時間の鍵の廻し方
下のリンクの小説のつづきです😃
僕たちは僕たちが知らないうちに、真夏の少年に戻る方法を探している。ほとんど全ての大人が知らないのだけれど、文字通り、昔に帰るための鍵があるのだ。その鍵は学生時代の勉強机の内側にふと掛かっているかもしれないし、おばあちゃんちの階段を昇ったところに落ちているかもしれない。巨大かぼちゃの畑に光っているかもだし、ジブリ映画を見た後のポップコーンの食べ残しの下に隠れているかもしれない。
実は、僕は、いくつか見つけている。
近所の小学校の校庭に光っていたこともあったし(これはGoogle Mapで見つけた)、親父が植えたサボテンの蔓に引っかかっていて、危うくカラスに持っていかれる寸前だったこともある。フォートナイトの優勝賞金を払えなくなった主催者から、賞金の代わりにもらったこともあった。
Google Mapのやつはどうしようも無かったけど、カラスのやつは交渉して、御前崎で見つけた虹色の巻貝と交換してもらった。フォートナイトのやつは、莫大な賞金を辞退する代わりに会社に頼んで、基本料金を無料にするようにしてもらった。だからあのゲームは今、無料で遊べるのだ。
え?
サボテンの蔓のやつ?
それは普通に手で取った。
鍵の大きさとか色とか形とかは本当にまちまちだけど、鍵穴の方は自分の心臓のところに開いているのが通例だ。
鍵が、
「は〜や〜とくん、あーそーぼ!」
て言うから、心臓が
「は〜あ〜い!」
って応えるわけだ。
その時、一気に鍵を心臓に突き立てて、反時計回りに鍵を回す。すると、ぬるぬるっと鍵が心臓の真ん真ん中まで入っていって、僕らもぬるぬるぬるっと時間の穴の中の方へスリップしてしまうわけだ。
もしもビビっておろおろして心臓に突き立てられなかったり、間違えて時計回りに鍵を回してしまうと、、、
、、、どうなるんだろうか。
そう、俺はビビリじゃ無いから、まだそうした経験は無い。また気が向いたら試してみようと思う。
だけど、あくまで噂だけど、その噂じゃぁ、
「このドヘタクソ!!」
って自分の心臓にキレられて、ビンタの一つでも食らわされるって聞いた。
ただし、である。これはあくまでも噂なのだ。
そしてであるが、たまにイキった鍵がいるということも付け加えておこう。
やっと見つけた鍵が心臓に対して、、
「おい!来てやったぞ!」
とか言う場合がある。
そう言う場合はイキった心臓じゃないと応えてくれないから、残念ながら鍵穴が開かないかもいれない。
鍵穴関係というものは男女関係と同じように難しいものだ。ただし、イキった人間の心臓がイキっているかというとそうでもないし、イキってそうな見かけの鍵が大人しい声だったりするから、鍵は見かけによらないものだ。
これも、人の親兄弟と同じところだろう。
・・・つづきます。
・・・『小説家になろう』投稿作品です・・・
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起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)
下のリンクの新刊出させていただきました。
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