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23シーズンJ3全20チーム展望④

・ヴァンラーレ八戸
・いわてグルージャ盛岡
・福島ユナイテッドFC
・Y.S.C.C.横浜
・SC相模原

・松本山雅FC
・AC長野パルセイロ
・カターレ富山
・アスルクラロ沼津
・FC岐阜

・FC大阪
・奈良クラブ
・ガイナーレ鳥取
・カマタマーレ讃岐
・愛媛FC


■FC今治

■オフの動向&予想布陣

・3年目のJ3はシーズン最終盤までJ2昇格争いに加わり、過去最高の5位で終了
・昇格したいわき・藤枝にシーズンダブル、鹿児島にもアウェイで勝利
・その一方、下位への取りこぼしが多く、勝負所で対戦した松本には逆にダブルを喰らったのも痛手に
・得点数は55で3位タイ
、15節から最終節まで連続得点も

・昨年9月から指揮した橋川監督は退任(のちにアカデミー・メソッドグループ 執行役員/グループ長に就任)。
新監督にはヘッドコーチを務めていた髙木監督が就任
・JFL昇格から現在で7年目のシーズンで7人目の監督に
新本拠地の「今治里山スタジアム」(今治市高橋ふれあいの丘)が完成。総工費は約40億円。収容人員は当初6000人も、J1規定の1万5000人収容まで増設予定。

・竹元GM「昨季の戦力をベースに、しっかりと補強できた。昨季は大事なところで勝ち点を失った。安定した戦いができるかにかかっている」
・髙木監督「今年は、今治里山スタジアム元年を迎えることとなりました。目標に向かって突き進む姿を皆様にお見せしなければならないと思っております。優勝、J2昇格にふさわしいチームを、3月5日にお見せすると強い志を持って残りの期間準備をしたいと思います」

FC今治 新体制発表会より

システムは昨年同様4-4-2と4-1-2-3を使い分ける?
4年連続でMF楠美がキャプテンに
・FWインディオの登録名が「マルクス・ヴィニシウス」に変更

・TMでは新潟(30分×3)に0-6で敗戦、大分(40分×4)に2-2で引き分け、宮崎(45×3)に2-3で敗戦、韓国1部・大邱FC(45分×2)に1-0で勝利、韓国1部FCソウル(45分×2)に4-1で勝利、広島(45分×2)に2-1で勝利、愛知東邦大(45分×2)に7-0で勝利
・2月に入ってから韓国1部の2チーム、J1広島に勝利。中でもヴィニシウスはこの3チーム全て得点をあげるなど好調(計4得点)。
・DF櫻内がアキレス腱断裂で全治約6ヶ月(2/6)
・FWピシュチェクが大腿骨骨挫傷、脛骨前方骨折で全治約6週間(3/1)
・帰国していたFWセウントイェンスの悪性リンパ腫が寛解。今後は復帰に向けてリハビリをスタートさせるとのこと。現時点でチームへの合流は未定。

■スカッド雑感&展望

・GKは茂木がC大阪にレンタルバック(のちに岐阜に移籍)
新守護神には福岡でも活躍したセランテス(ログロニェス)をスペイン3部から補強。当時の実力を発揮できれば飛びぬけた戦力となる

・CBは、ベストイレブンにも選ばれた岡村(→大分)が個人昇格。飯泉(→鳥取)も満了に。
・代わりにJ2で33試合出場(先発24)の二見(→長崎)を補強。岡村のような高さはないが、左利きやロングスローなどが新たな武器に。
・白井(→相模原)、完全移籍に移行した照山(→仙台)も計算できる戦力
・右SBは駒野が引退したところに櫻内(→神戸)を補強ものの、負傷で前半戦は絶望的。昨年ポジションを争った野口・下口の他、松本(→富山)もここに回される可能性も。
・左SBは昨年同様に上原が中心

・中盤はキャプテンの楠美、昨年途中から加入して後半戦で存在感を発揮した三門がそのままチームの心臓部
・3番手は山田が有力だが、昨年は福島でシャドー/ボランチでプレーした新井(→湘南)がここに入る攻撃オプションも増えた

・昨年脅威となったWG/SHの右はヴィニシウス(昨年はインディオ)が残留。同様に右サイドの左利きドリブラーとなる安藤(→鳥取)も流れを変えられる存在。
左は昨年ブレイクした近藤が中心になるはず。松本(→富山)や山田、パクスビンらもここでのプレーになる?

