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坂本龍一。

『Ryuichi Sakamoto: CODA』という映画が、YouTubeで1週間限定で無料公開してます。

坂本龍一の2011年からの5年間に密着したドキュメンタリー映画です。
この映画は以前にも何回か見たことがあって、大好きな作品だったので今回の無料公開を機にもう一度、見直してみました。

彼がピアノの前で呟いていた言葉が印象的です。

ピアノは何トンという力がかけられた木を型にはめて作られている。自然にある物質を人間の工業力や文明の力で鋳型にはめる。自然に放っておいても調律が狂っていく。それを人間は”狂う”って言いますけど、全然狂っているのではなくて自然のこの物質たちは元に戻ろうと必死になってもがいてるだけ。だからそういうピアノ的なもの”人間が無理やり自分の理想に基づいて調律したもの”、いわゆる”不自然な”、人間的には自然だけども、自然から見るととても不自然な状態に対する、強い嫌悪感みたいなものが僕の中にはあると思うんですよ。

人間は、人間が抱く理想にそって自然なものを不自然なものに作り替えていってしまっている。

「だから、東日本大震災で津波に襲われ、自然が調律してくれたピアノを弾いた時、強く惹かれたんですよ。」とも言ってました。

真っ直ぐなきゅうりやテカテカ光るりんご、もはや原型が想像もつかない形でパッケージされてる肉たち。例えが食に関するものばかりですが、他にもいろいろあるはずです。彼の言葉を聞いてそんなものを思い浮かべました。

一般的な市場では、その形でしか売っていないので、それが”自然”だと思ってしまうんだと思います。自然が人間の手によって不自然なものへと形を変えていく工程を見ればそれが不自然だと誰にでもわかるはずです。でもその工程は表にはなかなか出てきません。出てきたとしてもそれは自分の当たり前が当たり前じゃないことに気がつく瞬間なので、言い換えると都合が悪い事実なので、その問題に真剣に向き合うのは本当に難しいことだと思います。

事実、自分もほとんどそういったことを知らないに等しいと思います。かと言って不都合な真実に目をむけて真剣に取り組むほどの勇気もありません。それでも、もっと真実に目を向けるべきだなと感じるし、例えば肉の話でいうなら、『いのちの食べ方』(肉の製造過程を撮ったドキュメンタリー映画)を見るじゃないですけどそういうところから勉強を始められるのかなと思います。

パッケージされた肉を食うなというのではなくて、自分の食べるものは自分が責任を持って知るべきだなと思うんです。

自分の行動に対して自分が責任を持てているか?と聞かれたら、答は否です。知ってても目を向けようとしないし、より知ろうともしていないことが沢山あります。

どうも、食に話が寄ってしまいましたが、食だけではなく全ての物事に対して坂本龍一の言葉が響くはずです。

ナウシカ的に言えば、不自然な人間の行動でさえも自然の一部なのかもしれないですけど、、、。

とにかく、この映画は本当に大好きです。5.28(木)23:59まで無料公開しているそうなので、是非この機会にみてみてください。もし無料公開が終わってしまってもAmazon Primeでも¥400でレンタルしてみられます!

↓Amazonプライムの方のリンクです。

https://www.amazon.co.jp/Ryuichi-Sakamoto-CODA-%E5%9D%82%E6%9C%AC%E9%BE%8D%E4%B8%80/dp/B07D6Y53JJ


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