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「当院が考える痛みの原因」に感じるべき“違和感”
ここに、
足部の機能不全が原因で、
腰痛を起こしている「Aさん」がいたとします。
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Aさんはインターネットで施術所を探し、
「当院では骨盤の歪みが痛みの原因と考えています」と掲げている治療院を見つけます。
Aさんは頑張って通いましたが、原因は足部にあるので改善しませんでした。
続いて、「脳脊髄液の滞りが原因です」と広告を出している治療院に行きますが、やはり的外れです。
3院目には「インナーマッスルの弱さが原因」と訴える治療院でEMSを受け、4院目では「ある栄養素が不足しているからです!」といった指導を受けますが改善しません。
そうして治療院ショッピングを
繰り返してようやく、
「足の機能を改善して健康になろう」をコンセプトとする治療院にたどり着き、腰痛がめでたく改善しました。
…というストーリーがあったとして、
なぜ、1か所の治療院で、
あらゆる可能性について、
「等しく」診られないのでしょうか?
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分野を区分し、専門性を高める代償として、
我々は患者の負担を増やしてはいないでしょうか?
これは治療院のみならず、医療業界全体が弁えておくべきお話です。
医師と病院の場合
腰痛ひとつとっても、整形外科だけでなく、消化器科、循環器科、精神科、婦人科、皮膚科など多方面の領域に腰痛を起こしうる疾患があります。
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本来であれば、1ヶ所で全てを総合的に診れる方が、圧倒的に患者の負担は少なく済みます。
腰痛が整形外科の範囲外となると、
患者もより重篤な疾患を想像して身構えますし、紹介状ひとつやり取りするにしても、デリケートな進め方が必要になります。
何より、どうしてもセカンドオピニオンを得るまでに時間のロスが生じることは、一つの大きなデメリットになります。
しかし医師と病院に関しては、
そういったあらゆるデメリットを考慮しても、その専門性の高さを確立することで得られるメリットの方が非常に大きいため、医師と病院は問題にはされません。
治療院の場合
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しかし、話を治療院に戻します。
痛みの原因についてどのような考え方を持っても、どのような専門性を高めても、それは自由だと思います。
ただし、商売目線でコンセプトを掲げることと、プロ目線であらゆる可能性を踏まえて体を診ていくことは、ごちゃ混ぜにされてはいけません。
冒頭に述べたAさんのような例では、
患者→自分に合う治療法を探し続ける。
院側→院のこだわりを患者に押し付ける。
といった構造で治療プランが立案されています。
これは患者にとって優しくありません。
治療方法を探るのは院側の仕事であるはずですが、それを患者に強いていることになります。
もしAさんが1ヶ所目で、
■あらゆる可能性を総合的に診る
■コンセプトに造詣は深いが、こだわりはない。
■ドクターショッピングに注意深くなれる
そんな治療院を選べていれば、通院先を転々とする必要はなかったわけです。
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専門性を高めた結果、視野を狭めていないか?
掲げたコンセプトが、エゴ(自我を優先する行動)として表現されてしまうことほど、悲しいことはありません。
だって患者を良くしたい一心で立てたコンセプトなはずですから。
先に述べた通り、
1ヶ所で全てを総合的に診れる方が、圧倒的に患者の負担は少なく済みます。
「ウチは症状をこの視点から見ます」と分け隔てて、患者側が右往左往しなければならないのは医療側、業界側の勝手な都合に他なりません。
セラピストは一つの分野にとらわれすぎることなく、あらゆる可能性から症状を紐解けるようにならなければいけません。
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専門性を高めたとしても、いつだって患者を診るときは多角的な視点を持って接しなければいけません。
足だけで、脳だけで、骨盤だけで、栄養だけで、筋膜だけで全てを語ろうというのは非現実的です。要素を絞るということは、代償として、それ以外の要素への考慮を減らすことになります。
学びを深めることが、視野を狭めることにならないように注意しなければ、と自戒の念を込めて書いています。
ありがとうございました。
花田は新患対応で何を見ているか?
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