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エモい、街?

旅行が大好き。知らない街の知らない人の生活をぼんやり電車から、バスから車から眺めるのが大好きだ。

どんな生活をしているんだろう?どんな仕事をしているんだろう?電車通勤なのかな?職場のストレスはどうかな?ご飯は毎日自炊かな?出前館とかないよね?スーパーはどんな感じかな?

などとあれこれ勝手に思いを馳せては、もしかしたらそこにいるかもしれなった自分の人生を擬似体験している。

その擬似体験を通じて、なんとなく自分に合うだろうなという街。自分にはそぐわない街がわかる気がする。

これまで沢山の土地で擬似体験をしてきたけど、1箇所だけどうにもこうにも夢の街?ほんとにあったのかな?と今でもゾクっとする街がある。

「遠野」

遠野物語の遠野。かっぱとかいろいろ童話の伝説が残っていたりする。多分伝説じゃない、と思わせるあの雰囲気。

2020年3月、三陸鉄道を目指して東北を北上していたとき、ほんの2瞬ぐらい遠野の街をバスから眺めた。

朝7時ごろの柔らかな光、ぼんやりとした霞、その中に現れたノスタルジックな駅舎、駅から続く道には煉瓦造りのこれまたレトロな街並み。

ただ、誰1人いない。

存在するのかもあやしい、静寂な街。

まあ、実際お昼頃は人がたくさんいるんだろう、たまたま霞がかっていて幻想的に見えたんだろう、東北、三陸をめぐるという旅のいろいろな思いが重なりそう見えたんだろう、、

ただ、5日間にわたる三陸旅のなかで強烈に目に焼き付いたのは三陸の海でもなく、美味しい海鮮料理でもなく「遠野」の街だった。

生活が落ち着いてまた旅行にいけるようになったらこの消えない違和感、エモさを確かめに遠野の街に降り立つつもりだ。


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