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極秘任務の裏側

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軽快でドタバタな一ノ瀬たちの活躍をぜひ!【全18話】
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2023年3月の記事一覧

【小説】極秘任務の裏側  第1話 

【小説】極秘任務の裏側 第1話 

 錆びた鉄の階段を降りて路地に出ると、ビル風がふたりを襲った。
「硬いなぁ。ほら、笑って。笑顔笑顔」
「いででででで……!」
 頬を強くつねられ、笑顔どころか涙が滲む。
「なにすんだよ!」
 一ノ瀬が声を上げると、ケイはふふふと笑った。
「リラックスリラックス」
 軽い足取りで先に進むケイの後を、頬をさすりながらついていく。
気合いを入れないと。これは下手したら命に関わる大きな仕事だ。
両手を横に

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【小説】極秘任務の裏側 第2話

【小説】極秘任務の裏側 第2話

 一ノ瀬の頭をかき乱すだけかき乱してケイが去っていき、大通りにひとり取り残された彼は途方に暮れていた。
 目の前の歩道橋をぼんやり眺め、はは、日差しつえー……とか独り言を呟いてみたが、自分がなにをするべきなのかもう全然わからなかった。ケイは先程この歩道橋に何かを見つけて焦っていた。しかし、一ノ瀬がどう見ても平和な日常しか見当たらない。試しに階段を少し上り、歩道橋の上を行き交う人々を見渡してみる。駅

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【小説】極秘任務の裏側 第3話

【小説】極秘任務の裏側 第3話

 電話をかけると、ワンコールも鳴らないうちにハラダが出た。
「はい」
「ハラダさん! 一ノ瀬です」
「お疲れ様。どうしました?」
「えっと……」
 落ち着いたハラダの声を聞きながら、なんとなく、違和感があった。ハラダさん……こんな低音ボイスだったっけ。気のせいか?
「あの、任務についてなんですけど」
「任務」
「はい……」
 今更聞きにくい。ターゲットってどんな人でしたっけ? なんて聞いたら、今ま

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【小説】極秘任務の裏側 第4話

【小説】極秘任務の裏側 第4話

 今度こそ本当の極秘任務。間違いなくハラダからの指示だ。
「何も知らない一ノ瀬君に今回の事件を説明します。ちゃんと聞いていてくださいね」
「はい」
 何も知らない一ノ瀬君は神妙な面持ちで頷いた。
「まず、君が偽任務で聞いたL38の情報は誤りが多いです。まったく、どこから漏れたのか知りませんが、適当な情報漏洩はやめてほしいですね」
 正確な情報漏洩の方がまずい気がするが、一ノ瀬は黙って聞いていた。

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【小説】極秘任務の裏側 第5話

【小説】極秘任務の裏側 第5話

 一ノ瀬は本社前の大通りに出た。今度はどこへ向かうか、ちゃんと把握している。
つまり……L38を盗み出したのは10歳の銀次郎で、彼は何者かのターゲットになっている可能性があるため、今は護衛がついているということだよな。そして肝心のL38は行方不明……と。ふむ。護衛はたしか「エンヤ」という名前だったか。その護衛の人から情報をもらわないといけないな。どんな人なんだろう。護衛をするくらいだから、屈強な

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【小説】極秘任務の裏側 第6話

【小説】極秘任務の裏側 第6話

 ケイが去っていった後、一瞬自分がどこへ向かっていたのかわからなくなっていた。そうだ、銀次郎と「エンヤ」のところに……。いや、ハラダに連絡をするべきか。ケイに会ったこと、情報を漏らしてしまったこと。伝えるべきではないか? 今度こそ怒られるだろうなぁ……。結局ケイが何者だったのかもわからないまま、逃がしてしまった。クビ? クビかもなぁ……。とりあえずハラダに電話をしようとスマホに目をやると、電話が鳴

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