・前線はエースに成長した千葉がレンタルバック(のちに徳島へ)
・一方、トップ下寄りの中川が残留したので縦関係気味になるはず。
・中川の競争相手として、高いサッカーセンスを誇る新井が加わる
・千葉が抜けた最前線にはJ2で昨年8Gのドゥドゥ(→町田)が加入。夏加入のピシュチェクも2年目の覚醒なるか
・唯一の大卒、188cmの長身・桝田(→日本体育大)も面白い存在

■注目選手

注目選手の1人目はヴィニシウス。
昨年今治に加入すると、176cm82kgの体格を持ちながら高いテクニックとスピードを生かしたドリブルで脅威に。J3において「爆発力だとインディオか横山か」という存在だったがまさかのJ3残留。そして、さらなる伸びしろすら感じさせるのは7月までノーゴールと苦しんだにも関わらず、その後9Gと爆発した得点力の部分。新エース・ドゥドゥとともに序盤からゴール量産なるか。

もう1人は新井(→湘南)
長野県のサッカーファン、特に北のほうでの知名度は高いであろう貴重な県内出身Jリーガー。市立長野高から18年に湘南に加入し、1年目でいきなりデビュー。スペインのエイバルのU-23の練習参加を行ったこともあったが20年にJ3にレンタル移籍してから3年間は主力としてプレーしながらも絶対的な存在にはなりきれていない。J3では3チーム目となる今治は前線の層が一段と厚くなるが、そこで存在感を示せば価値もまた上がるはず。チームの核として君臨する中川と共存できればさらに面白い。

■ギラヴァンツ北九州

■オフの動向&予想布陣

19年にはJ2優勝、翌年は5位と躍進するも主力(町野、ディサロ、藤原ら)のほとんどが移籍やレンタルバックで他チームに。その穴を埋めきれないままJ3に降格してしまう。
・昨年は小林監督(現SD)の右腕として攻撃サッカーを体現していた天野HCが監督に就任。J3優勝を掲げながら"スタイルの継続&再構築"を図ったが、長年の課題である守備の部分が安定せず。
・前半戦はエースとして奮起して7Gを挙げながら後半戦先発0とほぼ稼働できなかったエース高澤の離脱も響き、最後は13位に終わる
・天野監督は1年で退任に。京増HCも同時に退任が発表された。

後任には元大分、栃木の監督で、山雅でもHC経験のある田坂氏が就任。清水時代には田坂監督の後任を小林SDが務めた縁もあり、監督として対戦時には「(小林SDには)すごくお世話になっている」と語ったことも。

就任に際して
・「得点シーン、失点シーンを全てチェックし、クロスからとリスタートからの失点が非常に多かった」と分析。
・「それに至るまでの守備の構築をもう少し、しっかりすればよりいい攻撃も展開されてくると思う。バランスの取れたサッカーをつくっていきたい」と抱負を語る。
・「チーム一丸となってまずはアグレッシブに戦うこと、攻守において切り替え早くボールをつなぐことにしっかりトライしていく」とも話している。

スポニチ 田坂監督 就任会見より

・小林SDは「最後まであきらめずに走る北九州のサッカー」への原点回帰、育成クラブへの転換といった強化指針を示す
・平均年齢23.6歳はJ3では最少に
・主将を務めるのは30歳でチーム最年長のDF夛田
・FW坪郷がユースから15年以来、2度目の昇格を果たす

システムは小林監督時代から続く4-4-2?
・2月に入ってDF坂本(→東海大)、DF大石(→国士館大)の内定を発表
・TMでは金沢(45分×4)に5-1で勝利。その他にも非公開だが大学チームを中心にTMを行っている。

