ルサンチマンでもなんでも自分の中にある負の感情は重たいのだ。嫉み、妬み、恨み、怨み、憎しみ、怒り、悲しみ、哀しみ、そんな色とりどりの負の感情は鈍く、重く、遅く、停滞する。私が段々と日々過ごすことが軽くなっていくにつれて、こういった重たい感情から解き放たれていったのをよく覚えている。
さまざまな人々がいるけれど、この重い感情を纏っている人と近づくとそれが感染するように自分もまた重く、遅くなっていくのがわかる。
ダンテの『神曲』にはこの地獄、煉獄のような重さから天国のような軽やかさまで描かれているようである。そう、天国は軽いのだ。私は心の問題に向き合ってきて、ダンテの『神曲』ばりに地獄から天国まで味わってきた。もちろん天国の方が楽であるのは間違いない。仏教の悟りの境地というのは、天国のような軽さのことなのだとやっとわかった。
まったくの門外漢なのでざっくりとした話しかできないが、量子力学にてこの光のような交通と、負の感情による交通の阻害などは解明されてきているような気がしている。人が軽やかでいればいるほど、事事無礙法界で表されるようなお互いの交通は融通無礙に行われていく。
心を軽やかにしていくと、慈悲で満ちた世界が現れてくる。なんて素晴らしいのだろう。交通を妨げる負の感情を取り払っていけば、光の愛に満ちた世界がそこにはあるのだ。