羽鳥湊
毎日更新エッセイです。 羽鳥のどうでもいい日常や過去のことなどを書き散らしています。 教訓も謎解きも全くありません。 頭を使う要素は一切ありませんし、堅苦しい作法や事前知識も不要です。 どうぞ肩の力を抜いてベッドやソファーに寝転んでお気軽にお立ち寄り下さい。
ショートショートまとめです。 基本超短編。 すぐ読めます。 週三回 月、水、土曜日更新予定です。
羽鳥湊と申します。 小説投稿サイトエブリスタ、カクヨムで小説を投稿しています。 こちらではエッセイを書かせていただこうと思っております。 とはいえ全く立派なものではございません。 羽鳥のどうでもいい日常や過去のことなどを書き散らしていく予定です。 教訓も謎解きも全くありません。 頭を使う要素は一切ありませんし、堅苦しい作法や事前知識も不要です。 どうぞ肩の力を抜いてベッドやソファーに寝転んでお気軽にお立ち寄り下さい。 読んでいただける方の時間が少しでもいい感じに潰れたら幸いで
私、忘れ物女王だから、いつも「忘れ物ないかな」って一応考えるのね。 家出るときは割と忙しいから、家出て少し経って落ち着いたときに考えること多いのね。 大体それって、もう遅いのね。 早めに支度して、予定時刻まで待ってることが多いんだけど、その空いてる時間に、大体執筆とか始めちゃうのね。 だから、出るのは結構ぎりぎりなのよ。 慌てて家を出る。 そして、歩いたり自転車に乗ったり車に乗ったりして、少し進んで、ちょっと心拍数が落ち着いたころになって「忘れ物、ないよな」って考えるの
眼力向上光線発射装置を付けた目を見開き、彼の顔を見る。 彼は微笑んで、こちらを向いた。 敢えて目を逸らす。 初心女子主張頬紅で染まる頬は、彼にどんな印象を与えただろう。 私は恥ずかしそうな演技をしながら、目の前のカルーアミルクのグラスに手を添えた。 彼の視線が、自然と指先繊細絵画美意識演出に向く。 グラスを持ち上げ、傾ける。 魅惑的光沢放厚色気演出が輝く口元に、カルーアミルクの冷たさが触れる。 彼の視線を感じる。 それでも目は合わせない。 グラスを戻すとき、少し前か
先月からカーブスに入会し、週に二回のペースで通っていた私。 ところがゴールデンウイークがきたんですよねえ。 日曜祝日はカーブスお休みだし、祝日以外の日は私が仕事。 今週行けないなーと思っていたら、母が「ラジオ体操が良い」と勧めてきた。 なんでも母の通っている美容室の担当さんが、ラジオ体操で痩せたのだと言う。 母自身も早速NHKで放映されている朝のラジオ体操で汗を流し、「これは良い」と張り切って私に勧めてきた。 連絡が来たのは朝の五時半。 張り切りすぎ感は否めない。 興
『朝とコーヒーと日記帳』という日記帳を買った。 日記って大体一日の振り返りを夜に書くものだと思うけど、これは違う。 朝書くタイプの日記帳。 文庫本サイズで、上半分に昨日のふり返り、下半分に今日やることの枠が設けられている。 一晩経ってから、前日のことを書く。 そして今日、何をするかを考える。 ちょっと、良くない? 自分の身に起こった出来事を一晩経ってから書くことによって、気持ちと頭が少し整理された状態で向き合うことが出来るんだよね。 激情どーんとぶつけることがないから、
「はい。反省しています」 「はい。反省しています」 「僕の軽率な行動で、たくさんの方に御迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳なく思っております」 「はい。ええ。反省しています。今までの人生で一番怒られましたから」 「もう二度と?」 「いや、ちょっとそれはどうでしょう。人生いろいろありますからね。お約束は出来ません」
毎月大河ドラマ一作視聴チャレンジ、今月は『いだてん~東京オリムピック噺~』を観ました。 面白かったねー。 主人公リレー形式で、最初は選手視点、次は運営視点で、オリンピックを大局的に描いた感じ。 見事なのはこのお話、選手視点金栗四三さん、運営視点田畑政治さんの他に語りの古今亭志ん生さん、それぞれのお話がちゃんと交錯してるんだよね。 しかも時代も明治、大正、昭和で間に第二次世界大戦なんかも入って来る。 だけど見てて混乱しないんだよね。 視点切り替えの誘導が見事で、かつそれぞ
料理が得意じゃない上に好きじゃない。 作ろうと思えば作れるけれど、誰かに作ってもらった方が美味しい。 年々その想いが強くなっていく。 だって献立考えるの面倒臭い。 毎日毎日。 同じ人が考えてるんだから、そうそう新しいアイディアなんて浮かんでこない。 一汁三菜ってなんだ。 当たり前みたいな顔をして、こっちを見ないでくれ。 一種類どーんでいいじゃないか。 ちまっとしか食べられないものを細々作れるようなら、もっと立派な生活を送っているってんだちきしょうめ。 私の心境はおおむね
