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ナチスドイツに迫害されたユダヤ人少女と家族の苦悩[映画 ヒトラーにとられたうさぎ 感想,批評,レビュー,あらすじ]

ネタバレ注意
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 ナチスドイツに迫害された裕福なユダヤ人の話である。裕福な家庭で育っていたアンナ・ケンパー(役 リーヴァ・クリマロフスキ)は亡命先での貧しい暮らしに不満を感じながらも、スイスやフランス・パリでの生活に慣れていく。裕福でいい暮らしをしていた幼い子供が生活の質を下げるというのはつらいものがあるだろう。その日食べるものに困るほどの困窮というのは身と心の負担になるに違いないだろう。
 裕福であり海外に逃げられるコネや、資金がなければおそらく収容所に送られていただろうがいつの世もカネやコネが大切だということである。
 アンナ・ケンパーの父であるアルトゥア・ケンパ役のオリヴァー・マスッチから感じられる大人の余裕は惹かれるものがある。「アナザーラウンド」に続いて不幸な役なので、私の中ではそのイメージついてしまった
 「返ってきたヒトラー」でアドルフ・ヒトラーを演じていた、オリヴァー・マスッチ本人はドイツ人(西ドイツ出身)とWikipediaにある。アドルフ・ヒトラーを演じユダヤ人を演じるというのはどういう心境なのだろうか
 映画全体の雰囲気としては暗い。アンナ・ケンパー役のリーヴァ・クリマロフスキが可愛らしく、ジュディス・カーの実体験が元になった「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」という絵本が映画の根底にあるので、虐殺や拷問、戦闘のシーンがない(ユダヤ人差別の描写はあるが)ので誰が見ても大丈夫ではないかと思う
 お客さんを面白がらせる仕組み(起承転結や事件を起こす等の物語を作る際の理論)を守っていない、終わり方がしっくりこない、前に述べた通り全体的に暗い、ナチスドイツの迫害を受けたユダヤ人家族と、その協力者の苦悩が主題になっているので、面白い映画とはまた違うものがある。しかし私はこういう作品を好んでいるので、好きな作品である



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