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膝関節 第14回 《腫脹・膝蓋骨外側偏移》

今回は、まず膝の腫脹(腫れ)についてお話します。

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TKA術後など、膝が腫れると内側広筋の筋力が特異的に弱化します。

そのため、特に術後などは内側広筋の筋力強化よりも、アイシングや病棟ADLでのオーバーワークを避け、

なるべく早く、膝の腫れを抑えることが重要です。

一番ダメなのが、腫れが一向に引いていないのに、どんどん訓練負荷量を上げることです。

このパターンは新人セラピストがよく陥りますが、内側広筋の筋力も改善せず、膝の腫れ、疼痛も良くならず、悪循環に陥ります。

術後の腫脹管理は内側広筋の機能を改善するためにとても重要です。

そして、内側広筋の萎縮がすすんでいくと膝蓋骨の外側偏移といった異常アライメントに繋がります。

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膝蓋骨の滑走経路が外側に移動し、膝蓋大腿関節痛の要因になります。

弱化した内側広筋と,その他の大腿四頭筋(特に外側広筋)との間の不均衡が,膝蓋大腿関節症候群に関与していると考えられる.(Pevsner et al, 1979. Paulos et al, 1980 )

慢性膝蓋大腿疼痛症候群患者の内側広筋斜線維のリクルー トメントパターンは健常者とは異なる.(Richardson, 1987)


大腿四頭筋の中でも、内側広筋は非常に重要な役割を担っており、萎縮がおきればKnee inなどの動作不良にも繋がるため、セラピストとしてできるだけ防ぎたい機能障害です。


引用:

Stokes M.et al,1984 : The Contribution of reflex inhibition to arthrogenous muscle weakness Clin Sci(Lond),67(1):7-14.

Torry MR,et al,2000 : intra-articular knee joint effusion induces quadriceps avoidance gait patterns. Clin Biomech(Bristol,Avon).15(3):147-159.

Palmieri-Smith RM, et al,2007 : Quadriceps inhibition induced by an experimental knee joint effusion affects knee joint mechanics during a single-legged drop landing. Am J Sports Med,35(8):1269-1275.

Pevsner D N, Johnson R G, Blazina M E 1979 The patellofemoral joint and its implications in the rehabilitation of the knee. Physical Therapy 59:869-874

Richardson C 1987 Atrophy of vastus medialis in patellofemoral pain syndrome. In: Proceedings of the 10th International Congress of the World Confederation for Physical Therapy, Sydney, pp 400-403


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