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祖父の背中

以前から体調を崩していたじーちゃんが、先日、帰らぬ人となりました。


急なことではなかったので心のどこかでは覚悟をしていましたが、亡くなったと連絡が来た時は時間が止まったような、世界と遮断されたような感覚になりました。


気づいた頃には飛行機をとって空港まで向かっていて、祖父母の家に着いてじーちゃんと対面してもただ眠っているようにしか見えませんでした。

時々「あ、動いたかも」なんて勘違いをしたり、いつも通りじーちゃんを笑わせにいったり。



うちの親戚、めちゃくちゃ面白いんですよ。
ボケとツッコミがそこら中で起きていて、どのグループを見ても面白い。
だからお通夜後にみんなでご飯を食べる時もゲラゲラ笑って、兄は尺八を奏でて、そしておじさん達が「女優なら踊れ!」と無茶振りしてくるもんだから尺八に合わせて踊らされたり。
ただの宴会でした。

でも、それがうちらしくて。


いつもじーちゃんはツッコミもボケもせずに、涙流して笑っているだけ。

みんなじーちゃんを笑わせるために必死になっていたのかしら



じーちゃんは若い頃にお芝居で全国大会に出たそうです。
旧国立競技場で行進をして、地元を盛り上げたとか


じーちゃんの血が私にしっかり流れてる。



私の舞台の映像を観た時、じーちゃんが号泣したんです。
それが嬉しくて嬉しくて

亡くなる前に新人公演に出るよ〜とビデオ通話した時も「観たかった」と号泣。


どんだけ泣くのよ、泣き虫なとこも遺伝しちゃったじゃないか。



じーちゃんの気持ちを背負って、これからも舞台に立ち続ける。

これが私にとっての、じーちゃんへの恩返し。



見ててね、私都会に負けないよ。


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