・ここまでケガ人もなくプラン通りに順調な調整が進んでいるそう(2/23)
・夛田主将もチームの状況について「みんなよく走れるし明るい。僕も走れるほうですけど、それ以上に若い選手が走れるので頼もしい」と話す。

■スカッド雑感&展望

・GKは昨季の正守護神・加藤(→大宮)がレンタル延長
・昨季出場がある吉丸・田中・後藤も残留し、変動なし

・CBは中心だった河野(→秋田)が移籍、2番手の藤原が引退
・不安は残るものの、20年21年と主力としてブレイクした村松(→長崎)が期限付きで加入したのは心強い
・相方は本村を中心に、昨年はSBを経験した長谷川、貴重な高さと足元を持った伊東など。さらに山梨学院の優勝時のメンバーで3拍子揃ったレフティー大石もパワフルさが魅力で、器用だが高さがネックとなる村松との相性も良い。
・右SBは切り込み隊長だった藤谷の移籍は痛手
・しかし、経験や安定感では上回る夛田(→相模原)を補強。ただ夛田は左も可能なので、ネクスト藤谷の加速力を持った山脇(→同志社大)、頭脳派SBの坂本(→東海大)の台頭があれば面白い。
・左SBは永田が引退。長身SBの乾は田坂サッカーとの親和性もありそうだが、CBも兼用なので前田、夛田も可能性もあり。

・中盤は針谷(→磐田)、西村(→清水、のちに長野)がレンタル元に復帰。六平も満了に。
・加入はルーキー高吉(→桐蔭横浜大)のみだが、「間違いなくJ3でも通用する」と言っても過言ではないタレントを獲得した
・右SHはチーム得点王の佐藤(→群馬)、藤川(→磐田に復帰)が抜け、昨年は複数ポジションをカバーしていた中山が右の中心に?逆足SHでカットインやスルーパスで違いを出せる若谷(→山梨学院大)も違ったタイプでチャンスはある。
・左SHは激戦区。昨年14得点&山雅キラーの岡田(→宮崎)、八戸で後半戦にブレイクして4G4Aと結果を残した野瀬(→八戸)をW獲得。実績では岡田がリードするもののどちらもエース級。
・左右どちらも可能な池髙や平原も高校年代から注目されていたポテンシャルをそろそろ発揮したいところ

・前線はエース高澤の復帰(のちに町田へ)は痛手だが、後半戦は不在だったため、その間に出場機会を得た上形、平山でカバーできる
・そして昨年はFWでチーム最多出場の前川が1.5列目で違いを見せる形が基本線か。ただし、田坂監督になって変わる可能性も。
・ルーキーの高、岡野(→ともに日本文理大)は大学はもちろん、九州選抜でも2トップを組んでいて連携は抜群。プロの世界でも出し手の岡野、ストライカーの高でホットラインが開通すれば熱い。

■注目選手

注目選手の1人目は岡田(→宮崎)。
町田を満了になり、トライアウトまで経験したが宮崎に加入すると初先発の第4節鹿児島戦で初ゴール、第5節の松本戦で2ゴールと結果を残し、最終的には23試合出場(18先発)で14G3Aと大爆発。J2に個人昇格も見えたが同カテの北九州にまさかの移籍となった。毎年選手が抜かれる北九州だが今年も高澤・佐藤と得点源が個人昇格。その穴を埋めるのはもちろん、+αを生み出してくれる期待は高い。山雅視点で見ると北九州は金沢に次いで勝率が良い相手となるが、最大の山雅キラーの加入でどうなるか。

もう1人は高吉(→桐蔭横浜大)
川崎U-18時代は宮代・山田世代のCBとしてプレー。大学ではインカレ優勝&13人プロ入りの桐蔭横浜大学ではCBとしてもプレーしつつ、今年は中盤の要として活躍した。大学日本一のチームの中でも高吉と1つ下の山内(川崎内定)の川崎出身のボランチコンビはFPで最多出場とまさに鉄板。高吉にとっては幸か不幸か1つ下に山内、1つ上に橘田がいたことで古巣・川崎に帰還はならなかったが、低い位置からの組み立てや展開力を武器に1年目から猛威を振るうだろう。

