見出し画像

脂肪が気になるデンマークで、イタリアンを作る日々【食事❷】

昨今の円安に戦々恐々としながら日本円に換算するクセがついている私にとって、デンマークで外食をすることはかなりの贅沢です。

昼にカフェでコーヒーとハンバーガーを頼めば、1000円と3000円で合計4000円。
夜にお店のイタリアンでも食べようものなら、前菜で1800円、パスタで3000円、グラスワインで1600円という始末。

そして申し訳ないんですがハッキリ言うと、同じ値段を出すなら日本の方が美味しいです。。。

なので私は旅行している時以外は自炊を基本としています。

薄切り肉と脂肪分

自炊するにあたってスーパーで食材を買うわけですが、前回のジャガイモに続いて面白い特徴をご紹介。

まず野菜。トマト・キャベツ・レタス・ナス・キュウリ・ネギ・チンゲンサイなどなど、日本で売られている野菜は大概買えます

それに加えて下画像のような日本で見ない珍しい野菜もありますが、今のところ挑戦したことはありません。笑

ルバーブ
フェンネル

逆にごぼう・椎茸・もやし・レンコンなどは食べる文化が無いため見つけるのが難しいですがただまあ無くてもなんとかなる程度の差です。

個人的に面白いと思ったのは香草系が鉢のまま売られていることです。コレを300円くらいで買うと2週間ほどは鉢からプチプチむしって使えて非常に便利です。少量ずつ使うハーブの売り方として理にかなっているなあと思います。

アジア人として野菜よりも困るのはです。

まず薄切り肉が存在しないことです。これはデンマークに限らずヨーロッパあるあるですが、炒め物の文化がないため肉は基本1cm以上の厚切りです。

牛肉が厚いのはわかるんですが、豚肉も手に入るのはこれくらいの厚み

どうしても薄切り肉が欲しい場合はお肉屋さんでスライスしてもらうしかないのですが、私はめんどくさいので頼んだことはありません。笑

さらに脂身が少ないことも特徴です。日本で言うならポークステーキやトンカツ用の豚ロース、カレー用の牛赤身肉みたいなのがほとんど。

いまいちテンションが上がらない見た目

脂身が多くて美味しい豚バラや、サシの入った高いステーキ肉なんかはありません。

そもそもデンマークの食品は脂肪分の表示がやたら徹底されています。

挽肉のパッケージを見てみると、2種類の脂肪含有量から選べるようになっています。8−12%の方が100g多いにも関わらず同じ値段ということは、デンマークの食肉において「脂身は価値が低いもの」という認識のようです。

これは牛乳も同じで3.5% / 1.5% / 0.4% / 0.1%と区分け。日本よりも大分細分化されていますね。

デンマーク人の同僚に理由を聞くも「脂肪をすすんで摂取したいデンマーク人なんか居ない」というざっくりした回答しかもらえませんでしたが、調べてみるとデンマークの肥満にあたる人たちの割合は人口の約23%でした。

対して日本は約5%ということで、アジア人よりも比較的太りやすいがゆえに意識が高いのかもしれません。

ちなみにアメリカは36%、イギリスでも28%というかんじなので、デンマークが突出して肥満傾向にあるわけではないみたいです。

コスパは郷愁に勝る

さて、肝心の自炊の内容です。

同僚にも「よく日本食を作るのか?」と聞かれますが、ほぼ全くと言っていいほど作りません。なぜかというと非常にコスパが悪いからです。

醤油やみりんが1000円したり、珍妙な日本語が書いてある外国産の日本食材があったり、こちらのアジア系スーパーはなかなかにカオスです。

日本産のお米は10kg12500円
ソースなども1200-1500円
安い!と思ったうどんには謎の漢字。
日本製は3倍の値段。

色々調べてみて思ったのは、その土地で育てにくかったり、需要が低いものを手間をかけて入手しようとすると必要以上に値段が高くなるのではないか?ということ。

しかもそれでようやく作れた料理がすごく美味しいのかと聞かれると。。。

そうした気づきから試行錯誤した結果、自炊で高コスパを実現できるある料理に行き着きました。

それがイタリアンです。

自分がパスタ好きなのもありますが、物価が鬼のように高いデンマークにあって、日本と同じかそれ以下の値段で食材が手に入るからです。

パスタは500gで日本と同じ200円くらいでオーガニックの美味しい乾麺が買えます。

パスタソースはイタリア産のものが500円くらいで2.5人前をまかなえます。

生ハムは最安の80g220円のモノを買っても日本のスーパーの500円のモノと同じくらい美味しいです。

モッツァレラに至っては125gで160円です。日本だと最安でも350円はしますね。

生ハム/モッツァレラのお供、ルッコラは日本と同じ200円くらいですが、量が3倍くらい入ってます。

そして極め付けはワイン!

日本のスーパーの400-600円みたいなのは比較対象外として(アレは美味しくないです…)カルディなんかで1500-3000円出さないと味わえないレベルのワインが900円以下で買えます。

郷に入っては郷で人気のイタリアンを食え?

おそらくこうした背景には、小麦・牛乳の安定した生産や、ヨーロッパのワイン産地が近いことなどが考えられますが、そもそもデンマークにおいてイタリアンを食べる人が多いんだと思います。

ヨーロッパの国に観光に行って「地元の伝統料理が微妙ならイタリアンレストランを探せ」というのはよく言われることです。

それだけどの国でも食べられていて、今や誰でもそこそこのクオリティを出せるんですよね。(もちろん本場には遠く及びませんが・・・)

みなさんもヨーロッパ旅行の際に、郷土料理が口に合わなかったり飽きてしまったら無理にエセ日本食を探さずに、イタリアンの店を調べてみてください。

偶然か必然か、今のところコペンハーゲンで一番美味しいと思ったレストランはイタリアンです。笑

さて来週はそのコペンハーゲンに行ってきた話をしようかなと。
ではまた次回!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?