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『人の話を固定概念を外して聴く』JIC日本語コミュニケーション認定講師資格 1/10ヶ条


私が、特に日本語教師になって自分で意識してきたこと、それは

『相手の話を「固定概念を外して」聴く』
ということです。

以前の私は、今よりもっと「固定概念を含みながら相手の話を聞いていた」と思います。

相手の意図するままに話が聞けず、自分の固定概念というフィルターを通し
て私の耳に入るので、私の中に「普通」という基準が出来上がっていて

相手が何か言っても、先入観というか、固定概念というか、そういう「意識のフィルター」が邪魔をして、最初から「受け入れられない」という体制で聞いてしまうので、返事がどうしても否定的になって、

「でも」とか、「そうじゃなくて」とか、
「確かにそうですね〜」が、なかなかでない。

そうなると、内容よりも、この攻撃戦を続けようとしてしまって、結局お互いもやもやした空気が残ったまた、次に会うことはないだろうな、、、という終わり方をしてしまいます。

国に対しての固定概念
立場に対しての固定概念
職業に対しての固定概念

そして、
学んだことに対しての固定概念

この最たる場面がありました。
これは、私が「受けた方」です。

ある講座内で

私:「ここで、「て形」を知らなくても、「〜に住んでいます」を入れてもいいです。」
受:「え、でも、「て形」が入ってなかったら混乱するんじゃないですか?」

私:「確かにそうですね。でも、学習者は、何が「て形」か分からない段階なので、丸ごと覚えてもらう、という方法も、ここを楽にクリアしてもらえるので、あり、ですよ。」
受:「え、でも、やっぱり積み上げないと混乱するから、この時点ではまだ教えない方がいんじゃないですか?!」

私:「確かに積み上げができたらいいですが、例えば、1ヶ月しか学習期間がない学習者に対して、積み上げだけだと、「自己紹介」と「こそあど」くらいしか教えられなくなります。そうすると、これから、サバイバルで日本で生活する彼ら自身が困ることになります。そんな時は、て形にこだわらず、積み上げが一番なんだという固定概念を外せば、彼らの目的に合わせて、もっと優先順位の高い項目から教えることが出来ます。」
受:「でも、質問されたらどうするんですか?」

私:「確かに質問が出るかも知れません。もし、質問されたら、これは「て形」というものですが、今はまだ難しいので、ルールはまた今度しますから、今日はこの5つの言葉だけ覚えて下さいね、と言って、ルールはあるけど、今はしません、と言って、勉強に戻ります。」
受:「でも、それじゃ、生活の場面で「え、これ、何?」って、混乱するんじゃないですか?やっぱり混乱しない順番で教えないと、、、ちょっと納得いかないです、、、。」

私:「想像では納得いかないかもしれませんが、私はこれで、既に多くの学習者に教えてきて、混乱よりも、早く上手になる、彼らが欲しいものを、彼らが求めている優先順位で教えてくれる、ということで、とても感謝されてきました。これは、私の主観ではなく、経験から、こういう声をたくさん聞いてきましたよ。その時彼らが言うのは、今まで自分が習った先生は、ゆっくり、ゆっくり、1ページずつ進む先生で、それは丁寧でいいけど、もっと知りたいことを、知りたい時に教えて欲しいので、このLessonはベストです、と喜んでもらってました。」
受:「え〜、でも、、、。」+不服そうな表情で、この先の講座を受講されていました、、、。

いろんな意見があっていいのは当然です。

でも、これは、意見が違う人同士の「コミュニケーション」です。

相手の話を、自分の意見とは違うけど、意味があるのだろう、意図があるのだろう、自分が知らないプラスの面があるのだろうと思って聞いていれば、この方の会話の出だしのほとんど全てにある

「え〜、でも〜」
は、私の会話の出だしにある

「確かに」
に、代わるのでは、と思います。

いつもいつも穏やかなコミュニケーションができる訳ではありません。
もちろん私もそうです。

ただ、
●自分のコミュニケーションを振り返ること
●自分のコミュニケーションの癖を知ること
●自分のコミュニケーションの出所=心理を知ること

その次に

「じゃ、これからどんな気持ちで人とのコミュニケーションに向き合いたいか」を自己分析して、それから、もし、改善したいという点があるのであれば、そこは

○捉え方
○言葉選び

など、心理と言葉を少しずつ方向転換することになります。


『JIC日本語コミュニケーション認定講師資格』
が生まれた、とても大切なエピソードをお届け致しました^^

皆さんは、、、いかがですか?!

自分のコミュニケーションを見直し、これからの人生の角度を少しずつ変えたい方、お待ちしています。

Chihomi


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