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#3 さまざまなサマタ瞑想とそのやり方

stand.fm『瞑想Cafe』の3回目の放送です。
今回は、瞑想とは何か?
サマタ瞑想とはどんなものか、その種類とやり方の違いなどをお話ししています。

『瞑想Cafe』では、瞑想に関すること、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」など、瞑想に関連するさまざまなことを、その日の気分で、気軽に、誰でも分かるようにお話していきます。

この記事では第3回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。

1.瞑想の種類~前回の復習

一つは、「サマタ瞑想」
心を鎮める、心を静かにさせる、心を止めることを目的とした瞑想です。
サマタ(samatha)とは、パーリ語です。
ひとつの対象に心を落ち着かせることであり、止行ともいいます。
瞑想と言えば、ほとんどはこのサマタ瞑想になります。
本質的にリラックスを目的にしている瞑想です。

もう一つは、「ヴィパッサナー瞑想」
心やからだを観察・洞察する瞑想で、観行ともいいます。
ヴィパッサナー(vipassanā)とは、これもパーリ語です。
観察する、分けて観る、物事をあるがままに見るという意味です。

マインドフルネス瞑想は、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の中間のような位置付けで、中間よりもヴィパッサナー瞑想側になります。
マインドフルネスは、ヴィパッサナー瞑想のジュニア版とも言え、ヴィパッサナー瞑想から仏教要素を排除し、誰でもやりやすいものにしたものです。
マインドフルネス瞑想には、サマタ瞑想の要素も入っていますし、ヴィパッサナー瞑想の要素もたくさん入っています。

心は一つの対象にとどまることを嫌いますし、自由気ままにさまようのが好きなのです。

これが、心の習慣であり、心の癖になります。

数分間であっても、心はじっとしていてくれません。
それが普通なんだと意識することです。

心を落ち着かせる、集中させる、鎮める、これは本当に難しいですね。

そこで、心に何か対象を与えて、それに意識を向けさせる。
心は何かなければ集中することができないので、心の乗り物を用意する。
その乗り物を使って、心を集中させ、鎮めていきます。

サマタ瞑想は、心に何か対象を与えて、その乗り物に意識を向けさせることによって、心を静める瞑想になります。

2.サマタ瞑想種類とやり方

(1)イメージ法

一番簡単で、初心者向けに導入されるのが「イメージ法」です。

代表的なものとして「トラタク瞑想」があります。
「トラタク」とは、「凝視」という意味です。
ローソクの火やある対象物をずっと凝視していく、見つ続ける瞑想です。
ローソクの火などを見つめることで、心を落ち着かせていきます。
その後、目を閉じて、心の中でローソクの火をイメージして、それを乗り物にして、心を鎮めていく瞑想法です。

同じようなやり方のもので、「ヤントラ瞑想」もあります。
「ヤントラ」という「神聖幾何学図形」を見つめ、目を閉じてそれをイメージしていくものです。

その他、光や気のようなものを、頭の上から足の先まで、全身を動かしたり、神様をイメージして念仏を唱えていくやり方もあります。

(2)音楽を用いたもの

一番有名なものとして、チベットのシンギングボウルの音を使ったもの。

あるいは、瞑想用のヒーリングミュージックや瞑想アプリ、誘導瞑想などを用いたものなどがあります。

(3)ヨガの瞑想法

ヨガの瞑想法として、一般的なものは「複式呼吸」を使った呼吸瞑想になります。

その他、チャクラ瞑想法などもあります。7つのチャクラをイメージして行う瞑想で、スピ系の方が好まれる瞑想です。

呼吸の数を数える「数息法(すうそくかん)」などもあります。

これは、吸う時、吐く時で同じ数を数えるもの
「いーち(吸)、いーち(吐)、にー(吸)、にー(吐)…」

吸う時、吐く時でカウントを進めるもの
「いーち(吸)、にー(吐)、さーん(吸)、しー(吐)…」

どちらも、10まで数えたら、また1に戻って、繰り返すだけです。

また、イメージ法と併せて、数を数えるやり方もあります。


それ以外に、マントラ瞑想法があります。

私が最初に習ったTM瞑想法(超越瞑想法)がこれですね。

マントラとは、真言(しんごん)、サンスクリットでは文字や言葉という意味で、賛歌(さんか)や祈りなど宗教的な意味を持つ短い単語を抽象的に表したサンスクリット語の単語のことです。

代表的なマントラには、オーム(ア・ウ・ム)があります。
あるいは、サンスクリット語ではなくても、意味がない音で、心に響きやすい言葉であれば何でも大丈夫です。
例えば、「シャンティ」、「リーン」など。

