見出し画像

[会計士試験]難関を突破する人の、大一番試験に対する考え方

すやきです。

Twitterもやめたことだし、好き勝手に、もっと自由に本音で書くことにしました。


今更ながら、試験延期、少しショックを受けました。

他人事ではありません。


一緒に働きたいと本気で想う予備校の友達がいたこと、ほかにも、理由を上げるときりがありません。

また、自分が辿った道である以上、自分が無駄に苦しんだ経験を、僕以外の第三者の受験生に経験して欲しくないとも思いました。

だからこうしてまた記事を書くことにしました。


大学受験、会計士試験含め、今まで出会ってきた人たちや、自分自身の、試験に対する精神力の保ち方とか試験に対する見方、心構えについて、2019年公認会計士試験論文式試験をもとに考察します。




失敗への恐怖が、綿密なシミュレーションに


短答式試験であったり、論文式試験であったり、直前の模擬試験や答練の判定が合格ラインを超えてくるあたりから、リスク回避の心理によって人は慎重度合いを高めるものだ。


確実性が高まるときに過度な心配をしだしたら、それは合格のサインかもしれない。


僕は、4月に実施された大手予備校の模擬試験の判定がB判定だったためか、「これは、なんとなくだけど受かるかも・・」と思い、「もし落ちたらどうしよう」と過度な心配をしたのを覚えている。


模擬試験の成績が良くても本番でこけたら本末転倒。過度な心配で悩むくらいなら、いっそのこと、あらゆる最悪を想定した本番をシミュレーションしてみよう。


僕は、当時の得意科目が会計学、租税法、経営学だったので、会計学で大ゴケをして、偏差値が49になる想定をした。もうこれ以上の最悪なシミュレーションはない・・


監査論とか絶対56とか超えないし、企業法もそんなに跳ねることはない。


本試験最悪のシミュレーションをすると、あることに気づくものだ。



最高点を狙うより、最低点を引き上げる勉強法を


僕は最悪のシミュレーションをしたおかげで、”より安全な勉強法”を確立することができた。


それは、

①得意科目の一撃必殺に頼らないこと
②偏差52を切る苦手科目をなくすこと


このふたつ。要するに、大火傷をしてしまう苦手科目の最低点を引き上げることで、科目単位でビハインドを取らない勉強をすることだ。もっと平たく言えば、全科目偏差52を最低ラインにすること。


よって、

普段の答練でC判定を切った時は、自分の中でアラートが鳴ることになる。それくらい厳しめにした方が、本番の安心材料になるから精神衛生上いいと思う。


このやりかたをやってみると、当然ながら得意科目の勉強は疎かになる。


でも、その得意科目で、本番、全然知らない分野が出題されまくって爆死するよりいい。



”鋭く尖る”より、”丸く尖る”イメージ。分散投資!



”理解から学習は始まる”という原点に回帰しよう

そして、本試験が近づいてくるに従って、未学習の分野や理解の浅い分野の網羅性が気になって、僕たちは焦りだす。


そうなると、予備校講師は決まってツイッターで、「最後は暗記です、暗記で回転しましょう」とアナウンスする。



みんなその教祖のツイートを信じるや否や、これまでの、浅い理解の論点に無理やり蓋をするようにして、即席の知識を次々と形成する。


無論、理解しないままあらゆる論点を暗記でかためることの例えだけど、これによってどうしても思考力が低下する。


これまでは、「どうしてこんな会計処理するんだろう?」という疑問、好奇心から入って、講義で答え合わせをすることができ、その後知識として定着するという、本来あるべき流れがあった。


