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鉄瓶のお手入れの話から農業に続く話

自宅に約25~30年前に購入した南部鉄器の鉄瓶がある。
購入してからずっと使用してきている為か赤錆が目立ってきた。鉄瓶はお手入れの方法があるらしいと頭の片隅に引っかかっていたことを思い出した。
Twitterでフォローさせてもらっている佐秋鋳造所様に失礼を承知でDMで相談させていただいた。

鉄瓶の状態

鉄瓶全体
注ぎ口の状態
中の状態

写真を送って見ていただいた後に、アドバイスをいただいた。


お手入れ方法

【内側のみお手入れする場合】
①まず内側を乾かしてください。

②金タワシ等で内側の汚れを擦り落としてください。綺麗にピカピカにするのは難しいので、できる限りで構いません。

③中でお茶を煮出してください。

[やり方]
煎茶を用意します。(量の目安は1.5Lサイズの鉄瓶で湯呑み茶碗いっぱい程度。濃い〜お茶を煮出すイメージです。)それをガーゼに包むかティーバッグに入れて鉄瓶に入れます。

④水を6分目まで入れ火にかけます。蓋は少しずらして置いて蒸気の逃げ道を作るか、外して沸かしてください。

⑤お茶が沸き始めたら弱火にしてさらに煮出します。
煮出す時間は長いほど効果はありますが、目安としては30分程度です。

⑥時間が経ったら中の茶葉を取り出し、沸かしたお茶を全て捨て、蓋を開けた状態で置いてください。鉄瓶本体の余熱で自然乾燥します。

⑦上記の方法を2〜3回行ってください。そうすると、お茶の渋み(タンニン)が内側に付着して赤黒い膜(タンニン鉄)となります。

⑧後は水を入れていつも通りにお湯を沸かします。最初のうちは黒っぽい色のお湯が沸きますが、2〜3回繰り返していくと透明なお湯が沸いてきます。そうなればお手入れ完了です。

【中も外もお手入れする場合】
①中も外も金タワシ等で汚れを落とします。

②鉄瓶がスッポリ入るサイズの鍋を用意します。

③鍋の中に、水と包んだお茶っぱ(お茶の量はとにかく多め)を入れ煮出します。沸いたらその中に鉄瓶を突っ込んで丸ごと煮ます。時間と回数は前記と同じ感じです。全体が黒っぽくなります。

④水道のぬるま湯(水でも可)を流しながら鉄瓶全体をゆすぎます。

⑤後は水を入れお湯を沸かします。(前記と同じです)

鉄瓶の使い方で注意していただきたいのは、水の溜めっぱなし、内側が濡れたまま置いておくという点です。
お湯を沸かした後は、保温ポットなどに移して空にして、蓋を開けて置いてください。
本体の余熱で自然乾燥します。(空焚きまでしなくて大丈夫です)

以上、ご参考になれば幸いです。


やってみた

家に鉄瓶がすっぽりと入る寸胴鍋(アルミ製)がある。それに不織布でできたお茶とか鰹節をいれて煮出す袋に古いお茶の葉を入れて煮出し、緑の濃いお茶の風呂みたいなのを作って、鉄瓶を沈めて煮てみた。アドバイスにあるように1日1回に出して冷まし、また翌日に煮出して冷ましを三日間(3回)繰り返した。

結果

黒っぽくなった
中の赤錆がコーティングされたようになった
一番顕著なのは蓋

おぉ、すごい!!

見事に赤錆がタンニン鉄でコーティングされた。これで安心して使えるし、数年先にも同様にお手入れすればいいやと思った。

ところで、


タンニン鉄、、、でなんとなく頭に引っかかったのでグーグル先生で調べてみたら、農作物の活力剤としての利用があると出てきた。

肥料とは異なり活力剤となり農作物の生育と味に効果があるらしい。

ウチは母親が趣味で農業をやっている。この記事と『現代農業、2019年10月号』の本を入手し見せて、バケツの水にお茶の出涸らしを不織布の袋に入れ、壊れた鍬の先っちょを入れて3日程放置して真っ黒になった水を水道水で約10倍に薄めて試してもらった。

葉っぱの茂り方が凄い!?

写真は撮り忘れて無いけど、

きゅうり、トマト、とうもろこし、じゃがいもの葉っぱの生育(葉っぱの茂り方)が例年とは違うという。タンニン鉄の水を蒔いてから1〜2週間後のレベルは明らかに違うらしい。

最も顕著だったのはブルーベリーで昨年とは大違いで実の茂り方が違うのだと。

青いのは防鳥ネット越しに撮影しているから、それでも例年はこんなに実がならないらしい

たぶん、昔の人は効果を知っていたんじゃ無いかな?と思う。生活に使っている道具と材料の組み合わせで、ほとんどお金がかからずに効果が得られる。

おかげで月イチくらいの頻度でタンニン鉄の水を作って蒔いています。


鉄瓶のお手入れ方法を親切に教えていただいた佐秋鋳造所様に改めて感謝します。

ありがとうございました😄

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