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桜祭りで大盛り上がり

著者: 六甲もこ

この季節、日本では桜が咲き誇り、ピンク色の霞がかかったようなはんなりとした光景が広がっているものと思われます。木の下でのお花見も良いですよね〜。羨ましいです。もう随分と日本の桜は見ていません。

ハワイの桜祭りとは?

でも、ここハワイでも毎年「桜祭り」が行われているんです。日系人青年商工会議所主催のこのお祭りは、今年で71回目。

日系人の若い女性たち15人が半年間、お茶やお花、書道や武道、太鼓や舞踊などの日本文化をみっちり学び、1月から3月まではショッピングモールなどの各所でのお披露目、スピーチ、質疑応答などを行い、3月末の「フェスティバルボール」にて、 その年の桜祭りの女王とプリンセスが選ばれます。

こう言うと何だかミスコンのようですが、美しさはもとより、賢さ、リーダーシップ、そして何よりも祖先の国である日本への見識と文化伝承への意欲が問われる、 日系人社会の「ロールモデル(お手本)」を選ぶコンテストなのです。

事務所を挙げての大応援

以前メディア業界(新聞・ウェブサイト)にいた頃は毎年取材に出かけたり受賞者にインタビューしたり、さらに同僚がクイーンやプリンセスに選ばれたこともあったので、かなり桜祭りには親しみがありましたが、転職後はしばらく遠ざかっていました。

しかし今年は、私が働く事務所の弁護士さんが出場することになり、オフィスを挙げて応援ムード一色に。上司がフェスティバルボールのテーブルを予約してくれたので、皆で応援に行きました。

好まれるタイプの違い?

頑張り屋でしっかりものの彼女は若手ながら有能で、美しく性格もよく、まさに日系人女性のロールモデルと言った感じ。

日本で一般的に好まれる女性像とハワイの日系人のそれは少し違うかもしれません。もちろん人により違いはありますし、あくまで私の個人的な見解ですのでご了承ください。

ハワイの日系人社会では知性とリーダーシップをすごく重視します。賢いだけじゃなく、ボランティア活動などを積極的に行い、ハキハキ話すタイプが王道。幼い感じやキュートな感じ、おしとやかさはそこまで人気ではありません。前髪を下ろすヘアスタイルも幼く見えると言うことで敬遠されがちです。あと、筋肉質なアスレチックな感じも人気のようです。声は大きく低めであたたかみのある話し方が好まれるようですよ。アニメ声は今一つ…かと思われます。良い年をしてフニャフニャ&モゴモゴ喋りの私は、学ぶところが多々ありました。

いよいよフェスティバルボールへ

フェスティバルボールには、応援メッセージが書かれたたくさんの立札と共に乗り込みました。最初は出場者たちによる太鼓演奏。一人一人紹介されると共にそれぞれの応援団達が物凄い声援を送ります。家族や勤め先一同で大声で猛烈に応援するのも、オハナ(家族)を重視するハワイならでは。

前半にはドレス審査と自己紹介。食事を挟んで後半は着物審査と質疑応答、そして審査結果発表と5時間以上にわたる長丁場。ずっと叫んでいたので結構疲れました。

質疑応答は特に難しく、出された質問にその場で答えなければなりません。例えば、「貴方が一番大切だと思う日系人としての価値観は?」とか、「今真っ先に解決すべき地域社会の課題は?」などなど。

私なら煌々とライトに照らされた舞台で怯みまくり、思わず変なことを口走りそうですが、皆さんキッチリ練習を積んでおられ、しっかりとした内容の受け答えで感心してしまいました。

ドキドキの結果発表

全ての演目が終わるといよいよ発表です。桜祭りの女王と準女王、プリンセス3人と、ミス・コンジニアリティ(一緒にいていちばん楽しかった人)とミス・ポピュラリティ(一番サポートを集めた人)が選ばれました。我らが弁護士先生はなんとプリンセスに!事務所一同大いに盛り上がりました。

皆さんとても綺麗で感じも良かったのですが、やはり質疑応答の良かった人々が選ばれてましたね。

受賞者の皆さんは、 これから一年、さまざまな日系イベントに参加し、米本土や日本への表敬訪問も行うそうです。娘世代の若い女性たちが輝くのを見て、ハワイの日系人社会の層の厚さと代々続く頑張る力を実感しました。



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