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モノ対戦

昨日朝活の後、読書をしていると
子供たちが起きてきた。

息子だけならば続行してもいいが、
娘が起きてくると100%話に巻き込まれるので
読書は続けられない。

ページを閉じて待っていると
娘のマシンガントークが始まった。

そんなマシンガントークを受けながら
準備をして子供たちが食べ終わった頃に
妻が起きてきた。

朝食に出していたパンケーキが
さらに残っていたので
妻にも食べるように勧めたが、
少し食べただけで部屋の中を
見回しだした。

この様子、もしかするとまた始まるのか。

私は過去の経験から少し身構えた。

しばらく様子を見ているとやはり予想通り、
「昇降デスクをここに置こうと思うねん」
と妻は突然言い出した。

このような雰囲気をまとっている妻は
大抵部屋の模様替えを突然し始める。

そして、その模様替えの根底には
何か家具などを購入したいという
欲求があるのだ。

恐らく、昨晩にSNSなどを見ているときに
昇降デスクが置かれた部屋の様子を
見たのであろう。

幾らするものなのかは知らないが、
彼女の中ではそれを自分の家にも
起いたイメージが湧いたに違いない。

過去にこのようなモードに入った妻が
模様替えを始めた際には
もうすでにそこに置くものを購入していたケースが
何度かある。

なので、妻が昇降デスクを置きたいという
発言を聞いたとき真っ先に私の口からは
「え?まさかもう買ってへんやんな?」であった。

幸い妻の答えはNo。

これはまだ交渉の余地があるわけである。

正直言うと、私はこれ以上我が家に
モノを増やしたくない。

パソコンに向かう私の周りを
パッとを見渡してみても
収納、本棚、机、プリンター、電子ピアノ
色んなモノが置かれている。

もちろんこれらが全て無駄だとは思わないが、
なくても十分に生活は成り立つものだと
思っているし、
決してリビングに置く必要はないと思っている。

本来私はリビングやダイニングは
ホテルの部屋の様に何も置かれていない環境に
したかった。

今住んでいる家に入居したときには
前に住んでいたところから家具を
そのまま持ってきたのだが、
それらの家具も極力使わないようにして
最低限のモノが置かれた空間を意識してきた。

だが、子供の成長とともに、
我が家にはどんどんとモノが増えていき、
そしてそれらを”収納する”という大義名分で
多くの家具が住空間に置かれ始めた。

その度に私は抗い、住空間にモノが増えることを
阻止してきたのだが、
大義名分を背負った妻に押し切られ続け、
私の住環境は落ち着かないものになっていった。

そうして戦い続けてきた結果、
何となく妻が新しいものを置こうと
考えているタイミングがわかるようになったのだ。

今回の昇降デスクの話も頭ごなしに否定すると
妻の機嫌が悪くなってしまう。

ひとまず妻の主張を一度聞いて、
その上でモノを増やさないために
譲歩できる部分を探し、
それを協力することにした。

そうして妻の話を聞いてみると、
一度妻が言うようなレイアウトに
モノを置いてみることに。

言うまでもなくこのモノを動かすのは
私である。

朝から重い家具を動かしレイアウトを
変えていくと、
やはり私が思った通り思ったほどスペースは
出来ないことが分かった。

モノを動かした疲労を感じながら
ここでクロージングしようと私はこう妻に提案する。

「やっぱりここには入らなさそうやな。
今あるもので何とかしたらいいんじゃない?」

だが妻は数年後に子供たちが自分の部屋を
持つようになった時のために
今から購入したいと反撃してきた。

こうなると話が余計にややこしくなる。

今はあくまでリビングの話をしていたのに、
その話が子供部屋まで及んでしまうと
子供部屋に置かれたモノを撤去することから
考えなくてはならなくなる。

我が家は現状子供たちに自分の部屋を与えていない。
しかし、子供部屋にも既に色んなモノが置かれている。

置かれているのは大抵が使わなくなった
子供の衣類だったり、過去のプリント類、
そして雑多としたおもちゃなどの小物だが、
私としては全て捨てて問題ないと思っている。

こんな状況で新たにモノを置いたとすれば
我が家はまさにモノだらけになってしまう。

本来なら
「子供部屋のモノを捨ててから考えたら?」と
言いたいところだが、
私には強く言えない理由がある。

それは大きくないものの子供部屋に
私の趣味である昆虫飼育の道具と
読み終わって売りに出している本を
置かせてもらっているからである。

しかし、このままでは埒が明かずに
妻の言う通りデスクが我が家に
やってきてしまう。

それだけはどう考えても嫌なのだ。

結局、私はメルカリに売りに出している
本達の出品を全て停止し、
すべてまとめて廃棄することにした。

メルカリで長らく出品していていも
全く反応がなかったほどなので
ブックオフに持って行っても二束三文にしか
ならなかったであろう。

そして、思い切って昆虫飼育の道具も
一式まとめて捨てることにした。

本を束ねてさっそく近くの資源ごみの
回収センターに持ち込むと
多少ではあるが子供部屋はスッキリした。

これで私は正々堂々と妻に反撃することができる。

そうして紆余曲折を経て今回は
デスクの購入を阻止することに成功した。

沢山モノが置かれた我が家の中で
私だけの荷物は恐らくスーツケースに
入り切るほどしかない。

仮に一人暮らしだったとすれば
まさにホテルのような部屋を
満喫できるのだろうが、
夫婦として妻と一緒に生きていく限りは
モノを増やそうとする妻に抗い続けなくてはならない。

今回は何とか阻止することができたが、
次回以降はどのように戦うべきか。

そう考えてみると、
子供たちを味方に付けるしかなさそうである。

既に息子は私と同じようにモノが多い部屋に
少しウンザリしていることは知っている。

まずは息子をしっかりとこちらの味方に付けるよう、
教育していかねばならないだろう。

夫婦で同じ部屋で過ごすというのは
簡単そうでなかなか難しいことである。

ちなみに、本棚に並ぶ妻の蔵書を見ていると
”ミニマリスト生活”のような本が
ちらほら目に付いた。

実はミニマリストに憧れているのならば、
妻をこちら側に引き入れるのが
一番手っ取り早い方法かもしれない。

だが、置かれていたその本は
明らかに未読な様子であった。

まずはこの本を読んでもらうことから
始めるしかなさそうである。

しかし、妻にどうやって読んでもらうか、
いずれにしても難しいタスクである。


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