「土と土が出会うところ」 - あとがき
小さい頃から父が転勤を繰り返していたため、それに伴って住む場所がころころと変わってきた。それはそれで生活が定期的にリセットされる気 楽さみたいなのを感じていたかと思う。季節の風が吹けば仕事を抱えながらも旅に出かけてしまったり、人間関係において薄情であったりするというのはその名残なのかもしれないなぁ、と自己を弁護してみたりするのだけれど、それでも家というものを持つようになって、もしくは子どもができてようやく生活が土地に根付くことの面白さみたいなものを知るようになった。もともと土