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江ノ島に手が届きそう【film/日記】

はじまり

2022年9月下旬。

毎月刊行を楽しみにしている、東京メトロ駅構内で無料配布されているライフスタイルマガジン『メトロミニッツ』に、「#チバーケーション」と題したバスツアーの参加募集のページを見つけた。

千葉の海をたのしむ日帰りバス旅行。OZmall主催ならきっとおしゃれに違いない。
根拠のない謎の自信で、応募さえすれば当然当選するものと思い込み親友に予定を確認しすぐに申込み完了。どきどきしながら当然連絡を待っていた。

その後、雑誌に記載されていた当選発表の期日を過ぎても連絡が来ず、問い合わせたのちに届いたのは落選のお知らせだった。

予定が白紙になってしまった私たち。
とはいえ、久々にお互い丸一日予定を空けているのだから、どこか素敵なところに行こうという気持ちは共通していた。(それだけで嬉しかった。)
そしてお互い案を出し合って決めたのが「葉山女子旅きっぷ」での葉山散策だ。


出発

11月26日土曜日。曇り時々雨予報。

この日、私はデジカメを置いていく決意をした。(玄関先を何度も行き来した)
フィルムカメラとスマホのフィルム風アプリだけで写真を撮ろうと決めた。
親友にはフィルムカメラのやわらかい雰囲気がよく似合うし、ここぞという時以外はシャッターを切らずに話がしたかったのが主な理由だ。
おまけに、「なんだかんだ雨、降らないんじゃないか」というまたしても謎の自信がほんの僅かながら心の中にあった。私はどちらかと言えば晴れ女である。

結論からいうと、予報に反してほとんど雨は降らず、自信と裏腹に(念のため…)と片手に持っていた長傘は無用の長物となったのだった。

そんなこんなで、フィルムカメラとフィルム風アプリで記録した私たちの"女子旅"をここに記録していく。

使用したカメラ
・Canon Eos kiss 5 (50mm単焦点レンズ)
・Olympus pen ee-3
・スマートフォン(アプリはdazzカメラ)

ハーフカメラにフィルムを装填
Eos kiss5 には海外から取り寄せてみた
cinestill 400Dを入れた。
光が赤い。
発光〜


品川駅で待ち合わせて"きっぷ"を購入し、京急に乗る。

dazzカメラのハーフカメラモードで撮影


「葉山女子旅きっぷ」の仕組みはこうだ。

「葉山女子旅きっぷ」は電車&バスの乗車券+選べるごはん券+選べるごほうび券がセットになった、とってもおトクなきっぷです!
●女性限定のきっぷではありません。どなたでもお買い求めいただけます。

京急電鉄 公式HPより引用

リーフレット内の地図に記された記号と記号を、自分の好みに合わせて繋げていく。

乗り放題のバスを駆使したルートにするか、徒歩圏内でサクッと楽しむか、「選べるごほうび券」(レジャーを体験したり、お土産がもらえたりする)と「選べるごはん券」の兼ね合いをどうするか、など...自由度が高く、プランニング力が試される。

おでかけに向いていない天気だからか、休日にもかかわらず空いている車内でリーフレットを広げ、カフェの名前をInstagramで調べながら今日のルートを考えてみるものの、魅力的なスポットが多すぎてなかなか決められない。

「決められないね」と言いながら電車はどんどん進む。なんなら横須賀きっぷもよかったよね、なんて言いながら進む。

とりあえず、一軒目のカフェだけ決めて、そのあとのことはそこでを決めることにした。

駅に着いた レトロフューチャーな駅
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市役所と友
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カフェくじらぐも

まず向かったのは「カフェ くじらぐも」。

カフェへの道中、分厚かった雲が薄くなっているのを見て、気になっていた予約必須のクルーズ客船の予約ダイヤルへ一か八かで連絡をしてみる。
予約はまだ空いていて、むしろ天候のせいか催行人数にまだ満たないようだった。

人数と天気次第で、運航できるかもしれないし運休になるかもしれない、という曖昧な感じ。

煮え切らないままカフェに到着。

Eos kiss5
Eos kiss5
手作りのベーグルがとっても美味しかった。
Eos kiss5


カフェに入っても具体的なルートは決まらず、その後のことは"船次第"ということになった。
でも、その曖昧さがまるで双六か人生ゲームみたいで、だんだん面白くなってきている私たちがいた。
この成り行き任せの行く先を、笑顔で迎えてやろうじゃないかという気概が二人の中にあったから。


温かい紅茶を飲みながら、
会えていなかった間の空白を埋める。
会うのは夏ぶりで、積もる話を指折り数えながら、一つ一つの話をゆっくりした。

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それと、誕生日プレゼントをもらった。
偶然にも着ていたニットと色がリンクしていてどきっとした。私のお気に入りが完全にばれている(喜)

メッセージカードはドイツ製
iPhone

葉山マリーナ

カフェを出て、バスに乗って葉山マリーナへ。
クルーズ船の発着所があるので、下見をかねて散策する。

EOS Kiss 5
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ここだ!となった好きな構図で一枚。
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まるで外国にいるみたい。
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海無し県出身としては、同じ関東県内にこんなにもマリンマリンしている場所があったのかと素直に驚く。

顔出しは「やる派」
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ハーフのコマ送りがずれてしまったけどそれも良し
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葉山マリーナを一通り散策するも、出航可否の時間までもう少しあるので、近場へお昼を食べに行く。

