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読了「瑕疵借り」松岡圭祐

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訳あり物件に住み込む藤崎は不動産業者やオーナー
たちの最後の頼みの綱。
原発関連死、賃借人失踪、謎の自殺、家族の不審死
……どうすれば瑕疵を洗い流せるのか。
男は類い稀なる嗅覚で賃借人の人生をあぶり出し、
瑕疵の原因を突き止める。
誰にでも明日起こりうるドラマに思わず涙する
"賃貸ミステリ"短編集。

講談社文庫 312ページ
読了カラーイメージ 菜の花色
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この先はネタバレを含む場合があります。

短編なので読みやすく、あらすじにも
書いてある通り、誰にでも起こり得る話だからこそ
サクサク読み進められる。

藤崎の第一印象はよくないけど
すぐに「あぁ、そういうことか」と
印象をひっくり返される。

冷たいように感じるけど、内には熱があるように
私には感じた。

号泣するほどではないけど、どの話も胸に
ジーンと熱いものが込み上げてくるものばかりで
瑕疵と言っても、驚かし要素やグロすぎる表現など
はないので
ぜひ安心して読んでいただいていいと思います。

読みながら自分の終わりは残す側か、
残る側かどっちなんだろうと考えつつ
残るものにはこんな困らせてしまうのか…。と
勉強って言ったらおかしいけど
この作品を読めたおかげで
「私が死んだら、全部捨てていいから」なんて
無責任な言葉じゃなくて
自分で整理していかなくてはな。と思った。

藤崎みたいない人が本当にいれば、
亡くなった人も満たされるかもしれないなー。


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