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育休中に読んだ150冊について

育休中何してた?と聞かれたとして、育児を除いたら私は本を読んでたと答えると思います。

スキマ時間が多い育休と読書の相性は良いです。
新生児期、24時間は3時間おきの授乳で8等分にされ、それを昼夜ぐるぐる繰り返す。哺乳瓶を洗って時計を見たら次の授乳まで45分。寝るには短い、この時間。
生後半年以降、手はかかるけど午前・午後の睡眠サイクルが整い始めて、その間に家事を済ませて子が起き出すまでの何分ともわからない、この時間。
家族で外出するときの電車移動、夫が離乳食をあげている間、家族が寝静まった深夜。
映画を観るには短い。ドラマは続きものを観る気力がない。こんなときに、Kindleをパッと立ち上げる1秒。紙の本もいいけど、育児中はとにかくKindleがその真価を発揮しました。

記録魔の私は読書記録をブクログ(https://booklog.jp/users/booksireadlately)でつけていて、厚かましくも★1-5で感想を残しています。自分なりの判断軸があって、★5つは「誰かに勧めたい、手元に置いておきたい、読み返したい大事な本」だと思った時につけています。

この先はこの育休期間に読んだ150冊の中で、★5と自分が感じて、特にオススメしたい本を載せています。ネタバレなし、オススメ理由だけ添えます。

晴々とした気持ちにcheer upしてくれる本

『流れる星をつかまえに』 吉川トリコ

誰もとりこぼすまいとミラーボールで物語を照らす 吉川トリコが、私にとってのプロムクィーンだ
上記は柚木麻子さんの推薦文。プレイリストの音楽が聴きたくなる本。

『ハジケテマザレ』  金原ひとみ 

バイト小説と呼ばれる本作。人とのごちゃごちゃした繋がりが無性に恋しくなる。あとカレーが食べたくなる。

『奥様はクレイジーフルーツ』 柚木麻子

セックスレスをテーマに、こんなポップな小説初めて読んだ。

『とりあえずお湯沸かせ』 柚木麻子

コロナ禍中での子育てエッセイ集。当時、ちょっとしんどいことが続いて子連れの弱者感にしょんぼりとしていた私はこの本にすごく心を励まされた。

『アンと愛情』 坂木司

シリーズ第三弾。お仕事を懸命に頑張る人は本当に見ていて(読んでいて)気持ちがいい。当然、和菓子が食べたくなる。

心をぎゅっと掴まれる、ひりひりする、揺さぶられる本

『82年生まれ、キム・ジヨン 』  チョ・ナムジュ 

話題になっていたのは知っていたけれど出遅れたかな、と読んだ本。そんなことない。もし気になるならば、ぜひ手に取ってほしい。

『宙ごはん』  町田そのこ

町田さんの本は出てくる人が本当に魅力的。人間らしくて厚みがあって一癖あって、だからいつもラストが近づいてくると胸がぎゅーっとなる。

睡眠時間を削ってでも今夜読み切りたかった本

『ジョーカー・ゲーム』  柳広司

シリーズ4作のスパイ小説。漫画読んでる?くらいの速度でどんどんページが捲れる。読んでいる期間は毎晩夜更かししてた。

『硝子の塔の殺人』 知念実希人

ミステリー小説、楽しい!そうそう好きだった!こんなのが読みたかった!とテンション上がりながら最後まで一気読み。

片手で歴史を勉強し直しながら読んだ本

『同志少女よ、敵を撃て』  逢坂冬馬

『海神の子』 川越宗一

上記2冊は重厚、何度も途中で歴史背景を調べたので、読むのに時間がかかった。でも本当に読んでよかった。川越さんは『熱源』も心底おすすめ。

ぞわりとする(でも嫌じゃない)本

『ぎょらん』 町田そのこ

町田さんのファンになったきっかけの本。終盤は泣けて仕方なかった。

『アナベル・リイ』 小池真理子

小池さんのホラーが大好き。じんわりひたひたくる感じ。ちなみに一番怖かったのは『墓地を見おろす家』眠れなくなるよ!

Motherhoodについて考える本

『生まれてバンザイ』 俵万智 

友だちに勧められて。音読してみてください。私はどうにもこうにも泣けてしまって3首が限界。

『母親になって後悔してる』 オルナ・ドーナト

話題だったから気になってて、ああこんな人もいるんだと読んだだけなんだけどね… と聞かれてもいないのに言い訳せずにはいられないこのタイトル。それくらいのタブー。理解も共感も求めなくていいと思う、そういう人もいる、ということを知るだけで。批判も「私はこうだけどね」も要らない。静かに自分の気持ちと向き合うことだけでいい。凄まじいバックラッシュがあったであろう中、この本を世に出してくれてありがとう、という気持ち。

『マザーズ』 金原ひとみ

育休期間に読んだ本の中で一番衝撃的だった本。出産後、自分も抱える支離滅裂な心情や不安、グロテスクな想像、妄想…それらが恐ろしい解像度で言語化されていることに慄いてしまった。誰にでもおすすめできる本ではないかもしれない、でも誰かにおすすめしたい、分かち合いたい。こんなに心を抉られた小説は初めて。

以上!
読書のスキマ時間だけは、これから忙しくなっても確保していきたいです。




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