カメラを向ければ動物の気持ちが分かる。 そんなアプリを生み出そうとしている会社での会話。 「先輩。犬の感情パターン、これでいいですか」 「見せてみろ。……うーん。もう少しバリエーション増やした方が良いな」 「足りないですか?」 「うん。あと数パターン、飼い主大好き! みたいなのを増やせ」 「分かりました。そうすると猫のも増やした方がいいですか」 「おんなじ数で調整してるから、そうだな」 「猫は、何が足りないですか」 「罵倒だな」 「罵倒」 「うざい、うるさい、面倒臭
肉フェス、とか、パンフェス、とか、いちごフェスなんてのもあるよね。 こう、連休のイベントで、色んな店舗が一カ所で出店してくれるやつ。 各地の名店が並ぶ豪華なイベント。 あれってさあ、胃袋無限にしてくれないと困らない? 私去年、かき氷フェスみたいなとこ行ったんだけど、二個が限界よ。 大体。 そりゃ全部美味しいかもしれないけどさ、だからこそ食べたくて行くんだけどさ、入らなくない? 食べたいもの全部は。 だから結局諦めなきゃいけないじゃん。 目の前にチャンスが転がってても
中学生くらいになるとさ、字に癖が出てこない? 特に女子。 いつの間にか「可愛い字」というジャンルが生まれるよね。 それまで字って上手か下手かしかなかったのに、急に「お手本とは程遠いけど個性があって良い」みたいなジャンルを開拓する者。 いつからそうなったか全然分からないんだけど。 気付いたらもう完成してて、経過が全然分からない。 いつの間にか取り残されてて、ちょっと焦ったよね。当時。 別にそういうのに染まらない女子もいる。 常にお手本の如き美しい文字を書く人はそのままだし、
ついつい買っちゃうんですよねえ。 もう要らないのに。 充分足りてるのに。 それでもこう、気付いたら買ってて、気付いたら増えてるんですよねえ。 文房具。 そもそも私は昔からそうだった。 おにぎりの形の消しゴムとか、コーラの匂いのする練り消しとか、そういうのいっぱい持ってた。 もちろんそれで字を消したりはしないのね。 だって汚れちゃうから。 おにぎりなんて、白い部分削れて薄汚れてたら一気に価値が下がる。 私の中で。 消しゴムなのに、消しゴムとしての本業を果たせないことに美
新卒に向けた会社のPR動画を撮りたいという事で、カメラがやってきた。 私には新卒で入った先輩として、わが社を志望する新卒にメッセージを送って欲しいという業務命令が来た。 メッセージもへったくれもあるかよ、と思いながらも「わかりました」と仕事を受けた。 社会人も三年やると、無駄に反抗する体力も気力も失う。 「そうですねー。やりがいがありますね。やはり、数字を追いかけるのは楽しいです」 上手くいってるときはそりゃあ楽しいですよ。上手くいかないときの方が多いんですけどね。 「
ペットって飼い主に似るよねえ。 昔からそう思ってはいたんだよね。 だって、外で見かける犬の散歩の見知らぬ人たち、やっぱちょっと似てるもんね。 リードを持つ飼い主と、リードの先の飼い犬。 もちろん種族が違うから、まったく一緒なわけじゃないんだけど、トータルの雰囲気。 顔つきとか、そういう部分。 それを最近特に思うのは、友人宅の飼い猫。 友人宅の飼い猫は三兄妹。 黒猫兄、サビ猫姉、三毛猫妹。 全員もれなく甘えん坊で暴れん坊。 全力で甘えて全力で遊ぶ賑やかな日常を送ってい
引っ越してきて以来、ずっと使ってたタオルがある。 キッチンの流しの脇、吸盤型タオル掛けに常駐しているタオルと、洗面所の洗濯機ラックにフックでひっかけて常駐しているタオル。 洗い替えも含めて全部で四枚。 毎度私の濡れた手を拭いてくれている相棒。 といっても全然思い入れはなく、何かでもらったタオルを一回そこにかけたらそこが定位置になったくらいの馴れ初めしかない。 本当にその程度の認識で、ずっと六年そこにいたのよ。 うちのタオルたち。 でもね、とうとう端の方にあった刺繍のあ
人柄のいい女将さんの営む定食屋さん。 集客を増やそうと、店内の入り口に 『大盛りを時間内に食べ切ったら豪華景品プレゼント!』 という張り紙を貼った。 常連さんたちは「値段が安くなるのか」、「いやいやサービス券をくれるくらいじゃないか?」と予測し、ワクワクしながら女将さんに尋ねた。 「食べ切った時の豪華景品ってなんだい?」 常連さんたちはこの女将の味に惚れ込んでいたので、大盛りでも食べ切れるかもしれないと挑戦を検討していた。 女将から帰ってきた返事は「食べ切ったらあた