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【読書】サウスポー論

 久しぶりに表紙を開くと、大きなシールが2枚挟んでありました。2011年にホークスが日本一になったときの記念シールです。この年のスローガンは「ダ」だったようですね。懐かしいです。あの年はホールトン投手・和田投手に続き、先発転向した摂津投手が2桁勝利を挙げました。惜しくも2桁には届かなかったものの、杉内投手も8勝していました。
 シーズンオフにホールトン投手・和田投手・杉内投手がホークスを去ることが分かり、とても悲しかったのを覚えています。
 そんな中で出版されたこの「サウスポー論」。複雑な気持ち、というよりは、大好きな杉内投手・和田投手の共著が刊行されると知って「買わなきゃ!」という使命感をもって購入しました。

 タイトルは「サウスポー論」ですが、左投手の極意や左投手ならではの話が書かれているわけではありません。杉内投手と和田投手の野球に対する考え方が対談形式で綴られているので、右利きの方でも楽しめる一冊です。

 久しぶりに読み返して、ハッとしたページがありました。和田投手の「疲労を自覚する」という話です。

”そして、この登板までの間で僕が重要視している準備は「疲労を自覚させる」こと、そのためにお風呂に入ることです。
 疲労というのは意外に分からないもので、例えば「肩が軽くて今日は調子がいいな」と感じることがあったとしても、それは、実は逆で疲弊しきっていて力が抜けているから軽い感じがする、ということがあるんです。実際は力が入らない、みたいな感じですね。それに気づかず「調子がいいぞ」と投球を繰り返してしまうと、本当に疲弊してしまい、まったく力が入らなくなる、体が動かなくなるなどケガの原因につながってしまいます。
 だから、そうならないために「疲労を自覚する」ことが大事なのです。”

『サウスポー論』KKベストセラーズ
●今シーズンも現役・和田投手●

 湯船に浸かって血流を良くすることで、疲労している部分を「だるい」と自覚し、集中的にマッサージするのだそうです。
 これは野球選手ではない私も見習いたい部分でした。やる気が起こると過集中になりがちで、疲労を自覚できずに無理をしてしまい、結果、体調を大きく崩してしまうのです。普段から自分の身体と対話をし、湯船にしっかり浸かって体調管理をしていきたいです。

 おもしろかったのは、フォアボールに対する考え方の違いです。
 和田投手はフォアボールについて「選択肢の一つとして意識することはある」と話していました。自分の力量や相手との相性、後続との相性を考え、フォアボールを選択することもあるのだそうです。常に先のことを考えている和田投手ならではですね。
 対する杉内投手は、フォアボールについて「絶対ダメもの」と表現していました。コントロールに自信があるわけではないため、塁を埋める=得点につながる可能性がある、という思いをもっているそうです。三振を多く取る杉内投手らしいなと感じました。目の前の打者を三振させることを優先していたのかもしれません。

●和田投手はフォアボールあり派●
●杉内投手は無し派●

 杉内投手はモチベーションを下げないよう様々な工夫をしながら現役生活を送っていたそうです。ホークスでもジャイアンツでもエースとして活躍し、大観衆が見つめるマウンドで剛球を投げていた杉内投手。そんな人でも、私と同じ人間なのだと少しホッとしました。

”人に怒られたり叱られたりすることが好きな人はいないでしょうが、その中でも僕は、人一倍、怒られることが苦手です。こういうふうに書くと、駄々っ子でわがままな人間にしか思えないかもしれません。けれど僕は、どんな些細なことであっても、人に注意されると一気にテンションが下がってしまい、試合にも大きな影響を及ぼしてしまうのですから、気を付けないわけにはいかないのです。”

『サウスポー論』KKベストセラーズ

 なかなか勝てないとどんどん気持ちが落ち込み、余計に勝てなくなってしまうそうで、周囲のスタッフの方も杉内投手のモチベーションを下げないよう工夫してくれていたそうです。素敵な関係だなと感じました。

●FCを巡るモチベーションの変化●

 少し前から、職場の人間関係で思い悩む時間が増えていました。
 同僚に支えられながらなんとか頑張ってきましたが、自分自身の傾向を知り、自分で上手に回避したり、やり過ごしたりする方法を見付けていきたいと思います。

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