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組織なし・予算なし・知識なし!ヒラ社員の「巻き込み型」働き方改革 その1

おはようございます!健康で幸せにはたらく人を増やしたい、現役サラリーマン【はたらくオクノ】です。

本日より、2016年から現在に至るまでチャレンジしてきた、企業に働く従業員の「働いて幸せ」に向けた取り組みを、連載でご紹介していこうと思います。

組織もない、予算もない、知識もない、ヒラ社員の私が、どうやって約1,500人規模の企業の働き方を変革してきたのか。そして周りの方に、どのように助けていただいたのか、上手く書けるかわからないのですが、書かせていただこうと思います。

(1)経営からの方向性の提示

2016年4月、当時の専務が、中期経営計画の三本柱の一つに「健康経営」を入れると発表しました。健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。健康経営の実践に向け、人事・総務・システム・コミュニケーション(発信)に対する投資を統合することを、全社員に対し示しました。

2016年当時、私は企業に新卒入社して5年目のヒラ社員。営業に配属され4年ほど某コンビニのパン工場向け生産管理システムの導入・構築・保守に携わったのち、新規事業企画部署に異動したばかりでした。

新規事業企画では、少子高齢化という社会課題を討ち取るソリューションを開発し、新しい主力商品をつくるというミッションをいただいていました。企業としても初めての挑戦。営業さんと一緒にお客様の課題をヒアリングに行ったり、新規事業企画とは何か学ぶセミナーに通ったり、同じく新規事業企画をミッションとする他社担当者の方とディスカッションをしたりと、忙しく働いていました。

健康経営について初めて耳にした時、「なんて素敵な取り組みなんだろう!確かに、心身ともに健康で働き続けるためには、働く環境が変わらないと難しいよなあ」と感じました。実際、営業担当の頃は、帰りは毎日深夜0時過ぎ、月当たり残業時間60時間超は当たり前で、先輩方・管理職は休日出勤も日常茶飯事でした。

だからこそ、心身ともに健康で働く環境づくりに向け、会社はこれから、どんな取り組みをしていくんだろう、と期待していました。ところが、1ヶ月経っても、2ヶ月経っても、新しい取り組みはなかなか始まりませんでした。

(2)誰からも依頼されてない企画書をまとめる

心身ともに健康で働きたい。現場担当者として、切実にそう思っていましたし、後輩に同じ働き方をさせたくないと思っていました。経営は、素敵なことをおっしゃっていたのに、具体的アクションがないのは何でだろう。

逆に、具体的アクションがないと言うことは、「どうアクションしていいかわからない」と経営も思っているかもしれない。ちょうど、新規事業企画として働く中で、一緒に取り組む現場メンバーから「忙しくて対応できない」「既存の業務でいっぱいいっぱいで、新しいことを考える余裕がない」と言われていた時期でした。

どんなに新しいことを考えよう、チャレンジしようと会社がミッションを出しても、現場で働く一人一人に時間どころか余裕もなければ物事は進んでいかないんだ。だったら、まず余裕をつくる取り組みとは何か、考えるところから始めよう!

新規事業企画担当者の強みで、企画書を書くことはOKだったんですね。企画の基本は、課題解決です。そこで私は、仮説として下記の通り課題設定しました。

【事実①】4月に示された健康経営は、「人事・総務・システム・コミュニケーション(発信)に対する投資を統合する取り組み」としてまとめられていた。

【事実②】しかし、2ヶ月経過し、会社から具体的に「健康経営に資する取り組み・アクション」は見えてこない。また、各取り組みと「心身ともに健康」との繋がりも見えない。

↓ ↓ ↓ そこで、考えました ↓ ↓ ↓ 

【仮説】4月の発表の段階では、人事・総務など、それぞれの機能が縦割りで、連携した取り組みはできてないけれど、「経営としては連携させていきたい」と言う方向性を示していただけかもしれない

【課題・解決策】縦割りに横串をさす組織がない、あるいは、既存の組織がいきなり横をつなぐ動きを取りづらいなら、「現場改善案」を現場目線でまとめて経営層に提案してはどうか

図1

(3)予想的中!ワイガヤを役員提案

上記仮説と企画書を携えて、当時の専務に直談判に行ったところ、「そうなんだよ、聞いてくれる?」と、いろんなことを教えてくださいました。当時の専務が平社員の話を同じ目線で聞いてくださるって、それだけで本当にありがたいことですよね笑

当時、私は人事でも総務でも、ましてコーポレートスタッフという裏方を支える部門担当者ではなかったので、いわゆる働き方改革や健康経営の知識はゼロでした。

一方で、現場がどのように疲弊しているのかを客観的に把握し、それを他社ではどのように解決しているのか、自分なりにまとめることはできました。でも、いきなり金銭投資を伴う取り組みは、提案する側としてもどう進めていいかハードルが高すぎたのと、自分だけの意見で押し通すのは違うなあと思っていました。

そこで、10人前後の現場社員を集め、「課題の話し合い」からはじめたいのですがいかがでしょうか、と提案しました。

ワイガヤ、つまりワイワイガヤガヤと部署や年代を超えて、リアルな働くということ、働く環境について、現場の皆さんが思っていることを率直に話してもらう場を作ってみませんか、という提案をしたのです。

※ワイガヤとは、本田技研工業で実際に取り組まれていた話し合いの場づくりでした。イノベーションの出発点として個人の考えを尊重する、見える化する仕掛けという点に感動して「やりたい!」と思ったのです。当時参考にした記事はこちら。

すると、まず専務はいいでしょう、やってみたら?と言ってくださいました。ありがたし!!「現場社員への声かけの前に、コーポレート部門の役員たちに提案してみてよ」、と言うことで、人事・総務・システム・コミュニケーション(発信)の担当役員・管理職へ提案することに。

提案すると、投資が発生しないからか社員の声が重要である点に共感してくださったのか、さしたる反対もなく進みました。そして、「社員に声をかけるなら、社長はじめ、営業や技術部門の役員にも了解を取るべきだ」と言うことに。あわわ。

とんとん拍子に、社長以下、現場営業・技術部門の役員・取締役へ提案する運びとなったのです。

やはり「ワイガヤの実行」と言う金銭投資を伴わないことだったからか、いいんじゃない?やってみれば?と言うことになりました。大きく否定はされず、かといって全面的に推進しよう!ということもなく。やってみなはれ、ということになりました。(もちろん、専務からの後ろ支えがあったからと、心から感謝しています)

【その1】まとめ

経営が示した方向性に共感しつつ、動いていない現実にギャップを感じて、じゃあ具体的に何をすれば動いていくのかを考え、企画書を書いてみました。企画書は、さまざまな人に見てもらって、沢山の役員にご意見をいただき、ブラッシュアップしてようやく「現場社員に声かけして、ワイガヤ」やってもいいよ〜と言う状態になりました。この間約3ヶ月です。

入社5年目のヒラ社員、度胸だけはありますね笑

【次回】ワイガヤとは何か?企画の中身をご紹介しようと思います。

本日も、読んでくださってありがとうございました!モヤモヤを感じたところからが、変革のはじまりです!表紙の写真は、江戸時代の働く現場!やっぱり、活気ある現場に笑顔あり😆🙌自分の「モヤっと」をスッキリクリアにしていけるよう、今日も元気に働いていきましょうね!

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