見出し画像

運動を行う上での”栄養の話” 糖質編

今回は「これから運動をはじめよう!」「もう運動をしています!」という方に対して運動を行う際に知っておきたい栄養の知識についてお伝えしていこうと思います。

私たちの体は約60兆個の細胞で構成されており、それぞれの細胞には270種類ほどの役割が分担されていると言われています。そして、それぞれの細胞が集合体となり組織を構成し、いくつかの組織が集まって各種器官が構成されています。

それぞれの器官から構成されたヒトの体を車に例えると、
心臓・筋肉⇒エンジン
骨格   ⇒フレーム
手足   ⇒タイヤ 
にあたります。
そして、今回のテーマである栄養は車を動かすためのガソリンにあたります。
ですので、ヒトが体を動かし続けるためには栄養摂取が必要となります。

それでは栄養にはどんな種類があるのでしょう。栄養の種類は大きく5つに分けることができ、これを5大栄養素といいます。各栄養素の特徴は以下の通りになります。

各栄養素にはそれぞれ役割があり、どれか一つを摂取していればよいというものではありません。バランスの良い食事をとりましょうというのは、この各栄養素の役割の違いが理由なのです。

以降はこの5大栄養素の中でも糖質に関してご説明していこうと思います。

糖質

糖質は炭水化物の中でも生体内にエネルギーとして利用される栄養素です。
糖質と聞くとなんだか悪者のように思う方も多いかもしれませんが、実は生体内のエネルギー源として大切な役割を果たしています。特に脳・神経細胞などの働きは、グルコース(ブドウ糖)に依存すると言われているため、集中力の持続や記憶力の維持するには適度な糖質摂取が必要不可欠といわれています。

また、糖質はその分子構造によっても種類が分けられます。

単糖類

先ほど出てきたブドウ糖や果物に含まれる果糖は単糖類に含まれ、体内における吸収速度は他の糖に比べて早い(数分程度)と言われています。そのため、糖尿病性の低血糖症状を来したときは、ブドウ糖の摂取を勧めることが多いです。

少糖類

次に、少糖類です。
少糖類は単糖が2~10個以上分子的に結びついたものです。
一般的に吸収速度は数十分~数時間といわれており、単糖類と比べると球種速度はゆっくりです。
みなさんの生活に馴染みがある砂糖はこの中のショ糖に該当し、ショ糖は単糖類のブドウ糖と果糖が一つずつ結びついたものといわれています。

乳糖は哺乳類の乳に含まれる糖質で、ブドウ糖とガラクトースが結びついた構造をしています。私たちがよく飲む牛乳には2種類の乳糖が含まれており、牛乳を飲んでお腹を壊しやすい人は乳糖に対して耐性がない乳糖不耐性であるといわれています。

麦芽糖は水あめや甘酒などに含まれており、ブドウ糖が2つ結びついた構造をしています。最近では砂糖よりも低カロリーで血糖上昇も抑えられる還元麦芽糖といわれるものが糖尿病の食事療法に用いられることが多くあります。

また、最近健康維持食品などに多く含まれるオリゴ糖は3つ以上の糖が結びついた構造をしています。オリゴ糖の特徴としては、①でんぷんと違い甘みを感じるが、腸管に吸収されにくいため血糖値の上昇を抑えられる。②腸内の善玉菌を増やすなどといった効果があるといわれています。

ですが、ここで1つ注意点があります。
よくスーパーで見かける”オリゴ糖入り食品”はすべてがオリゴ糖なのではなく、ショ糖にオリゴ糖を少し混ぜただけの可能性もありますのでご注意ください!

多糖類

最後に多糖類の紹介をします。
多糖類にはみなさんの生活にもなじみ深いでんぷんが含まれます。
みなさんは、ご飯を長く嚙んでいたら段々甘みを感じてきた経験はありませんか?(いわゆる「味の向こう側」ってやつです)
これは、でんぷんが唾液により麦芽糖に分解されることにより生じる現象です。ちなみに、分解された麦芽糖はそのあと小腸に存在する消化酵素(マルターゼ)によってブドウ糖に分解されます。このように、少糖類や多糖類は段階を追って単糖類に分解され、体内へと吸収されます。

以上、糖質に関する紹介でした!

次回は、脂質に関して記事を書いていきたいと思います!
それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?