マントラという言葉を心の中で静かに繰り返し唱えて、その言葉に心をフォーカスさせて、心を鎮める瞑想です。

このマントラ瞑想法などは、初めて瞑想をする方には、おススメの瞑想法です。
とてもやりやすいですし、心を落ち着かせやすい、効果が実感しやすい瞑想法ですね。

(4)禅・座禅

これは、ちょと難しくなります。

今までの瞑想法はすべて目を閉じて瞑想をしますが、禅・座禅の場合には、半眼・半目にするのが一番大きな違いです。

そして、姿勢を動かさないで、線香一本が燃える時間(約30~40分)、じっと心を無にしていく瞑想です。

なお、禅・座禅にも種類や瞑想法が分かれていますので、すべてサマタ瞑想というわけではありません。

いろいろな瞑想法がありますが、体験してみて自分に合う方法などを見つけてみることです。

瞑想時間ですが、最初は5分、10分からレベルアップしていけばよいと思います。
ただ、心を落ち着かせて心鎮めるためには、できたら20分ぐらいは毎日朝夕に瞑想をすることをおススメします。
そうすれば、効果も高まり、効果が実感できると思います。

また、ちょっと空いた時間に、静かに椅子などに座れる場所があれば、5分でもいいので瞑想するのもおススメです。
それだけでも、心が落ち着きますし、ストレス解消にも効果があります。

一番重要なことは、少しでもいいので継続して毎日瞑想をすることです。

最初は気楽に初めてみて、その後きちんと習いに行ったり、グループ瞑想に参加したり、30分以上の瞑想を実践したり、マインドフルネス、最終的にはヴィパッサナー瞑想へと、レベルアップしていけばいいと思います。

3.瞑想していて心がさまよったら

瞑想を始めてみると実感すると思いますが、本当に心は落ち着きません。

次から次に、雑念・想念・煩悩など、心の中に浮かんできます。

それに心は振り回されてしまいます。

心をじっと落ち着かせたいのにできません。

そのようなときには、マントラなどの乗り物を使って、その乗り物に意識を戻します。それにフォーカスし直します。

それを使っていても、想念の中にどっぷり浸かってしまい、数分以上、5分、10分と飲み込まれてしまっていることもあるかもしれません。
しばらくすると、ふと“瞑想していたんだった”と気づきます。

でもそれでいいんです。
否定も責めもしてはいけません。

“あっ、行っていたな“と何も判断しないで、また静かに乗り物に戻せばいいだけです。

瞑想はその繰り返しです。

“ダメだ私は“と自分を責めたり、いじめたりせずに、それも浄化のステップと思って、ただもとに戻すことです。

心はさまようのが普通で、あっち行ったり、こっち来たりして、繰り返していく、それが正しいやり方だと思ってください。

4.姿勢と集中

心があっちこっち行ってしまうと、必ず姿勢が崩れます。

いきなりガコ~ンと倒れそうになったり、前に体が倒れていたり、気が付くと“あれ?”となりますね。

想念の中にどっぷり浸かってしまうと、意識は別な場所に行ってしまっていますので、全身の力が抜けて、体を支えていられなくなってしまうんですね。

体がグラグラしたり、頭が前に下がって猫背になっていたり、後ろに倒れそうになったり、右や左に傾いていたりしています。

集中できていないと、必ず姿勢が崩れています。
姿勢が崩れることは、集中できていないシグナルになります。

それを繰り返して、深い瞑想に入っていけば、体が動かなくなりますし、自然と正しい姿勢になります。

逆に、禅などそうですが、姿勢を正すのは、心をコントロールする方法の一つになります。

ただ、最初から姿勢を正すことばかり意識するには、私の体験上、難しいと思います。

姿勢が崩れたり、揺れたりしても、自分を責めずに、気軽な気持ちで、繰り返し瞑想をしていくだけです。
姿勢を気にするよりも、10分、20分と毎日瞑想を継続していくことが重要です。

深い瞑想に入ってくると、姿勢がブレなくなりますし、自然に姿勢は正されていきます。

そして、たんだん音もただ流れていくだけになり、呼吸も感じなくなり、静かな海の底のような、海の真ん中に、ただ止まっているような感覚になります。

静かで、心がクリアーになり、遠くの音が聞こえてくるような、でも心は何にもとらわれていない、ただ漂っているだけ。

そのような非常に気持ちのよい、そこにずっと居たいと思うような感覚にもなります。

人によって、瞑想の深まり方はバラバラです。

ただ、継続していくと、徐々に深まっていることが必ず実感できます。

ですから気軽に瞑想をやり続けることです。


5.追伸:瞑想中の神秘体験に関して

なお、放送ではお話していませんでしたが、瞑想をしていると、いろいろな神秘的な体験をすることがあります。

このような感覚が生じたときに、この感覚に絶対に執着しないでください。
次にも同じ感覚を望んで、その感覚が生まれないことで、また苦しんだり、責めたりしたりしてしまうからです。

場合によっては、精神的なダメージを逆に受けてしまうこともあります。

このような体験は、瞑想が深まっていくステップの中の通過儀礼のようなもので、それに拘ったり、執着してはいけません。

ただ瞑想を繰り返していくだけです。

ご注意ください。

※ 呼吸の瞑想に関しての説明をしている記事もありますので、よろしければ参考にしてください。



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