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子供を持つと、ビジネスライクになる? 【1夜目 第3話 (全7話)】

青山でデジタルプロダクションを営む5人の社長たちが、夜な夜なお酒を酌み交わしながらへべれけで語る馬鹿馬鹿しい笑い話や熱いクリエイティブ論をゆるっと公開中。ぜひ第1話からお読みください。

へべれけになった人
今村 玄紀(BEES/HONEY INC)今年青山に移転してきた最年少おじさん。
加藤 琢磨(SHIFTBRAIN Inc.)面白い制度追求が趣味の福利厚生おじさん。
定金 基(COPILOT Inc.)最近「Teal組織」にハマっている組織論おじさん。
田口 亮(FOURDIGIT Inc.)実は1番真面目キャラ?スピード飲酒おじさん。
村田 健(SONICJAM Inc.)社長業よりも前線が好きなプレイヤーおじさん。


定金:
僕、子供できてから会社の組織に対する考え方めちゃくちゃ変わったんですよ。

田口:
聞きたい聞きたい。

定金:
皆さんご存知の通り、僕若干、人格というか人間的に欠けてるところあるじゃないですか。

村田:
うんうん。

定金:
うんうんって…(笑)まぁ、とにかくそんなだから、独身時代は”絶対に結婚したい”とか、”子供がほしい”とかが何もなかったというか、正直無関心だったんですけど、実際結婚して子供が生まれてみると、”なにこれ卑怯!”っていうか、”抗えない!”っていうか、気持ち悪いぐらい無条件で可愛いんですよね。

加藤:
うん、わかりますよ。

定金:
うちの会社、”かっこいい”とか”かわいい”って言うのを禁止にしてるんですけど、でも子供は”可愛い”以外の表現ができない、説明できないっていうのが、初めての体験で。

今村:
はい。

定金:
子供をとりあげてくれた助産師さんがすごいベテランの人だったんですけど、”パパも抱っこしてみますかー?”って、子供をぽーーんと渡してきたんですよ。

田口:
いやいやいや(笑)

加藤:
その放物線描いてる音の表現はおかしいでしょ(笑)

定金:
ほんとに結構適当だったんですって(笑)僕もすごく怖くて、”助産師さんは慣れてるかもしれないけど、僕は子供抱くの初めてなんだからもっと慎重に渡してくださいよ!”って言ったんですよ。

田口:
ほう。

定金:
そしたら助産師さんが、”たくさんのパパに赤ちゃんを渡してきたけど、手を滑らせた人は1人もいません。人間はそういう風にできてるんです”って言ってきて。

田口:
面白い。急に深い話になった(笑)

今村:
いや、丁寧に渡せばいい話だと思いますけどね?(笑)

田口:
(笑)

定金:
で、僕、それまでは自分の会社に対して”社員は家族だ!”ぐらいに思ってたんですよ。

加藤:
うん。

定金:
その頃は、社長としても変わってたかもしれないけど、そもそも会社を存続させるみたいな気持ちが全然なくて。利益を得るためにやるっていうより、クライアントのためにやるだけというか…その結果会社が潰れるなら仕方ないって思ってた。

加藤:
まぁ、利益追求は違うし、難しい部分ですよね。

定金:
うん。社員にもその話はしてて、僕は社員に”絶対に次に繋がるような仕事の経験をさせる!”とは思ってたけど、そんなの不確定要素だし…。

加藤:
はい。

定金:
だから、いつなくなるかも分からない会社で一緒にやってくれるのはもう”家族だ!”って思ってたんですよね。

加藤:
うんうん。

定金:
それが子供を持った瞬間に考え方が変わって。

田口:
どう変わったんです?

定金:
ある意味、すごく、ビジネスライクになったというか。

加藤:
へぇー!

今村:
差を感じた?

定金:
うーん。家族って、説明が難しくて、”持ってみたらわかる”としか言えないんだけど(笑)、目に見えない絆の糸があるって本当に感じるんですよね。とにかく特別な存在で。それで、社員は家族とは違うなって。もちろん重要な存在であることは変わらないんですけど。

今村:
うん。

定金:
それまでは”うちの会社に来てくれる人、一緒にやってくれる人は、もう家族だ!兄弟だ!”くらいのエモーショナルな感覚だったけど、本当の家族を持つことでよりエモーショナルな体験したというか。

加藤:
はい。

定金:
いまはすごく冷静に、社員個々が見えるようになったんですよ。それぞれのスキルがレーダーチャートで見えてきたというか、いろんな人がいるけど、皆が集まることでレーダーチャートの重なりがきれいな円になる組織にしたいな、とか、こういうスキルの人が来てくれたら面白いな、とかを考えるようになって。

加藤:
しっかり一人ひとりと向きあえるようになった訳ですね。

今村:
すごく変化してる。

定金:
そう。とにかく頭が切り替わりましたね。

加藤:
なるほどねー。

田口:
加藤さんもそういうのありました?

加藤:
どうだろう、定金さんほど大きな変化はなかったのかなぁ。子供が生まれて感じたことで言うと、世の中的には、”家庭は家庭、仕事は仕事”とか”家庭に仕事を持ち込むのは良くない”とか、家庭と仕事の間にラインを引こうとするじゃないですか。結構切り分けたがるというか。

田口:
そうですね。

加藤:
でも、子供を持つ親の立場で考えれば、家庭での新たな役割というか、シビアな言い方ですけどやらなくちゃいけないことってたくさん発生しますし、仮にそれがなかったとしても家庭にもっと時間を割きたいと考えるでしょうし、子供を持ったからこそ仕事に打ち込みたいって気持ちもあるはずなんですよ。

田口:
それはありますよね。家族を養うんだって、気合入っちゃうというか。

加藤:
そうそう。だけど、自分が手にしてる1 日の時間は増えてくれないから、なんとかしなきゃいけないというか。僕も、父親になってすぐは家の役割に四苦八苦したんですけど、そうなると仕事でもスムーズに動けないんですよね。パフォーマンスが急激に落ちていって…正直数字にも現れてた(笑)

今村:
加藤さんにそんな苦労が(笑)

田口:
その頃プレイヤーだったっていうのもあるんじゃないですか?

加藤:
確かにプレイヤーだったね。マインドとしても楽しめなくて、一般論とは裏腹に、家庭と仕事ってこんなに繋がってるのかって、身をもって実感したんですよ。プライベートを充実させられるような福利厚生のことを考え始めたのもここからですね。

村田:
なるほどね。


第4話へつづく…!

話を聞いた人
aya.h(Facebook)インターネットとお酒がすきな"非"ライター。
絵を描いた人
kazuho(note)すぐ乗り物酔いしちゃうイラスト担当。(文章も書いてます)
乾杯したお店
Le chêne(Facebook)今年1月に南青山オープンしたフレンチバル。

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