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頻度は高ければいいというものではない

週に1回1時間。

この時間を聞いてあなたはどう感じるだろうか。

多くの人は短いと感じるであろうし
私も同じように短い時間だと思う。

この時間は何かというと
私の子供たちが通う水泳教室の
レッスン時間である。

中にはしっかりと技術を学ぶために
週に何度も通うコースもあるのだが、
うちの子供たちは特に水泳選手になりたいと
思っているわけではなく、
単に水泳が楽しいからやっているので
この頻度のレッスンを選んでいる。

そんな水泳教室にうちの息子は4歳ごろから
この頻度で通っている。

通い始めた頃はずっとプールサイドから
見ていないと泣き出したり、
着替えも手伝ってやらないといけなかったが、
初めて4年経った今では
プールサイドで見ておかなくても何ともないし
着替えも当然ながら自分でしている。

いつからか息子の水泳教室は送迎だけして
観覧席の端で本を読んだり、
ラップトップを持参してKindleを書いたり
自分の時間を楽しむようになっていた。

ところが、そんな水泳教室に今年の初夏から
下の娘も通い始めたのだ。

娘は今年ちょうど5歳になったばかりなので
息子が始めた頃とほぼ同じである。

ただ、その頃の息子とは違って
娘は特にプールサイドで見ていなくても
全然平気な様子であった。

観覧席で記事を書くと電車の中と同じように
不思議なぐらい集中できるので
私的にはこの時間は非常に貴重である。

しかし、いくら見ていなくても平気とは言え
まだ5歳なので様子は見ておきたい。

そこで、ここ数か月は送迎してから
観覧席で娘の教室の様子を見ていた。

娘の練習するクラスは
小学校入学前の子供が集められて
浅いプールでの練習が行われるので、
大きい一般用のプールから
少し離れた場所の観覧席が私の定位置になった。

しかし、昨日から娘のクラスの練習が
小さいプールだけでなく大きいプールも
使用する内容に変化したのだ。

大きいプールを使うと当然ながら
小さいプールの観覧席からは見えないので
私は久々に一般の観覧席から教室を
眺めることになった。

久々に大きいプールを眺めたときに
ふと息子が泳ぎ始めるタイミングであった。

以前に息子の泳ぎを見たのは
数か月前であったが、
正直そんなに上手ではないと
私は思っていた。

ところが、泳ぎ始めた息子は
驚くほどきれいなフォームで
クロールを泳ぎ始め、
25mを軽々と泳ぎ切ったのだ。

そこからも次々と往復を繰り返し、
合計で数百メートルを泳ぐ息子。

正直ここまで成長しているとは
全く想像していなかったので
私はとても驚き、
気が付くとずっと息子の練習を見ていた。

冒頭にも書いたが、息子の水泳教室は
週に1回1時間だけである。

それ以外に水泳をする機会は感染症の影響で
ほとんどなかったし、
上達したとすればこの教室以外にはありえない。

つまり、たったこれだけの練習量でも
積み重ねていくことで間違いなく
成長をしているということである。

では週に1回1時間を1年間にすると
どのぐらいの練習量になるのだろうか。

息子の通う水泳教室はお盆やお正月に加え
年に4回ほどの休みがあり、合計7回が休みになる。

1年間は52週なのでそこから7回を引けば
1年で45週分の練習をする、
つまり45時間もの時間を練習していることになる。

45時間は冷静に考えてみればすごい時間である。

1日8時間ミッチリ練習する合宿に
5日半参加するようなものと思うと
これだけ上達するのも納得できる気がする。

私たちは何かを始めるとき
成長の速度が遅いのを嫌い、
低い頻度よりも高い頻度を選びがちである。

それゆえに毎日〇〇をするという
行動目標を立てることになるが、
そのような行動は継続ができなくなる。

なぜなら毎日継続することは
思っているよりもハードルが
高いからである。

私たちの日常の中にしっかりと
根を張っている日常の習慣を
無理やりにこじ開けて
毎日の行動を入れ込むことは
実はかなり難しいことなのだ。

しかし、この頻度が週に1回ならば
そのハードルは一気に下がる。

多くの人は週に1回ぐらいならば
多少フレキシブルにできる予定が
あるものだからである。

私の息子は水泳教室をイヤだと言う時期も
あったのだが、
そんな時も超えて4年以上続けられているのは
この頻度だからであろう。

もちろん成長するスピードは
ゆっくりしたものになるが、
数年間という期間を見た場合に
高頻度で挫折してしまうよりも
ずっと高い成果になっていることは
言うまでもないだろう。

昨日の息子の成長を目の当たりにして
何か行動する際の頻度の選定の大切さを
改めて考えさせられた。

その日の水泳教室が終わったとき
成長ぶりに驚いたことを息子に言うと
なんとも照れくさそうな顔をしていた。

見なくてもいいと言いながらも
息子も練習を見てほしかったのかもしれない。

次週からも一般の観覧席から
子供たちの様子を眺めようと私が決めたのは
言うまでもない。



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