鷹のように(詩)

高みを、高みを目指したのではなかったの
卑屈に見つめる視線の先、隣の芝生を眺めて何がつかめるの
手にしたすべてを捨て去る日があってもいい
手にしたすべてに背を向けてもいい

眼差しは高く、鷹のよう
煌めく大地を眼下に残し
荒れる空を行けばいい

ささやかな温さが愛しんだとて
卑屈さを糧に進めまい

ささやかな温もりを守る己に胸を張り
穏やかな戦いを進めばいい

この世に美しさは、人の数ほど綺羅星の如く
世界中の片隅に、こぼれる光に気づくとき

あなたは高みを望めよう

彼方を見据える鷹の如く
巣を編む飛燕の如く

手にしたものが全てでも
手にしたすべて捨て去ろうとも

踏みしめた跡が確かなら
高みを目指していられよう

見つめる先に青い芝
散らばる星の一つを愛で

心に一つ明かりをともす
高きをめざし、低きを知り
眼差しは遥か、鷹のように


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