【学生向け】パートナーストレッチから学ぶな。
こんにちは。
北の若手治療家を繋ぐ人。
北海道若手治療家コミュニティの、
ハナダハヤト(@hokkaido_wakate)です。
「学生のうちに、何を勉強しておくといいですか?」
という質問をDMで頂くことがありました。
たとえば、
①まだ現場に出ていない学生
②整骨院や整形外科などに勤める予定
③治療に活かせるものを身につけたい
そんな方向けに1個だけ挙げるとすれば、
「ストレッチ」
と答えます。
「普通だなー」と思いましたか?
「なんだよ、
ありふれたこと言いやがって」、と。
まあ話は最後まで聞いてくださいな。
僕が学生のみなさんに心底オススメしたいのは、
「パートナーストレッチ」の習得ではなく、
「セルフストレッチ」を体得することです。
ざっくり言うと、
他人の筋肉を伸ばす前に、
自分の筋肉自分でちゃんと伸ばせますか?
って話です。
ストレッチの適切な学び方
熱心な学生ほど、「学生のうちに現場で生かせるもの学びたい」と思い、「施術っぽいこと」の習得に興味を持つことが多いです。
その一つに「パートナーストレッチ」があると思います。(だってパッと見簡単そうだし。)
それはそれでとても貴重な学びですが、
即戦力として活躍することを考えるのであれば、まず「セルフで行えるストレッチを体得すること」がハナダ的には鉄則だということです。
理由は4つあります。
理由①「施術で即戦力」は茨の道
施術で即戦力になるのは至難の業です。
就職した先の院に来ている患者さんは、
あなたが勤めるよりも前から通い、先輩スタッフが何度も何度も心や体に触れながら信頼関係を築いて、ようやく効果が出ていて通院を得られているわけです。
ある日突然加わった新しい先生であるあなたが、経験の浅い新人である事実は嫌でも患者さんに伝わってしまっています。
患者さんにとっては
「お前誰だよ?」って感じです(笑)
そんな信頼ゼロ、実績ゼロ、経験ありそうな雰囲気ナシの状況から、効果を最大限感じていただけるような関係性を作るのはハッキリ言ってとても大変です。(ハナダみたいな陰キャにとってはアゲインストな風が吹いています笑)
質の高いパートナーストレッチを行えることは大切ですが、リスクマネジメントとして、効果が思うように出なかったときの対応策を皆さんは持っておくべきです。その一つが「セルフケアの指導」です。
理由②セルフケア指導として重宝
就職後すぐに、ぶっつけ本番の手技でハイパフォーマンスを出すのは難しいものです。
しかし、残った症状に対し、セルフケアとしてストレッチを丁寧に指導できれば、施術のスマートなクロージングができます。
施術直後の状態に加えて、自宅でも体に刺激を与えることができるわけですから、施術直後以上の変化を期待できます。
おまけに、「その後の変化をお聞きしたいので、やってみてどうだったかを、次回お聞かせくださいね。」と伝えれば、リピートを促すことも可能になります。
ハナダは1年目、これに助けられました。
即戦力として活躍するためには、患者指導が十分にできないといけません。
ただし患者さんというのは素人です。
教えたストレッチを自宅でやってもらうには、やり方を分かりやすく説明する必要があります。自分ができないストレッチを「分かりやすく伝える」ことなど不可能ですよね?
セルフのストレッチを体得するべき理由はここにあります。ただ知っているだけではなく、体感・体験を通じて、自分の言葉で説明できるように深く理解する必要があるわけです。
理由③受け手の気持ちを知る
パートナーストレッチを提供するとして、安全に行い、かつ効果を出すためには、患者との感覚の共有が不可欠です。
よく理解せずにパートナーストレッチを行っている施術家は、
めっちゃ伸ばしてるけど患者が苦しそう
「伸びてますか?」と聞いて「よく分からない」と言われる
終末可動域付近で操作が強すぎる
患肢の操作が狙いと一致していない
やたら長時間伸ばし続ける
といったような「受け手の感覚が分かってない」ことによるエラーが見られがちです。
これは施術者側の「体験不足」に他なりません。パートナーストレッチを習って覚えたに過ぎず、ストレッチそのものを体得したとは言えません。
「習得」と「体得」は異なります。
長時間伸ばし続けると結構苦しいものですし、上手く伸びていない時の「もっとこうすれば伸びそうなのに」という感覚も知るべきですし、強く伸ばされすぎた時のキツさも実体験しておくべきです。
不快ではなく、かつ効果の出やすい、適切な刺激量はどのくらいか?を身をもって体感することは、安全で効果の高いストレッチの提供に不可欠です。
理由④学ぶ機会はほとんどない
パートナーストレッチを学ぶ機会は、就職後いくらでもあります。
しかし社内勉強会や、各団体のセミナーでセルフのストレッチを教わることはほとんどありません。
なんなら「私ストレッチ教室通ってるの〜」っていうオバちゃん患者さんの方が、術者よりバリエーション豊富にストレッチを知っているかもしれません。
ですから、
セルフのストレッチを知っておくこと。
言葉で伝えられるようにしておくこと。
ただそれだけで、他の施術家と差をつけられます。
ではいつ学ぶか?という話になりますが、
学生のうちに済ませておくことをオススメします。就職後に学ぶチャンスが少ないものについて早くから取り組んでおくと、即戦力として活躍するための武器となります。
さて、そろそろ明日にでも本屋に行って、ストレッチの教本を選びに行きたくなってきた頃でしょうか?
体験することの貴重さ
先ほど、「習得」と「体得」は違うとお伝えしました。
徒手的な技術を高めるには、
技術セミナーに足を運べば済むことかもしれません。
しかし、自分の体験したものを言葉にして伝え、自分の言葉でコツを伝えて、かつ相手に実行してもらうというところまで見据えた「喋りの質と量」は自分で磨いていくしかありません。
体験したことがないことほど、喋りの質と量をは低下します。
そこで、普段の学び方から意識を変えて、
勉強の軸=「体感すること」
という取り組み方をしていただければ、遥かに解像度が高く有意義な学びになると思います。
これはあらゆる施術に言えることです。
例えばテーピングであれば、関節を屈伸させた時のテープが突っ張る感じ、締め付けすぎている窮屈さなどは、その不快さを実感するからこそ、提供する側に回った際に相手の感覚を思いやった貼り方ができるはずです。
体感する機会を得るためには「積極性」が大切です。
もし何かの施術セミナーに参加することがあれば、一番早く来て、一番前の席に座って、デモ役として選んでもらうようにし、積極的な参加をしてみて下さい。
講師の印象にも残りますし、かつ、きっと記憶に残る貴重な体験を持って帰れると思います。
ぜひ頑張ってください。
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