見出し画像

膝関節 第1回 《運動学的異常 回旋1》

図4

PTは,動作のエキスパートであるべきです.


リスク管理や環境調整ももちろん大事ですが、それは循環器内科医や看護師、福祉用具会社やケアマネなどと領域が被って来ます。むしろ他職種の方がエキスパートである場合も多いです。

筋膜リリースなどに関しても,整体師やマッサージ師の方が優れた触診ができる人も多いと思います.

医療に携わるもので唯一、立ち上がりや歩行など基本的動作が見れる職種は理学療法士以外にはいません。

Dr.は画像所見から器質的な障害を見抜きます.柔道整復師やカイロプラクターは徒手的な評価から,骨・関節の位置異常を見抜きます.

他の専門職は,自己にしかできないエキスパートな領域を持っています.だから社会で生き残っているのです.

ではPTがそれらの職種との差別化を図る,また

理学療法士にしか患者さんに提供できない価値とは,何か?

それは

『患者さんの動作の異常を見抜き,それを修正する技術』を持っていることだと思います。

それができなければ理学療法士は

“気持ちよく体を揉んでくれる人”,

“患者さんの横で一緒に歩く人”,はたまた

“家屋調査時や退院前カンファレンスで,やたら口をはさみ,状況を複雑にする人”

というような目線で患者さん,その家族,他職種からみられ,

Dr.からの信頼も得ることができません.

私自身は、上記のようなダメPTでした。

なぜ、そのようなダメPTだったかというと、

『動作が全く見れていなかった』

からです、、、

そのため、自分の得た知恵の復習のために

このnoteでは『動作』『運動』に焦点を当て,膝関節についてお話いたします.

念のために言っておきますが、動作が見れれば、リスク管理や環境調整は疎くても良いとは思っていません。

理学療法士の本文は何か?一番、精通しなければいけないことは何か?という優先順位で考えれば、私は『動作』『運動』というものが一番上位に来るべきだと思っているのです。

では,ここから本題に入ります。

膝関節において修正すべき運動は「圧縮」と「回旋(正確には下腿の外旋)」です

図16


では,ここからは「回旋」についてお話させていただきます.

図6

理学療法士なら“Knee in”という言葉はよく聞かれると思いますが,

図1

Knee in自体が悪いわけではなく,その本質は

“大腿骨が内旋し,下腿が外旋する”=“膝に過剰な回旋ストレスが加わる”ことが問題なのです.


Knee inには“股関節からの影響”ではじまるもの

図8

そして,“足部からの影響”ではじまるものがあります.

図5

股関節からのKnee inは,下腿が外旋するため“不安定な膝“になりますが

足部からのKnee inでは,下腿は内旋位となり“安定した膝”になるとおもわれます。

図10

膝の回旋でも、問題としているには“下腿の外旋”であるため、股関節からのKnee inは修正すべき

ですが、、、

足部からのKnee inは必ずしも修正しなけければいけない、というわけではないと思われます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。次回に続きます。


引用文献:Kwak SD.et al, 2000 : Hamstrings and iliotiblal band forces affect knee kinematics and contact pattern. J orthop Rep, 18 : 101-108.



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?