■テゲバジャーロ宮崎

■オフの動向&予想布陣

・JFLから昇格し、J3初年度となった21年シーズンは最終節まで優勝争いがもつれこんだが、最終的には3位で終了。昇格した2チーム以上に注目を集めたシーズンとなった。
・しかし、前田、梅田が水戸に個人昇格。藤岡は岐阜、大畑は富山、井原は鹿児島など同カテのライバルに移籍するなど草刈り場に。さらに長年チームを支えた倉石HCも横浜FCのコーチに。
・さらに内藤監督も退任になり、昨年は新潟医療福祉大の髙崎氏が就任
・序盤こそ上位に位置して順調な滑り出しを見せるも、7連敗を含む10戦勝ち星なし。コロナや工藤壮人の訃報など困難にも見舞われた。
・しかし、残り8戦では負けなし(6勝2分け)と奮起。いわき、鹿児島、松本に勝利、藤枝にも引き分けと上位陣を上回る成績を見せた。

・結果・内容共に充実し、来季に向けて光が見えたところだったが髙崎監督は退任に。後任には神戸や福岡を歴任、直近ではG大阪を残留に導いて評価を高めた松田氏が就任した。

・「J3優勝、そしてJ2昇格というクラブの目標達成のために、自分のこれまでの経験を惜しみなく注ぎこみたい」「攻撃でも守備でも複数の選手が集団で競り奪って攻撃に繋げていく」と話している。

テレビ宮崎 NHK宮崎 より

・システムは代名詞の4-4-2が濃厚
・「ゾーンディフェンス」や「徹底したハードワーク」、「2枚のFWを生かした堅守速攻」なども特徴となるが宮崎のモダンなスタイルと融合なるか

・TMでは宮崎産業経営大(30分×3)に3-2で勝利、柏(45分×3)に1-3で敗戦、今治(45分×3)に3-2で勝利、福岡大(45分×3)に3-0で勝利、鹿児島(45分×3)に1-3で敗戦
・期待のルーキー南野(→G大阪)がいきなり3得点と好調
・GK石井が脳震盪で一時離脱(1/28)
・MF新城が右足関節捻挫で全治2週間(2/13)
・MF金川が右足関節捻挫全治2週間(2/26)

■スカッド雑感&展望

・GKは順天堂大から青木が加入して4人体制に。
昨年の守護神・植田と世代別経験も豊富な青木の争い

・CBは3年連続キャプテンでDFリーダーの代は固い
・その相方候補はJ2でルーキーイヤーから出番を得ていた眞鍋(→山口)、右SBも可能で攻撃的な西岡(→愛媛)、1年で出戻りとなった井原(→鹿児島)と層が厚くなった
右SBは変わらず青山が中心だが、CB次第では西岡の可能性も
・左SBは新保(山口に復帰のち盛岡にレンタル)が移籍。大熊の可能性もあるが、全体のバランスを考えると奥田や北村が基本線?

・中盤は大黒柱の千布(→鹿児島)の同カテ流出は痛い
・プロ入り後は燻っていたが昨年復活を果たした下澤が軸となって、江口・大熊らとともに穴を埋める形になってきそう

・前線の4枚はFW・SH兼任のプレイヤーも多く読みづらい
・右SHはリーグアシスト王の徳永が移籍も痛手。九州大学リーグで9得点を挙げてチームの優勝に貢献&リーグMVPにも選ばれた永田や山形で坂元2世と期待されていた松本の2人が有力
・左SHもまた絶対エースでチーム得点王・岡田が北九州
新加入のドリブラー石津豊富な運動量で前線を掻きまわす北村が左で争うことになる?

