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親にしてやれることは何か?

昨日息子のサッカーの試合を見ていた時のこと、
私が観戦していた近くで違うチームの監督が
チームメンバーに話をしているところに遭遇した。

そのチームの試合は見ていなかったのだが、
話の内容から察するに結果は芳しくなかったらしい。

ここからお説教のような内容に突入するのかと
思いながら耳を傾けていると、
そこからの話がとても面白かった。

その話を要約すると次のような内容であった。

サッカーで一番大切な事は”自立”である。

ピッチに立つと自分で考えてどう動くかを
一人で決めて、行動しなくてはならない。

ボールを持っている人だけを見てもだめ、
すぐ近くの人だけを見ていてもだめ、
全体を視界に入れながら自分ができる
ベストな選択肢をいつもしなくてはならない。

そして、それをするためには
サッカーの試合の準備や着替えなども
全て自分で考えてしなくてはならない。

そんな話であった。

実際に私はピッチに立ったことがないので
外から見た印象だけでの話になるが、
ピッチという平面上において
相手や味方を常に視界にとらえながら
どう動くべきかを決めるのはとても難しいことだと思う。

一朝一夕でできることではないだろうし、
ベストな選択肢をするためには
無数の選択の中で間違いを犯し、それを修正することを
繰り返していかなくてはならない。

そして、その選択をするという練習は
日常生活でも同じであろう。

私は子供の頃、親に「宿題をしろ」などと
言われたことは私が記憶している限りは
1度もなかったし、
時間割を確認されたこともない。

それで仮に忘れ物があったとしても
それは完全に私の責任である。

いまだにハッキリと覚えているが
小学校2年生の頃に通知簿の備考欄に
「忘れ物が多い」と書かれたことがあり、
それを見た母に小言を言われてしまった。

だが、だからどうしろということは
言われなかった記憶がある。

自分がそうだったからというわけではないが、
基本的に私は子供たちにそのようなスタンスで
接するようにしている。

必要なものがないと気が付いた時には
持って行ってやることもあるが、
それを事前に確認することは子供たちのタスクであり
私のタスクではないと思っているからである。

だが、妻はここに干渉してしまう。

時間割や宿題の確認を毎日しているし、
子供たちに「宿題をしなさい」と言っている。
そして、これは学校だけに限らず、割と事細かに
子供のやることについ口を出している。

子供たちが失敗して恥をかかないようにというのが
一番の理由なのであろう。

しかし、それは本当に子供の為なのだろうか。

私が偶然耳にしたサッカーの監督の話は
決してサッカーに限った話ではない。

子供たちはいずれ社会というピッチに
投入される存在なのである。

その時に彼らは周りを見ながら
自分の行動を考え動いていかなくてはならない。

もちろん、社会人になってからその動き方を
学ぶことはできるであろうが、
子供のころから自分の責任で行動を考えてきた人と
そうでない人ならばスタートラインがかなり
違う場所にあることは想像に難くない。

親になってからというものの、
子供たちにとって親(特に父親)にできる事は
一体何かを考えることがしばしばあるが、
実際、私にできることは何もないのである。

唯一できるのは彼らを健康に育て、
機会を与えてやることぐらい。

後は彼ら自身が考えて動けるように
見守ってやるしかいないのだ。

その中で求められればアドバイスをしてやることも
できるであろうが、
それもあくまで求められてからするものであり
親が子供の様子を察してしてやるものではない。

こうして書くと何だか冷たい親のように
見えるかもしれないが、
逆にこうして静かに見守ってやることこそ
優しさではないかと私は思っている。

息子の試合を見に来たはずが、
偶然聞いた見知らぬチームの監督の話に
自分の考え方の背中を押してもらったようで
思わず感動してしまった。

まだ不慣れなチームで他の保護者との
関わり方に四苦八苦してはいるが、
やはりこうして日ごろとは違うコミュニティに
属することは大切なのだと改めて感じた日であった。

ちなみに昨日は朝から雨が降っており、
途中から雨がやんで曇りになったので
傘をたたんで観戦していた。

それほど暑くなく風もあって快適に
試合を見ていたと思ったのだが、
家に帰って着替えた時に自分の腕と顔が
驚くほど日焼けしていることに気付いてしまった。

雨の日なので完全に油断していた。

雨の日といえどもこの時期に外に出る際には
しっかり対策していないと
そのうち松崎しげるになってしまいそうである。

こんな感じになる日も近い

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