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掌編小説【海の彼方から奴らが来る】

海の彼方から奴らが来る。
田畑を蹂躙し、街を沈め、また海に還っていく、奴らが。
名前を呼ぶのも恐ろしい。

我々の先祖は奴らと共存しようとして、鮭やら鉄板やら身の回りにあるものの名前を付けたが。

共存なんて、夢のまた夢だった。

そんな雲を掴むような話を、我々の時代で叶えようと動き出したもの達がいる。

奴らが来る度に、話し合いを試みているようだが。
今のところ、全て失敗に終わっているようだ。

ああ。今日もまた、奴らが来る。



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