・FWは昨年終盤に一気に評価を高めた橋本が堅守速攻の起点役として使われそう。ライバルは長身の青戸(→讃岐)や高橋あたり。
・その衛星となる相方には力強いドリブルやスピードが魅力の山崎(→長崎)世代別の期待の星・南野(→G大阪)あたりが組むと予想。

■注目選手

注目選手の1人目は橋本
188cmの長身でボールを収める懐の深さがありながら、前線で攻守でハードワークできる走力も併せ持つストライカー。ゴリゴリなプレースタイルが魅力ながら、これまでの宮崎の緻密なサッカーではそれがたまにキズになっており、異質感も否めなかったが松田サッカーの中ではそのまま軸になれるほど適任。キャリアハイは6ゴールだが、今年こそ主力に定着し、2桁得点を狙いたい。

もう1人は南野(→ガンバ大阪)
G大阪ジュニアユース時代に高円宮杯U-15で優勝に貢献&得点王に。代表ではU-15日本代表時代から世代別代表のエース格として君臨するなど輝かしい経歴を持つ若武者。昨年はJ1で先発デビューも果たしており、後に就任した松田監督の指導を受けているのもアドバンテージになるだろう。今年がルーキーイヤーになるとはいえ、出場機会を得られないと序列が一気に変動するのでJ3でのプレーは悪くない選択と言える。昨年結果を残した1世代上の横山・千葉のように目に見える結果を残せるか。

■鹿児島ユナイテッド

■オフの動向&予想布陣

・21年シーズンは監督交代などもありクラブ最低の7位に。新監督に伊賀FCくノ一三重監督の大嶽氏を招聘し、上カテで実績のある中堅~ベテラン選手も複数加えて勝負をかける。
・すると少数精鋭で戦術の浸透もスムーズだったチームは前半リーグ首位に立つなど順調な滑り出し。特に攻撃面では開幕から13試合連続で得点するなど前線のカルテットを中心に高い攻撃力を誇った。
・しかし、後半戦になるにつれて少数精鋭、平均年齢の高さが仇にも。怪我や疲労もあって徐々にチーム全体のパフォーマンスが低下し、最終的には藤枝と勝ち点1差の3位であと一歩昇格には及ばなかった。

・ただ結果・内容共に充分にポジティブな変化は見せ、課題も明確だったこともあり、Jリーグ初采配だった大嶽監督は続投
・目標には改めて「J3優勝、J2復帰」を掲げる

昨年について、
・「30代が多いメンバー構成のため、体力やコンディションの持続が難しかったことが一因に挙げられた」
・そこから他チームで主力として活躍していた20代中盤の中堅選手を多く獲得。シーズン通して安定した戦いができるよう選手層を厚くした。登尾GMも「特長を持った選手が加入しサッカーの幅が広がる」と語る。
・昨季を踏まえて、今季のチームづくりについて「ベースは一緒だが、守備はより強固に、攻撃はよりゴール前で人数をかけて迫力を持たせたい。インテンシティー(強度)を高くし、持続させないといけない。全選手ができるようにしたい」と話している。

南日本新聞より

・システムは4-3-3で展開によって中盤の形を変える
・1月26日には元エースのFW藤本(→神戸)の加入も発表
・DF木出が右膝前十字靭帯損傷、外側半月板損傷で全治約8ヶ月の離脱中(11/20)
・FW米澤が右膝前十字靭帯損傷で全治約8ヶ月の離脱中(10/16)

・TMでは湘南(2本)に1-2で敗戦、ヴェロスクロノス都農に4-2で勝利、ミネベアミツミFCに4-4で引き分け、宮崎(45分×3)に3-1で勝利
・ペース走の前後には脈を測る新たな取り組みも実施するなどリーグ後半戦を戦うための走力強化を意識しているそうで、広瀬主将も「去年の2、3倍きつかった」と話す
・TMもあえて負荷がかかった状態で行っているのだとか

■スカッド雑感&展望

・GKは絶対的守護神だった白坂が横浜FMに復帰。存在が大きかったが故に唯一戦力ダウンしたポジションに。
・だが、大内(→横浜FC、昨年は長野)、松山(→盛岡)と実力者を、しかもライバルチームから補強できたのは大きい。競争という意味では激しさが増した。

