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中村慎太郎 西葛西出版のひと
2019年2月1日 18:13
その男は、しゃがみ込んでいた。打ちひしがれていたわけではない。絶望しているわけでもなかった。男は、人差し指を地面につけて、軽くなぞる。人差し指を口につけて、ペロリと舐める。小さく頷いて、少し微笑んだ。今日の塩もいいぞ。ただ、カタールはどう出てくるかな。男は立ち上がって、少し微笑んだまま空を見上げた。その笑顔からは、何も感情を読み取ることが出来なかった。まるで、能