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【雑記】走れ宅配ドライバー(ハードモード) in Seoul

※Twitter側の名前表記が明日夕方までちょっと変なことになっていますがこのアカウントの表記が正解ですのでご安心です 疑問はありませんね?それでは始めます。

 このアカウント(Twitter/note) はそもそも「ニンジャ/特撮/ゲーム etc.」という大まかな方向性があるので普段滅多に言ってませんが伊坂幸太郎作品が大好きです。なんなら進路に影響を及ぼした作家と言っても何ら差し支えないほどに。そんな私が「ゴールデンスランバー韓国版が1月から公開される」と知ったのは先月のこと。
フレディ・マーキュリーでDon`t stop me now!
 したその日、「近日上映予定」の欄に「ゴールデンスランバー」の文字が。……見るしかない。

というわけで見てきました。

(以下、「伊坂作品に少々強い思い入れのある人」目線でお送りします)

アイドルを痴漢被害から救ったことがきっかけで表彰され「時の人」となったお人好しの宅配ドライバーキム・ゴヌ。ある日、数年ぶりに旧友と再会するが直後に移動中の大統領選最有力候補が目の前で爆死。旧友に「彼を殺したのはお前だ」と告げられ、更に自分が次に運ぶ荷物も爆弾だったことを知る。まもなく起動する爆弾を引き受けて逃走した旧友から1枚のカードと「誰も信じるな、逃げろ、生き抜け」という言葉を残されたゴヌは訳も分からぬままソウル市街を逃げ惑うことになる――
……というのが大まかなあらすじ。そして韓国版のみどころは「高威力の暴力」と「原作読者が一度はしたであろう想像の映像化」の二点です。

1)原作でもそこまでやってねぇ!高威力の暴力
 そもそも原作からしてそこそこ暴力がある作品ですが今回はさらに暴力に磨きがかかっています。原作で発生してないタイミングでのバトルが起き、原作以上のハード暴力が主人公の後輩(ちなみに邦画版では劇団ひとりさんが担当)に降り注ぐ。しかもゴヌには護身術の心得がないためほぼ殴られ続ける。偶然と策略だけでひたすら逃げるゴヌの背中が原作の主人公青柳雅春より輪をかけて弱々しい。邦画版主演の「頼りない青柳」堺雅人さんと「悲愴なゴヌ」カン・ドンウォンさん、どちらも大筋でありです。

2)本気でやった!原作読者が一度はしたであろう想像の映像化
 じつは今回の映画の後半1/3は現作から大きく変更された展開になっています。しかしこの部分、実は原作でも仄めかす程度だった「逆襲」の部分なのです。一度は逃げおおせたゴヌがたまたま見た「ある映像」を機に命の危険を冒してまで大逆転勝負に出るのですが大変上手いことに「大逆転勝負」のシーンはロケーションや経緯等々が原作や邦画版の終盤と重なる構図にできている。そのため「違うけど合ってるし被せ方が上手い」という説明の困難な現象が起きる。この終盤の為に原作読んでから見るのは正直言って大アリだと思います。

……が上映館が少ない。全国で18館しか上映してない。そこは何とかしてほしかった。

【評価】
上映館数 0.8/5(もっとやって!)
暴力 3.7/5(本家以上に手抜かりなし……どころかオーバーキル!)
脚色 4.0/5(このリミックスの仕方は個人的にあり)

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