・CBは岡本(→新潟)が期限付き移籍延長。広瀬も残留。
・さらに富山時代にもその実力を証明済みの戸根も主力級
・右SBはサイドの起点役・星とボランチが本職の渡邉の争いに
・左SBは地元紙で昨年のMVPに選ばれた薩川が固い。堀江(→法政大)も高い左足の技術を持つ有望株
・両SB・SHで昨年台頭した木出の不在がどう響くか

・中盤は木村・中原の鉄板コンビにJ3屈指の名ボランチ千布が加入
・木村と千布が近いタイプにはなるが3人で回す形に?
・昨年特指として出場した山口も大卒世代の注目ボランチ

・トップ下には昨年はロメロが入っていたが、完全移籍に移行した端戸(→東京V)も実力者。アクセントとして効いていた2年目の圓道もここに食い込めるか。

・昨年結果を残した3トップの争いも熾烈。
右では五領・河辺(→YS横浜)、左では米澤と鈴木(→いわき)と既存戦力と新加入を争わせる想定?
・しかし、左の米澤は長期離脱中。前線ならどこでもプレー可能な河辺が左に入ることも多くなるのでは。他の若手も左WGはチャンス?
・中央では昨年15得点のエース・有田のところに、鹿児島で2年連続得点王を獲得した経験もある藤本が17年以来の復帰。J3史上最高に豪華な争いになりそう。
・ユースから昇格の武もTMで3得点と結果を残す

■注目選手

注目選手の1人目は藤本
神戸を満了になっていた藤本だが6シーズンぶりに鹿児島に復帰。J3鹿児島時代は15得点、24得点と2シーズン連続で得点を量産。大分を経由し、神戸に移籍してからはそもそも出場機会があまり得られていないが、20年は28試合(14先発)6得点と「出たら点を取る」嗅覚は発揮している。ライバル有田も簡単に超えられる壁ではないが、まずは途中から出て仕留める役になるのではないか。また、優勝を狙っていく上で彼のようなポジティブなキャラクターは貴重。まさに昇格へのラストピースとしての働きができる選手。

もう1人は河辺(→YS横浜)
明治大学卒業後にはドイツ下部や地元大分県の社会人1部でのプレーを経て、YS横浜に加入。プロ契約が結べず、アマチュア契約で畑仕事をしながら生活をしてきたそう。昨年スタメンとして定着し始めたのも13節から。50m5秒台の快速に手を焼いたチームも多かったはず。結果を見ても5G2Aと得点数最下位(25)のチームでは上々の数字。実際、山雅も瞬間的にはロリスティネッリにやられた記憶が残っているが、試合を通して河辺には苦戦した。そんな経緯を経て見事優勝候補にステップアップ。苦労人という背景、鹿児島の前線では珍しい韋駄天っぷりがチームにどう変化を与えるか。

■FC琉球

■オフの動向&予想布陣

・J2参戦4シーズン目となった昨季。「即時奪回」「速攻」「サイド攻撃」を掲げて、チームカラーでもあった攻撃的なサッカーを継続するも41得点65失点と攻守のバランスが崩壊。
・最下位という結果を受けてシーズン途中には喜名監督が解任。
・ナチョ・フェルナンデス監督が就任してからは失点のリスクを減らし、ロングボールを中心にしたサッカーに転換するも降格圏を抜け出せるほどの好転はせず。
・最終順位は21位で初めてのJ3に降格となり、ナチョ監督も退任。
・後任には倉貫HCが内部昇格

倉貫監督
・「(昨年は)前半戦と後半戦のサッカーが大きく変わっていったのが間違いなくある」
・「(選手)それぞれの持っているものを出しながら、躍動感をピッチで体現し、プレーして、昨年以上の得点を奪えるようにしっかりと戦っていきたい
・「何が楽しくてサッカーを始めたかを聞かれたら、ほとんどの選手がボールを蹴る事や触る事が楽しくて始めたと答えると思います。僕自身もそうでした。それを考えた時に、自分たちがよりボールを触るサッカーをした方が、見てる人も楽しい魅力的なサッカーができる可能性は高いという考えです」

