1690763672272-XTWwroRQyg.png?width=1200)
・良いメンタルクリニックの選び方(!)
受診しようと思えていること自体、かなり浮上できているということなので良いことであると。
![](https://assets.st-note.com/img/1690763679699-3Jk5PtGX94.png?width=1200)
シリーズ1作目
1〜3のうち、こちらの1作目が一番読み応えがありました。2作目「無力感は狂いの始まり」も読んだのですが、あまり記憶に残っておらず。
>確か絞首刑のロープの規定が、直径2.5cm以上なんですよ。でないと首が千切れちゃうらしいんです。
>誰かが隠れていて自分の生活が探られているという妄想がよくあるけど、あれはなぜか地下じゃなくて、天井裏なんだよね。
・本書で何度か言及される「デッドゾーン」(ネタバレなので内容は伏せます。映画もめっちゃ面白かった)配信なし、ニコニコにアップされてた。
・DVやひきこもりが解決しにくい理由
p11
患者から相談を受けて、あんたそれはマズイだろうと思ってね、だから「こうしなさい」「こうすれば逃げられますよ」と全部提示してあげてるのに、結局、みんな動かないんだ。
p80
つまりさ、とりあえずバランスが取れてるわけよ。膠着状態で現状はバランスが取れてるわけだからね。本当は低いところで安定してるから、それをもっと次元の高い部分でもう一度、安定させたいわけでしょう。(中略)
低いところに留まってる安定を治療のために崩すのは、結局は不安定になるわけ。それは嫌なんだよね。一応は「困りました」って相談に来るのがアリバイになって、それで現状維持っていうのが、その人たちにとって一番いいわけよ。ある意味で、ファミリーとしての病理が、一人の犠牲者のところに集中すれば、それでほかはみんな立つ瀬ができたりするわけだから。
・大量の文章を送ってくる人について。
これを見たとき「なるほど」と思い、私も長いメールは読まなくなりました(主旨は大体分かるので)
p52
結局、こいつは何を言いたかったのかって、あとで考えてみたら、つまり「黙って俺の言うとおりにしろ」みたいなことだったりして唖然とする。それをさ、気の遠くなるような長文で、10通も20通も送りつけてくるんだよね。
犯罪者の思考
・ローラ・ブラック事件の犯人(ストーカー)への取材から。
p195
俺、言ったの、「そんなんじゃ惚れられるわけないじゃん」って。「やっぱり惚れられたいなら、痩せてもっと自分に自信をつけて、男として魅力を重ねるべきなんじゃないの?」と。「何でそうしないの?」って聞いたら、「いや、そんなの関係ないよ」って。「あいつが惚れるか惚れないかは、全然、関係ないんだ。一番大事なことは、俺が負けないってことなんだ。
(中略)
「あいつは、たぶん、これから死ぬまで毎朝、鏡を見るたびに俺のことを思い出す」って言うわけ。「殺したらそれで終わっちゃう」って。
彼は、ストーキングしていた女性の会社を襲撃して7名を殺害、殺人罪で収監されているが、殺されたのは「その場にいただけ」の無関係の人々である。ターゲット女性を生かしておいた理由が、上記のセリフ。
「戦争では1人殺すよりも、1人負傷させたほうが、傷の手当てで2人使うから3人動かせなくなる」みたいな、理屈は通ってるけど、何かがズレている。
犯罪者が持つ合理的な思考については、「狂いの調教」でも以下のような描写があります。
春日 なんで子供に手をだすかっていうと、近くにいるし、タダだから。
平山 動物と一緒じゃん。
春日 だけど一応、やる側の理屈では「合理的」ってことになるんだろうね。
・ほとんどの加害者は、被害者意識がある
p67
例えば、女房を殴る亭主がさ、「俺はこんなに働いているのに、本来なら休息の場所になるはずの家、そこで女房が俺を癒すはずなのに、不器用な女だから俺に対してストレスばかりをぶつけるんだ。だから、俺は本当に可哀想なんだ。俺は自分で改革のアクションを起こさなければ、このままだと潰されるかダメになってしまう!」みたいな物語が自分の中にあって。
・たとえ殺人犯でも、殺した瞬間については覚えていない人が多いという流れから
p178
人を刺して刑務所に入って、それで出所して、不眠症だというので治療に来たヤツなんだけどね。そいつに話を聞いたら、「何か覚えてるとか、覚えてないとか、そんなことにこだわるヤツに人は刺せない」って言われた。どっかの剣豪みたいな物言いでさ。
前後の文脈なしに引っ張り出すと、少し乱暴になってしまう箇所が多く、なかなか引用だけで紹介するのが難しいので、ぜひ原本を手に取って楽しんでみてください。
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