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「希望の教室」ジェーン・グドール💖希望とは?良著では言葉が足りない!今年読んでよかった10冊に絶対入る‼

希望は楽観ではない。

この本を読み始めて、はっきり理解できた。

目の前の原発をどうするかの方向性もまだ決められない政府。
生活費高騰であえぐ貧困家庭が日本にも存在し、破産寸前の医療システム。地球温暖化は進んで、世界で力を合わせる時なのに戦争している。

どうやって希望を持つことができるのか?

読むまでは懐疑的でした。基本的に楽観主義者になれない私は、簡単に希望を持つことはできないと思ったからです。

でも、希望は楽観とはまったく違った。

希望は、生きるために備わった能力だと言う。
そう言うジェーン・グドールにインタビュアーのダグラス・エイブラムスは、すんなり「希望がある」未来だという彼女の考えが受け入れられず、様々な切り口から何度も食ってかかっています。

でも最後には完敗し、ジェーンの放つパワフルな言葉の意味を理解していきます。この本は、ジェーンさんが執筆したのではなく、ダグラスさんがインタビューをまとめたものです。

チンパンジーの研究で有名なジェーンさんをご存じの方も多いのでは?

遺伝子が人間に非常に近いチンパンジーの社会性や個性を世界に知らせ、動物実験に利用することの残酷性を訴えた人です。自分のことをナチュラリスト:自然主義者だと言います。そう定義する彼女の生き方はとてもかっこいい!

彼女の始めた「ルーツ&シューツ」の活動は日本にも少しずつ広がっているようです。この活動は、草の根活動の中でも若い人の力を使っているとことに特徴があります。まだ学生の若い人が、世の中をよりよく変えるためにプロジェクトを立ち上げ実行していくというものです。

彼女がこの活動を始め、世界を少しずつ良い方向へ変える力があったのは、動物や自然から学んだ経験が源泉となったようです。

本の中で語られるチンパンジーとの数々のエピソードは、胸を打ちます。動物と暮らしたことがある人ならわかると思いますが、動物にも感情がありますよね。人間社会の悩み事は、チンパンジーの社会にもあるのです。

自然の中にいるのが一番好き、というのに休む間もなく精力的に世界中を飛び回って講演を続けています。パンデミックで一時的にオンライン中心になっていたようですが、彼女のパワーはその間も増したかのようです。チンパンジーにたくさんのものをもらったから、そのお返しに私に何かできることをしよう、という気持ちが活動を続ける源になっているそうです。

貧困問題にも取り組んでいます。
貧困があると、地球環境を考えることが不可能になるからだと言います。確かにその通り。今日食べるものがないのに、木を切って生じる将来の問題など考えられない。なるほどです。

日本にも貧困問題があり、貧困になるのではないかという恐怖もあり、そういう状況の人と地球の未来を語るのは難しい。正直、それどころじゃない!のでしょうから。

豊かな国になろうとがんばってきた日本は、どうして貧困にあえぐ若い人がたくさんいるような国になってしまったんでしょうか。
貧困が深刻になると、健康的な食事を整えて自分の身体をケアすることも、地球の健康を考えることも、後回しになってしまいます。

経済の立て直し、が大事だということを感じたので、個々で出来ることは限られていますが、出来ることを探していきたいです。

この本の最後にジェーンは、こう語っている。

どうか、困難に打ち勝ち、周囲の人を助け、励まし、自分のなすべきことをしてください。希望をいだき、それを信じて、進んでください。
感謝をこめて 

ジェーン・グドール

「希望の教室」海と月社

はい、その通りに残りの人生を歩んでみたいと思います。
命のある限り、その力があり使えますように!

ジェーンさん、ありがとうございます。
ダグラスさん、ありがとうございました。

悲観的は治らないが、希望を持って、粛々と出来ることをしていきます。

ベジ広間にも、切り口の違う読書感想文⁉を載せています。良かったら覗いてくださいませ。


読んでいただいてありがとうございます💖
地球上の生き物がすべて幸せに生きられますように💛

はつみ|管理栄養士|プラントベースの栄養と料理@ベジ広間の縁側


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