"リズム感"について②

 「リズム感」という言葉を聞いて我々が思い浮かべるのは、「一定のテンポを維持できる力」「指定されたタイミングで何か動作を行うことのできる力」というようなものではないだろうか。

 例えばであるが「一定の間隔で手を叩く」ということができない人は少ないのではないかと思う。なにもヒントやガイドが無い状態でならば若干ながら難易度は高いのかもしれないが、例えば一定の間隔で点滅する光に合わせて手を叩く、というような動作は、ある程度の鍛錬を積むことでなし得るものである。
 そしてそれを発展させ、少々複雑なリズムで手を叩くように課題を設定する。パン、パン、ウン、パン。パン、パン、パパウン。ウン、パパ、ウン、パン。どれもこれも、幼稚園でさえ「おあそび」として取り入れられていても不思議ではないようなものである。

 ところがそれが、ことダンスや、楽器の演奏となると、難易度が跳ね上がる、ように感じるのである。複雑なことをするわけではないのに、急に難しくなる"ように感じる"のである。そこにある隔たりは何なのか。なにか道具を使う必要がある、というなら、楽器はまだしも、ダンスはそれには当てはまらない。ダンスは自分の身体を用いた表現手法だからである。

 ここにある隔たりを解決するのは、「身体の拡張」という考え方である。

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