「患者さんの話が止まらない…」「どうしよう…業務が押しまくり」接客失敗!?体験談Vol.3
漢方薬局での接客事例とその考察を、私の経験と心理学的な視点を織り交ぜながら記します。
今回の事例は、漢方薬局以外でも、接客業に携わる人なら覚えがあると思います。
1.話が止まらない患者さん
私が以前働いていた漢方薬局での話です。予約をとって定期的に来店している患者さんで、次から次へと話が止まらない患者さんがいました。
ある日、新人スタッフがその患者さんの対応をしました。それまでのやりとりで、既に用意する処方は決まっていたため、その時にスタッフがしたかったのは、用意する処方日数の確認のみ。通常なら、長くても3分程度で終わることでした。
しかし、そのときの会話は、3分では収まりませんでした。後でスタッフから聞いた、その患者さんとの会話の流れをご紹介します。
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スタッフ「今回は、胃の調子があまり良くないということで、処方が一種類変わっています」
患者さん「そう、先週から胃が重いのよ!先生にも言ったんだけどね、先週、旅行で日光に行ったの。その時に、一緒に行ったお友達がすごく食べる子でね。一緒に私も食べすぎちゃったのよ。餃子にラーメンに、それから…(以下、食べすぎた話)」
スタッフ「その時の食事がきっかけで不調が出てしまったんですね」
患者さん「そうなの!漢方を飲んでるから、ちょっとくらい無茶しても大丈夫かなって思ったんだけどね、まだだめだったみたい。でもね、私、若い頃はすっごく胃が丈夫だったのよ。それ以外の箇所も健康でねー。健康診断でも毎回A判定。それで…(以下過去に健康だった話、先生の人柄の話、家族の話など)」
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最終的にスタッフが話を終えて調剤室に戻ってきたのは30分後でした。
その間、調剤室では、スタッフが1人欠けた状態で、漢方薬を用意し、次に来た患者さんの対応をし、電話の応対もして、ドタバタの状態。
店長含め、先輩スタッフはその新人スタッフに「早く話を切り上げて戻ってきてほしい」と、切実に思っていました。
そして、後からスタッフに話を聴いたところ、スタッフ自身もまた「話を切り上げて他の業務に戻らなければいけない」と理解していたことがわかりました。スタッフは「患者さんの話を遮る訳にもいかず困っていた」と話していました。
このようなとき、スタッフはどう対応すれば良かったのでしょうか。
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