HUB沖縄より

・一方、失点数がリーグで3番目に多いといった課題を受けて、DFの9人中7人が新加入の選手と一新。1シーズンでのJ2昇格を目指す。

・システムは4-4-2が濃厚?
・MF津覇がユースからは4年ぶりとなる直接昇格
・FW金崎が完全移籍で加入(2/24)

・TMではFC東京、京都、水戸、群馬などと対戦するも結果は非公表
・MF藤原が右小趾基節骨骨折で全治3か月(1/17)
・MF平松が左第3趾基節骨骨折で全治3か月(1/20)

■スカッド雑感&展望

・GKは田口・カルバハルが共に残留
・昨季は前半戦は田口、後半戦はカルバハル。原点回帰するならば田口が優勢?

・CBは岡崎(→栃木)、李(→盛岡)、大森(→東京に復帰、のちに大宮へ)、中川(→磐田に復帰)とほぼ総替え状態
・新たなDFリーダーは名古屋、京都でもプレーをし、昨季もJ2で32試合出場(先発31)の牟田(→盛岡)に。
・相方には筑波大で1年から出場機会を掴み、アンカーとしてもプレーした森が有力。同じく大卒ルーキーの山内(→関西学院大)も対抗馬。
・右SBは怪我に苦しんだ田中(→鳥取)が移籍。
昨年レギュラーを掴んだ上原か、興国高の先輩後輩にあたる荒木(→中央大)、高安(→金沢)の争いになる可能性も
・左SBは福村は残留も沼田(→山口)が移籍
・本職不在のため、ユーティリティのルーキー津覇(→琉球U-18)、鍵山(→おこしやす京都)らが回るか。

ポゼッションの中心となるボランチは激戦区
・池田(→大分)が個人昇格したものの、バンディエラ富所、1年目からJ2で出場機会を掴んだ武沢が残留
奈良クラブで才能を開花させた森田元世代別代表で筑波大の10番・岩本もここに食い込む可能性は十分ある

・左SHは平松(→湘南、昨季は金沢)、藤原(→徳島)とそれぞれチャンスメイクとドリブルで違いを生み出す2人を獲得したが……共に負傷で長期離脱中
・昨季はCF起用の多かった清武やケルヴィンらがフル稼働を求められそうで早くもやりくりに苦労しそうな予感
・逆に右SHは、逆足を生かしたカットインを武器にして昨季ポジションを掴んだ中野右起用も増えた人見に加えて、スピードに乗ったドリブルを得意とする白井も加入。あらゆる選択肢が持てる。

・FWはエースの草野が横浜FCに復帰(のちに水戸へ)
・夏加入ながらインパクトを残したサダムスレイ、ケルヴィン怪我からの復帰が待たれる阿部電撃加入が発表された金崎と強烈なアタッカーが揃うが安定感や稼働率がネックに……。
・ひとまず新キャプテンに就任した野田はフル稼働したいところだが…

■注目選手

注目選手の1人目はサダムスレイ
夏に加入した191cm88kgの長身FW。昨年J3でフィジカル無双をしたルカオとほぼほぼ同じ体格を持ちながら跳躍力や空中戦はその上をいく。しかもルカオと違ってボックスストライカー型なのでよりゴール前で脅威になるだろう。ただしネックなのはナチョ監督時代のサダムスレイが生きるサッカーではなく、パスを主体とした組織的なサッカーを明確に方針立てていること。強力な武器でありながら毒にも薬にもなるような中毒性も秘めているので、起用法を含めて注目していきたい存在。

もう1人は森田(→徳島、昨季は奈良)
中、高、徳島の下部組織で育ち、そのままトップ昇格。1年目は出場機会を得られず、奈良クラブにレンタルされるとスペイン人のフリアン監督の元で2年鍛えられてチームの大黒柱にまで成長。ボールを失わないテクニックとキープ力、長短のパスが出せるゲームメイク力は一級品。琉球のサッカーにも合致するはず。対戦時には山雅にとって天敵となるようなプレイヤーなので要チェックしておきたい。


END

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