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途中、神社に寄り道。
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「あ!ゴリラ!!」旅のテンションは最高潮に。
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目的地と目的地のあいだの時間を楽しむのが好きだと改めて思った。

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葉山港湾食堂

この日、「選べるごはん券 」は「葉山港湾食堂」さんで使用した。

ごはん券で食べられるメニューは決まっていて、ここはしらす丼にアジフライに餃子、それにお椀付きと夢が詰まった定食。ドリンクはノンアルコールビールにした。
夏には満席になるであろう食堂は、ひっそり営まれていた。

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EOS Kiss 5


お昼をのんびり食べていたら着信あり。
船の決行と、発着前の集合時間のお知らせだった。なんと、あと15分後には戻らねばならないことに。
ペースを上げて定食を掻き込む。

葉山マリーナでクルーズ船

急ぎ葉山マリーナへ戻り、集合場所へギリギリ滑り込んだ。
スタッフさんの説明を聞き、乗船場所へ移動。
関係者とヨットクラブの人しか入れない道を歩くわくわく感。
空港でも、滑走路に降り立つタイプの搭乗にはわくわくするタイプである。

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EOS kiss5
EOSKiss5
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iPhone

いよいよ船に乗船。
私たちのほかに、同じく女子旅きっぷで申し込んだであろうグループが3〜4組来ており、計12名くらいいたと思う。

若い女性二人組、学生時代の部活の同級生かな?というような距離感の女性三人組、叔父様一人と淑女様三人のグループ。
私たちのように、一か八か、天気に身を任せたスケジュールで集まった仲間たちかと思うと勝手に親近感が湧いてくる。


クルーズの航路は葉山マリーナ〜裕次郎灯台〜名島ー江ノ島の裏側まで行ってUターンする。


乗船員さんのお話を聞きながら、
ぐんぐんスピードの上がる船につられて心拍数も上がっていく。

あ。少しスピードが落ちたと思ったら、海上に鳥居が現れた。森戸神社の鳥居だ。
事前に何も調べず、いい意味で期待もせずに乗っているので、素直な驚きだらけで面白い。

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EOS kiss5


江ノ島が見えてきた。
といっても、岩肌の目立つ裏側の江ノ島だ。

親友とは大学の卒業時に一度、そのあとにもう一度訪れたことがある。
江ノ島の裏側を見れたことで、360°江ノ島を知った気持ちに少しなった。

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船上でフィルムが一本切れる。
と同時に、私のスマホの充電も切れた。

幕間

次の目的地は、少し歩いた山間にあるカフェ。
お昼も食べたばかりだし、距離があるので、海沿いをお散歩しながら向かうことにした。

散歩のお供に、カフェラテを買う。

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曇天の海には、時間が存在しないようだった。
私たちが進んだ分だけ時が進んで、立ち止まるたびに一時停止する。そんな感覚だった。

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カフェテーロ葉山

歩いて歩いて辿り着いたカフェは
山手エリアにある
Cafetero HAYAMA (カフェテーロ ハヤマ)

女子旅きっぷの案内にあった魅力的なカフェの中で、コスタリカ産のスペシャリティコーヒーを謳うこちらのお店が気になった。


バスルートの分岐点であるところから、
ゆるく続く坂道(山道)を歩く。
見慣れたスーパーや、コンビニ、銀行。そこに住む人たちに開かれた葉山の一面を見るのも面白い。

今まで辿ってきた海沿いルートとはだいぶ周りの景色が違い、住宅が並ぶなかに、「ここが入り口?」と不安になるような草花に囲まれた小道を進むと、平屋の古民家に素敵な暖簾がかかっていた。

暖簾をくぐると、広い土間。ロゴの入ったオリジナルのスペシャリティコーヒーが並んでいた。

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広い古民家の中に、アンティークと思しき家具やランプが並ぶ。そこに深く腰掛けて、注文した品を待つ。

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お庭にはコーヒーチェリーが実っていた。
縁側にも苗木がたくさん。

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私はコーヒーではなく、
コーヒーチェリーソーダを飲んだ。

その名の通りチェリーのような甘酸っぱくて、さわやかな味わいだった。甘みとソーダの泡が疲れた身体にとても沁みた。

古民家カフェ特集の雑誌を読んだり、いままでの一緒に過ごしてきた旅の話をしたり、とっぷり日が暮れるまでゆったりと過ごした。

紅茶のシフォンケーキとともに
iPhone
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お土産と

来た道を歩いて戻り、途中からはバスに乗り、最後はまた葉山マリーナへ戻ってきた。
使わずに大事にとっておいた「ごほうび券」を使ってマーロウのビーカープリンをお土産に購入。

気の早いサンタさんに別れを告げ、葉山駅へ。

夜のマリーナは煌びやかだけどどこか静か
iPhone
11月のクリスマス
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心の向くまま、雲の流れるままに過ごした葉山女子旅きっぷでの一日。

おなかも心も満たされて、疲れもしたけどさわやかな気持ちだ。
片道2時間弱の距離に、こんなにリフレッシュできる場所があったんだな。

そこの土地の自然、人、歴史を大切にし、訪れる人たちを暖かく迎えてくれるそのやさしい心に触れられるのが旅行のいいところだと思っているのだけど、
葉山でも、行く先々でそんな気持ちをたくさん受け取ることができた気がして、とても嬉しかった。


今まできっぷを使って来た人も皆、きっとすばらしい時間を過ごしているんだろう。
そんな、誰かのことを想いたくなるような、素晴らしい旅のチケットでした。

おしまい。

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