しかし、直前期になると、理解を端折るせいで、一見、効率的で素早い学習が進んでいるように感じる。


そんな知識は正直に言って、本番のあの緊張の中では、無駄な脳のメモリでしかならない、使えない、ただの言葉の集合体だ。


理解を端折って暗記していい論点は、C論点と言われる、理解するに難解な論点や、出題可能性の低い論点に限られるだろう。


もっというと、理解を端折ると、中身自体が何言ってるかわからないので、ストレスをためる原因になる。


できるだけ、本当にできるだけ、試験一週間前までは、理解のあとに知識の定着がある、という当たり前のことを意識してほしい。



正夢になった最悪のシミュレーション

先ほどの話に戻る。

僕は2019年の本試験で、会計学で爆死するという最悪の自体を正夢にした。


もう言い訳って言われて構わないから話すことにしてるけど、39度の発熱で、意識が朦朧としていた。ペンすらまともに握れなかった。


結果、偏差は47か48だった気がする。


最悪の事態に備えて僕がシミュレートしてきたことと言ったら、苦手科目をなくすことだった。


苦手科目が偏差52のラインを超えるなら、上方へ爆抜けする可能性を秘める。


窮地に立たされた僕は、それを企業法で実現した。


偏差52を狙うために、論理の流れを理解し、主要な判例の暗記のみしていた僕は、解答が三つに割れそうな第一問目で、正確なアプローチをすることができた。

続く2問目も、どのテキストにも載っていない、司法試験用のテキストの細かいところにしか載っていない判例だったが、”こうならないとおかしい”という論理の流れを意識し、偏差62.6で撃ち抜いた。


僕の場合は、過度の緊張による寝不足が悲劇を引き起こしたが、本当に本番は何が起こるかわからない。


租税法の理論で知らない文言が並び、気づけば理論に60分を要してしまうかもしれない。

得点源だと思ってた連結会計でのれんの金額から間違え、奈落の底に落ちるかもしれない。

全暗記していたつもりの経営学の理論が、パニックで頭から全て消えるかもしれない。




最悪のシミュレーションというのは、起こりうる成績のボトムラインだ。ボトムラインを精密に理解分析していれば、本試験で冷静に対応することができる。


まさに僕が最たる例だった。


それでも合格して見せるのが、当然ながら、「合格者」なのである。



2021年2月、人生最高の瞬間を目の当たりにできる


僕がこうして飽きずにnoteを書き続けるのは、生きてきた24年間のうちのほんの数年と、合格日のたった一瞬に対する思い入れが人一倍強いからだ。


正直なことを言えば、合格後のキャリアの方がそれまでの数年間よりはるかに大切だ。


しかし僕がまさにそうだったように、合格後のことなんて分からない試験前というのは、合格すること、いい順位や成績をとることに、どうしても崇高な価値を見出す。それが全てだと思う。


今振り返れば、順位や判定なんてちっぽけなものだと思う。


けれど僕の場合は、行きたい国立大学には行けず、自分が心から体感できる成功体験を経験したことがなかった。たぶん、武装できそうな自信が欲しかったんだと思う。


大学一年から会計界隈に飛び込み、友達と彼女と大学生活と、いろんなものを失った。しかしその果てに、これまでの対価を一瞬にして取り返せるかもしれないと思うと、どれだけ成績が落ち込んだ時でも、心が踊った。



合格したことを知った2019年11月15日のことは、今後一生忘れることはないと思う。

生まれて初めて自分を肯定することができたし、大学受験で散々裏切ってきた母親が喜んでるのを見届けて、自然と泣けた。


それくらい、この試験を目指すことは価値があると本気で思っている。



あなた方がどのような動機でこの資格を目指しているかは分からない。


僕と同じように、長くは監査法人にはいないだろうと考えるかもしれないし、あるいは勤め上げるかもしれない。もしくは独立するかもしれない。起業するかもしれない。


なんにせよ、それが可能になる、可能にするエンジンは、合格日の達成感と自己肯定感ではないだろうか。



僕は今、新卒一年目。


途方もなく広い選択肢に恵まれ、東京という世界第3位の街で、人や情報を巻き込み、事業を展開する可能性が広がっている。


苦労せずに事業会社に就職していたら、決して見えなかった景色だ。


この景色を、今に苦しむ受験生にどうしても体感して欲しい。


これからも、このnoteを通じて、僕たちの選択が間違っていないことを発信し続けたいと思う。




わざわざ有料にした(買ってくれる人いないかな。。)この記事をここまで読んでいただいたこと、嬉しく思います。


少し休んでいましたが、これからも更新します。何かリクエストあれば、コメントいただけると幸いです。


今後ともよろしくお願いいたしますっ^^

♪The Winking Owl 「Open Up My Heart」

いつも読んでいただきありがとうございます!